YouTubeのタイムスタンプをつけることが何回かあり、いろいろノウハウが溜まったので、まとめておきます。
タイムスタンプをつける作業は、けっこう多くのテクニックを組み合わせないと時間がかかりまくるので、今タイムスタンプ作業をしている人はぜひ見てみてください。
もくじ
2倍速以上の倍速再生
YouTubeはもともと2倍速まで再生速度を上げられますが、2倍速程度では時間がかかりすぎてやってられません。
なので、任意でいくらでも再生速度を上げられる拡張機能を使います。
↓設定した値はこんな感じ。
↓下図の塗りつぶし部分が、拡張機能に設定したショートカットキー。それ以外は元からあるショートカットキーです。
右手側にショートカットキーを配置したのには理由があって、
- カーソルキーが5秒、JLキーが10秒早送り早戻しなので、近い位置にして使い分ける
- タイムスタンプをテンキーから入力する場合はこのほうが楽
- 左手はAlt+Tabによってメモ帳などアプリケーション切り替えのためにスタンバっている
ので、倍速関係のショートカットキーを上記の位置にしています。
本来、YouTube純正の倍速ショートカットキーは一応「Shift+>」で0.25倍速刻みがありますが、これは2倍速までしかできません。
それが、上記拡張機能によって倍速を上げると、16倍速まで上げられます。
実際は3倍速あたりが使い勝手が良いですが、喋るスピードによって4倍速でもいけるし、音声が関係なければ8倍速くらいで流して変化があった部分で止めるという使い方もアリです。
また、普通に視聴するときに、1.2倍速くらいだと違和感もなく快適に見ることができるので、0.1倍速刻みの調整もできるようにしておくと便利。
短い早送り・早戻し
YouTube純正の早送り・早戻しは、
- ←→キーによる5秒
- JLキーによる10秒
しかないので、細かい変化を探すのに不便だと思うことが多かったです。
そこで、上記拡張機能によって「3秒早戻し」「1.5秒早送り」を追加して、細かい変化を拾います。
秒数は、自分が使っていくうちに落ち着いたものなので、好みの秒数にしてください。
キーボードマクロ
そして、手入力で連打すると当然疲れるので、キーボードのマクロ機能などで、自動で連打させて使います。
自分はHiMacroExというフリーソフトを使っていますが、詳しいわけではないので、自分でググって探してみてもいいと思います。
マクロツールで設定するならたったの2行、
- 早送りしたい秒数のキー
- 待機時間をミリ秒で入力
- ループ回数を9999回など適当に入力
これで連打ツールの完成です。
連打する間隔は、画面の切り替わりを見るだけなら0.2秒ごと、音声も少し確認しながらだったら0.3秒刻みくらいで使ったりします。
動画のコーデックh.264・VP9
YouTubeの動画形式によっては、再生が重たくて、これらの倍速・早送り・早戻しができないことがあります。
これは動画の形式がH.264で再生されていることが原因で、まともにタイムスタンプ作業ができません。
なので、強制的にVP9コーデックにして再生させるために拡張機能を使います。
拡張機能のボタンから「Block h.264」にチェックをつけると、h.264で再生されていた場合は他のコーデックで再生される(ってことだと思います)
「なんでh.264で再生されるんだよ!」ということに関しては、要するにハードウェア側がVP9に対応してないとダメだよ、ということらしい。
参考:YouTubeにおけるVP9の再生について | シャベリゾン.JP
参考:PCで快適 4K HDR動画再生!(VP9コーデック問題解消) – ノート NISMO Sのブログ
で、拡張機能によって強制的にh.264をブロックすると、360p画質のVP9で再生されました。
勝手に予想すると、「VP9の動画はあるんだけど、あなたのPCだと360pまでしか再生できないので、h.264で再生しますよ」ってことかなぁと。
360pなので画質はもちろん悪いですが、とにかく軽く再生できるので、タイムスタンプ作業をするなら、人によっては必須になると思います。
タイムスタンプ作業の流れ
さて、実際に動画を再生しながらタイムスタンプをつけていくときは、一例としてこのような流れになります。
- 倍速・早送り連打などでスタンプする部分を見つける
- 少し微調整(後述する最終確認があるので秒単位アバウトでもいい)
- 一時停止(スペース)
- メモ帳に切り替え(Alt+Tab)
- 時間を入力(0816のように数字で。:はまだ入力しない)
- 半角スペース(Shift+スペース)
- 見出し入力
- 動画に戻る(Alt+Tab)
↓メモ帳はこんな感じ。
最後にコロン:を入れて完成。:↓←を連続入力すると楽。(※マクロでやってもいいけどそんなに労力変わらない)
スタンプ時間の微調整
タイムスタンプ作業をたくさんすると、数字の入力間違いが必ずあります。
「私は入力間違いなんてしません」なんて言っている人は、そのうち間違うので、確認できるようにしましょう。
これから紹介する方法を使って、最終確認にかかる時間を減らすのが大事です。
そのためにYouTubeLiveClockという拡張機能を使います。
