いやー買っちゃった。たいしてカメラ資産持ってないのに買っちゃいましたよ。本格的な防湿庫。
防湿庫を買うにはまだちょっと速いかもしれないけど、後述する「乾燥剤方式」の防湿庫だったら寿命が半永久的なので今買っても一緒かなと思ってさくっと買っちゃいました。
そして防湿庫のメーカーは主に「トーリハン」「東洋リビング」「IDEX」「アイポー」「ハクバ」が購入候補だったんですが、最終的には東洋リビングとの比較の上、自分はトーリハンの防湿庫を選びました。
なぜトーリハンの防湿庫を選んだのかその理由もいろいろ説明しながら防湿庫のレビューをしていきます。
いま手持ちには一応、ネオ一眼・デジタル一眼レフ・ビデオカメラと一通り持ってるし総額だと10万円超えるので良いタイミングかなと。
⇒カメラ防湿庫のおすすめ、メーカーの比較・選び方
それではここから先は自分が購入した防湿庫についてレビューしていきます。
もくじ
トーリハンの防湿庫「T-83D-MII」
購入したのはトーリハンのT-83D-MIIという薄型タイプの防湿庫。
※現在はほぼ同じ仕様の「NT-83-MII」になりました。目立つ違いは湿度計がデジタルからアナログに変わっています。
↓以下は、自分が買ったT-83D-MIIの仕様です。
- 外寸:幅400×奥300×高600mm(足含)
- 内寸:幅398×奥230×高510mm
- 奥行が短いスリムタイプ
- 容量:47L
- 重量:10kg
- 除湿方式:乾燥剤(3時間30分吸湿→30分排出)
- 湿度計:デジタル(庫外・庫内デュアル)
- 棚:固定式(耐荷重50kg)
- 棚に光触媒塗布
- 庫外コンセントあり
- 保証期間:5年
- 付属品:棚板2、トレー1、キー2、湿度計1
33,000円くらいで買ったので容量あたりの単価だとかなり割高になるんですけど、収納スペースに限りがあるので、承知の上で薄型タイプを買いました。
防湿庫は置き場所に余裕があるなら80L以上のサイズを買ったほうが割安になります。小さいサイズを買おうとしている人はよく考えてから購入してください。
「防湿庫を買おう」なんて思う人はそれなりのカメラ資産を持っているはずで、小さいサイズの防湿庫を買ったらすぐにカメラが入らなくなる可能性もあると思います。
とくにデジタル一眼レフを持っている人はレンズが増えるかもしれないので、未来の自分を信用しないようにしましょう(笑)
トーリハンの防湿庫の特徴
さて、いろんな防湿庫メーカーを比較して最終的にトーリハンの防湿庫にしたわけですが、決め手になったポイントをいくつか紹介してみようと思います。
個人的にこれらの5つの点がトーリハンを選んだ理由です。
- 除湿方式が乾燥剤
- 庫内と庫外が測れるデジタル湿度計→新しい型番「NT-◯◯-M3」シリーズでは庫内のみ図れるアナログ湿度計になりました。
- 光触媒で防カビできる
- 棚が固定式で使いやすく耐荷重が引き出し式の約4倍
- 庫外コンセントが便利
除湿方式が乾燥剤
防湿庫の除湿方式には「乾燥剤方式」と「ペルチェ方式」の2種類があって、トーリハンの防湿庫は乾燥剤方式を採用しています。
乾燥剤方式は電子ドライユニットの寿命が半永久的で、20年以上使っているユーザーもいるんだとか。
対するペルチェ方式は、例えばペルチェ方式を採用しているIDEXでは耐久年数が設計段階で10年を目安としていると書いてあり、保証期間は3年とのこと。
参考:よくある質問 | カメラ・レンズの防湿庫はD-strage
なので、長期間使うことを考えると乾燥剤方式のほうが良いかなと思ってトーリハンにしました。
ちなみにトーリハンの乾燥剤方式は3時間30分湿気を吸着した後に30分かけて庫外へ放出するというサイクルなので、タイミング悪くガラス扉を開けるとなかなか湿度が下がらないこともあります。
でも、ペルチェ方式が「いつでも素早い除湿ができること」を強みにしてますけど、30分くらい湿度が下がらなくても大丈夫じゃないかと思いますけどね。
↓電子ドライユニットは湿気が溜まりやすい下のほうに設置されていて、
↓湿度調整ダイヤルで湿度の調整ができます。
この写真のダイヤルの位置が購入時の状態で、ちょうど湿度40%くらいになりました。外気の湿度が高すぎるなどの理由がなければ湿度調整ダイヤルをいじる必要は無さそうです。
