『人工知能は人間を超えるか』を読んでディープラーニングがよくわかった

結構最近発売された人工知能の本を読み終わりました。この記事を書いている時点では人工知能カテゴリ1位。

今まで何冊か人工知能に関する本を読んできましたが人工知能の定義や今後の展開を分かりやすく予想している内容でした。

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GoogleやSiriは「機械学習」を利用している

身近な人工知能と言えばご存知「Googleなどの検索エンジン」や「Siriなどの音声認識」がありますね。質問に対して実に賢く、時にはサプライズをしてくれます。

Siriなんかまるで人が考えたような回答をしやがります。

そんな何でも知ってそうに見えるGoogleやSiriさんでも人工知能のレベルだとまだまだ途中段階で「機械学習」という手法を取り入れているそうです。

判断基準はいまだに人間が決めている

現在のところGoogle検索やSiriでは「判断基準」を人間が決めてますよね。

例えば検索エンジンで検索順位を決めるための判断基準は(あくまで一例)

  • 被リンクの数や質で検索上位されやすくなる
  • キーワードの過度で無意味な羅列はスパム認定

などなど検索結果として望ましい状態になるように何を判断基準にするのか(何に着目すれば良いのか)人間が試行錯誤して決めています。

そして人間が基準を決めている以上、ある程度で精度が頭打ちになってしまうことが分かっています。

本書には以下のように書かれていてすでにSiriもこの段階に入っています。

ちなみに、自然言語処理でも検索でも、人工知能技術を用いて最後にコンマ何%という性能の勝負の段階になると、必ずこの職人技(あるいはヒューリスティックと呼ばれる)のかたまりになってくる。研究としてはあまり面白くないところだ。実は、Siriのような「音声対話システム」も、ワトソンのような「質問応答システム」も、ほとんどこの段階に入っていて、研究者からすると、「やってもいいけど大変なわりにあまり未来がない」ように思える世界である。その世界で少しずつ性能を上げていくには、気の遠くなるような努力が要求される。

このように、人間が基準を決める方法だと設計がうまければ人工知能はうまく動くし間違えていれば人工知能がうまく動かないことになってしまいます。

これだと本当の意味で自分で考える知能があるとは言えませんよね。

しかも開発が進めば進むほどやれることは少なくなっていきます。

自ら判断基準を作り出す「ディープラーニング」

先ほどまでの「機械学習を取り入れた人工知能」は判断基準を設計するのに人間の力がどうしても必要になることが弱点でした。

しかしついにその弱点を克服する手法として

ディープラーニング

というのが出てきます。

詳しい仕組みは図解でいろいろ書かれているんですが正直難しくて完璧に理解することができません(笑)

とりあえず人工知能が自分から判断基準をあぶり出すことができるようになるということが分かれば良いんじゃないかと思います。本書の中でもそれが大きな進歩だと強調されています。

ディープラーニングは、データをもとに、コンピュータが自ら特徴量をつくり出す。

(中略)

ディープラーニングによって、これまで人間が介在しなければならなかった領域に、ついに人工知能が一歩踏み込んだのだ。

※ちなみに勝手に「判断基準」と書いてますが本書の中では「特徴量」という言葉が使われています。人工知能に馴染みが無い読者だとどうしても特徴量という言葉がピンとこないと思ったので。まずかったら指摘してくれると助かります。

じゃぁなんで世の中の人工知能がさっさとディープラーニングに置き換わらないのかというとPCスペック(計算量)が大きな壁になっていたそうです。

例えばYouTube動画の画像1000万枚の中から「猫の顔」という概念を自ら獲得(人間が猫の顔の定義を教えなくても判断できるようになる)のに1000台のサーバーパソコンを3日間動かしたそうです。

「猫の顔はこんなのだよ」という認識を学習するだけでそれだけのスペックが必要になるんだから一昔前は不可能だったのもうなずけます。

そしてインターネット上にある情報すべてをディープラーニングで学習させるにはまだPCスペックが足りないというのもわかります。

ただしPCスペックはまだこれからも性能アップしていくだろうから徐々にスペック不足の問題は解消していくんでしょうけどね。

無くなる仕事、残る仕事

オックスフォード大学の論文「あと10~20年でなくなる職業と残る職業のリスト」が例として出されていて、人工知能による影響というよりはIT全体の発達によって影響が大きいか小さいかというものです。

本書では残る可能性が高い仕事は対人コミュニケーションが必要な仕事だったり、無くなる可能性が高い仕事は工場のオペレーターだったりとかいろいろ書かれてます。

そういえばAmazonの工場内で動くロボットは動画が紹介されていたりしますね。あのロボットが工場内でどのように動くかも当然人工知能が利用されていると思います。

自分のこれから力を入れていく仕事やスキルのヒントになるかもしれません。

ディープラーニングは大きな一歩

以上『人工知能は人間を超えるか』についてつらつらと書いてきました。

読後に感じたことはディープラーニングが人工知能発達において本当に大きな一歩だったってことです。

これからの人工知能の発達に及ぼす影響は大きいんだろうと実感します。実生活にいつ実感する時が来るかはわかりませんけど。

というか気づいたら身近な存在になってたみたいなパターンになるんでしょうね。

おまけ:ウォール街や音楽業界で利用された事例が豊富な本

このブログ記事を書きながら思い出したんですけど広義の人工知能を利用している事例が書かれている『アルゴリズムが世界を支配する』を読んだことがあります。

この本ではウォール街でのトレーダーに高性能なツールが自作され、売りだされ、競争が加熱していく様子が書かれています。人工知能のレベルで言えば

  • レベル2「古典的な人工知能」
  • レベル3「機械学習を取り入れた人工知能」

どちらになるのかよくわかりませんが人間がアルゴリズムの判断基準を決めて競争している様子がよくわかります。まさにイタチごっこ。

その他、作曲で人間と機械が対戦した話や薬の調剤ミスをしない機械などの話が書かれています。

無くなる仕事・残る仕事という切り口だとこちらのほうが事例が具体的なので参考になります。

クリストファー・スタイナー,永峯 涼
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