先ほど作ったタイムスタンプを、この拡張機能のタイムラインノートにコピペすると、このようにスタンプ部分に色がつきます。
そして、タイムスタンプ作業においてこの拡張機能で一番ありがたいのが開始位置の確認と微調整です。
まず、タイムスタンプをクリックしたときに本当に思ったとおりの場所から再生するのか、Ctrl+Enterで確認します。
微妙にずれていたら、Shift+↓ or ↑で1秒単位で調整して、再びCtrl+Enterで確認します。
もしこの機能が無かったら、目で秒数を追いながら頭の中で再生が始まったことを想像しないといけません。それが微調整のたびにあるので、非常に疲れます。
タイムスタンプが保留になる問題
あとはコメント欄にコピペして投稿するだけですが、長いタイムスタンプは反映されないことがしばしばあります。
確認するには、Ctrl+Shift+Nでシークレットモードを起動して、ログインしてない状態で、該当動画を開きます。
参考:シークレット ブラウジング – パソコン – Google Chrome ヘルプ
自分のアカウントで見たらコメントがあるのに、シークレットモードだと見れない場合は、たぶん保留されてます。
※ただ、すぐには確認せずに、時間を置いてから確認してみてください。管理者によってはすべていったん保留にする設定になっている場合もあります。
YouTubeの保留は困ったことに、管理者には通知されないまま、60日で自動削除されてしまいます。
管理者も気づいてない場合がある(実際あった)ので、何日かたっても反映されてなければ、連絡してみましょう。
スマホ視聴を意識する
先ほど例に出したタイムスタンプをスマホで視聴するとこのようになります。
スマホの視認性に関わってくる点は以下の通り。
- スタンプの縦の列を揃える(手前にスペースを入れると、改行された文頭で見にくくなる)
- スタンプは文末に書かない(改行されたときにわかりにくくなる)
- 見出しが長いと改行されてしまうので、長い説明文にはならないように
- 1時間未満のスタンプに00:01:51のように時間単位まで書かない(無くても縦の列は合うし、スマホの限られた幅がもったいない)
- 1行ずつ空けてタップしやすくする考え方があるが、スマホの面積だと一蘭性が低くなるのでトレードオフ。
PC視聴を前提にしたようなタイムスタンプをときどき見かけますが、スマホ・タブレット視聴のほうが多いので、最終確認はスマホでしましょう。
マウスを使わない
余談ですが、こういう作業では、基本的にキーボードショートカットでできる方法を探します。
マウスを使うのは、「マウスを使ったほうがキーボードよりも効率が良い」ときです。
(とはいえ、マウスのクリックや座標移動さえマクロツールで命令できるので、大量に繰り返す作業はとくにマウスを使わないように意識します)
キーボードからいったん手を浮かせてマウスを持つ動作は、実はかなり負担が大きいです。
↓タイムスタンプ作業で使う可能性があるショートカットキー
- Ctrl+C コピー
- Ctrl+V ペースト
- Ctrl+X カット
- Ctrl+A 全選択
- Ctrl+Z もとに戻す
- Alt+Tab アプリケーションの切り替え
- Ctrl+Tab 右のタブに移動
- Ctrl+Shift+Tab 左のタブに移動
- Ctrl+Page Down 右のタブに移動
- Ctrl+Page Up 左のタブに移動
- Ctrl+W タブを閉じる
- Ctrl+T 新規タブ
- Ctrl+Shift+T 直前に閉じたタブを復活
- Ctrl+R リロード
- F5 リロード
- Ctrl+Shift+N シークレットウィンドウを開く
- Ctrl+クリック リンクを別タブで開く
- Alt+D アドレスバーに移動(URLのコピペや&s=部分を削除するなど)
タイムスタンプ作業にかかる時間
まず、VP9で再生できるかどうかで、h.264と比べて5倍~10倍くらい作業時間が変わります。
VP9で再生できない場合は、タイムスタンプ作業はやめたほうがいいです。時間があまりにもったいないので。
次に、何を目的としたタイムスタンプなのかで違いがあります。
喋っている言葉をすべて聞いてスタンプしたい場合は3倍~4倍速くらいが現実的かなと思います。再生時間が長いとまあまあ大変。
見た目に変化があった部分だけスタンプしたい場合は、10倍速で流したり、3倍速+早送り連打するなど、けっこう楽です。
内容を見る必要がなく、たとえば発表者のスタート位置だけスタンプすればいいなら、カーソルキー押しっぱなしやシークバーのクリックで数分ごとに移動すればいいので、もっと楽でしょう。
スマホでタイムスタンプ作業
おすすめはしませんが、スマホでタイムスタンプをつける機能もあります。
コメント欄の右側にあるボタンをタップすると、現在の再生時間と半角スペースが自動で挿入されて、メモをすぐに入力できる状態になります。
タイムスタンプの時間を微調整する用途には向きませんが、大雑把なスタンプをメモしておくにはちょうどいいかもしれません。
まとめ
タイムスタンプ作業に関するノウハウって(当然だけど)見かけることが無く、「知らないから時間がかかりすぎてやる人が増えない」という問題がありそうなので、広く知られて実践されたらいいなぁと思ってます。