庫内と庫外が測れるデジタルデュアル湿度計
自分が購入した「T-83D-MII」は、庫外と庫内の湿度を両方計測します。デジタル表示はとても大きく、内外の湿度差がひと目でわかるのでとても気に入ってます。
ただし、現行の型番だとデジタル湿度計は廃止されました。
新しい型番「NT-◯◯-M3」シリーズでは、庫内のみ測れるアナログ湿度計になりました。庫外の湿度を測る場合は別途湿度計を置いてください。アナログだと遠くからわかりにくいというデメリットはありますが、デジタル的な故障の心配はありません。もし故障した場合も対応しやすいので、これはこれで良いかもしれませんね。
ちなみにハクバのデジタル湿度計を庫内に入れて防湿庫の湿度計と誤差がどのくらいあるか測定してみると41%と38%で誤差3%でした。
と言ってもトーリハンの防湿庫の精度は±5~7%、ハクバの湿度計の精度が±5%なので防湿庫の湿度計が正確かどうか確かめることはできないんですけどね。
単体で売られてる湿度計もだいたい±5%くらいの精度なので、過度な期待はしちゃいけません。
カメラの湿度管理はだいたい40%くらいが良いと言われているので、だいたい35~45%内に収まっていればOKというくらいのつもりで。
光触媒で防カビできる
主要防湿庫メーカーの中でトーリハンと東洋リビングのみ光触媒を搭載していて、カビを分解・除去すると謳われています。
トーリハンの光触媒は棚に可視光応答型光触媒を含浸塗布するというやり方で、リビングの明かり程度で反応して光触媒が作用するとのこと。
光触媒がちゃんと反応すれば防カビ剤がいらないってことになりそうなんですけど、自分は設置場所が床に近いということもあって光が当たる面積が小さく不安なので、
↓(本当は必要ないのかもしれないけど)防カビ剤を併用しました。
有効期限は開封から1年。容量20Lに付き防カビ剤1個が目安。成分は下に降りていくのでなるべく上のほうに置いてくださいとのこと。
防カビ剤用の棚などは用意されていないのでマスキングテープで壁に貼り付けました。
固定式の棚
トーリハン防湿庫のスチール棚は固定式でガッチリしているので、耐荷重50kgと非常に強く、絶対の安心感があります。
他の東洋リビング、IDEX、アイポーが主に採用している引き出し式の棚はだいたい耐荷重が12kgなので、大きい防湿庫にフルサイズ一眼や大きなサイズの交換レンズを何個も乗せたら不安になるかも。
それと比べたらトーリハンの耐荷重50kgは絶対に大丈夫だと思える安心感があります。
また、固定式の棚だとフチの出っ張りがないので、出し入れしやすくなってます。
引き出し式の棚だといったん棚を引き出す必要がありますが、固定式の棚ならカメラを直接棚に置くだけなので片手でも出し入れしやすくなります。
棚の表面はフェルト地っぽいクッションシートなのでカメラを置く時に傷つける心配はありません。
↓ちなみにトーリハン防湿庫の固定棚の取り付けは、こういう金具を引っ掛けて、
↓その上にスチール棚を乗せるようになってます。
庫外コンセントがバッテリー充電に便利
防湿庫の本体裏側に庫外コンセントがあって、バッテリーの充電などに使うことができます。
↓裏側の角にコンセントが1個。(最大500W)
トーリハンの防湿庫はエコノミータイプ(型番がECから始まるもの)以外のすべての防湿庫に庫外コンセントが搭載されています。
他に庫外コンセントが搭載されているメーカーは東洋リビングの小さい容量のものだけなので、大きなサイズで庫外コンセントが搭載されている防湿庫が欲しい場合はトーリハンになります。
東洋リビングの大きな防湿庫だとなぜか庫外じゃなくて庫内コンセントがあるんですけど、バッテリーの充電するのにわざわざ庫内のコンセントって利用しにくいと思うんですけどね。
↓実際に庫外コンセントに電源タップを付けていろいろなバッテリーを充電できるようにしたのがこれ。
↓マグネット付きの電源タップを使えば、防湿庫がスチール製なので横にくっつけることもできます。
薄型タイプの防湿庫の特徴
さて、ここまでは防湿庫のメーカーとしてトーリハンを選んだ理由を書いてきましたが、トーリハンの中でも自分は「薄型タイプ」をあえて購入したので、選んだ理由を書いていこうと思います。
薄型タイプ(奥行が短いタイプ)を検討している人は参考にしてみてください。
↓ちなみに自分が買った「T-83D-MII」の基本的な寸法はこんな感じ。(新しい「NT-◯◯-M3」シリーズもサイズは同じ)
薄型タイプは、通常タイプよりも奥行が約9cm短いです。
1列収納するのに使いやすい
↓まずこれは薄型タイプじゃない、通常サイズの防湿庫の内寸奥行。
- トーリハン 320mm
- 東洋リビング 299mmと344mm
- IDEX 380mm
- アイポー 321mmと360mm
それに対してトーリハンの薄型タイプの内寸奥行は230mm。
通常サイズの防湿庫で前後2列に収納すると収納力はアップしますが、奥のものを取り出しにくくなるし、手前のレンズにぶつかって落としたり傷つけたりする危険性もあります。
それに対してトーリハンの薄型タイプの防湿庫は1列で収納するのにちょうど良い奥行なので使いやすく安全になります。
↓この写真はネオ一眼(奥行16cm)とデジ一眼(奥行18cm)を奥の壁に付けた時の手前スペースの余り具合。
ガラス扉を開けたらすぐに手に取れる位置にあるし奥行のスペースが無駄なく使えます。
狭い場所に置ける
薄型タイプの防湿庫は奥行が外寸でも300mmしかないので、折りたたみ机の下なんかにも置けます。
↑この机、ホームセンターのコーナンで買った折りたたみ机なんですけど、通常タイプの防湿庫だったら机の足に引っかかってしまうサイズでした。
壁際に置くけどあんまり出っ張りたくないという人にも薄型タイプの防湿庫はおすすめです。
トーリハン防湿庫の感想
さて、トーリハンの防湿庫や薄型タイプの特徴について書きましたが、今度は自分が実際に「T-83D-MII」を使ってみてわかった点を少し書いていきます。
除湿のスピード
除湿前の湿度は庫外56%、庫内55%。(左側にある単体の湿度計は誤差測定のために置いたものなので無視)
1時間後には45%。最終的に2時間後に目標湿度の40%付近まで下がりました。
これならまぁ30分間の放出タイミングでガラス扉を開けてしまっても何時間も高湿環境にさらされるわけでは無さそうなので十分なスピードですね。
加湿機能は無い
これはトーリハン以外のメーカーも同じですけど、カメラ防湿庫に加湿機能はありません。
庫外が乾燥していたら庫内も乾燥します。
↓この写真は、エアコンをつけて外気の湿度が37%になったので庫内の湿度が引っ張られて低くなったところです。
湿度が低すぎてもカメラのコーティングやゴムの劣化を起こしてしまうので、30%を切るような低湿度になったら水を含ませたタオルをかけたりして、部屋全体を少し加湿したほうが良いかもしれません。
ガタつき防止のアジャスター足
トーリハンの防湿庫は4本の足で接地しているんですが、そのうちの1本だけがネジで高さ調節ができるアジャスター足になっています。
↓こちらが高さ調節できない普通の足で、
↓こちらが高さ調節できるアジャスター足。
キャスター
自分は買ってませんが、トーリハンはすべての防湿庫に純正のキャスターが用意されています。
他のメーカーは大きいモデルにしか用意されていなかったり、情報が少なくてよくわからなかったりするので、キャスターの安心感はトーリハンがダントツ。
IDEXやアイポーに至ってはオプションでキャスター自体がありません。
まとめ
ということでしばらく使ってみて、トーリハン薄型防湿庫の満足度は高かったです。
今まではドライボックスとシリカゲル乾燥剤を使って湿度管理してましたけど、防湿庫使うともう戻れません。しかも電気代がほとんどかからないので(1日1~2円)、もっと早く導入しておけば良かった・・・。
防湿庫を買おうか迷っている人は、梅雨に入る前に検討したほうが良いですよ。
ちょっと失敗したかもしれないと思う点としてはやっぱり47Lだと容量が小さすぎるかもしれないってことでしょうか。値段も割高になるし。スペースに問題なければ80L以上が割安になります。
↓47Lにカメラを入れたところを見ても、あまり余裕がありませんね。
防湿庫は自分が思っているよりも大きなサイズを買うべし!ってのは確かにその通りかなと、、、思ったところで手遅れですけど(笑)
↓今回レビューした防湿庫「T-83D-MII」の後継モデル「NT-83-M3」はこちら。
↓防湿庫の選び方についてまとめた記事もあるのでどうぞ。