パソコンのキーボードって全然使わないキーがありますよね。
CapsLock・無変換・変換・カタカナキーとか結構押しやすい場所にあるのにあんまり使いません。
実にもったいない。
あとはホームポジションからは離れるけど右上のほうにあるF12・Scroll Lockも使わない人が多いと思います。
そんな使用頻度が少ないキーを有効活用できるように、自分の好きなキーマッピングを割り当てしたり無効にしたりできる、キーボード配列を変更できるKeySwap(キースワップ)というフリーソフトの紹介。
もくじ
KeySwapとは
KeySwapはキーボードに、自分の好きなキーボード配列を割り当て、または無効にできるWindows用のフリーソフト。
例えばCapsLockをCtrlに変更したり無効にしたりできます。
常駐ソフトではなく、レジストリを変更するタイプのソフトウェアなので、パソコンを再起動かログオフすることによって設定が反映されます。
設定が反映されたら、根本からキー割り当てが変更されているので、ソフトの動作に影響を与えにくいのがメリットとなります。
逆に、再起動しないと設定が反映されないので、ゲームする時だけ、一時的にキー割り当てを変更したい、という使い方には向きません。
※同じような仕組みの「ChangeKey」も定番なので、自分は使っていませんが後で少しだけ追記します。
KeySwapのWindows10など対応状況
対応OSはWindows7までと書かれていますが、Windows8・Windows10での動作確認もされています。
報告を見ると何人かはうまく動かなかったようですが、ソフトが原因かどうかはわかりません。
使い方やパソコンの環境の影響もあるような気がします。(後述する「管理者として実行」してないだけという可能性もあるかも)
自分はWindows7で使っていますが2年以上使っていて不具合は起こってません。
KeySwapのインストール
↓KeySwapのダウンロードはこちら(Vector)から。
KeySwap for XPの詳細情報 : Vector ソフトを探す!
ソフトのダウンロード・解凍まで終わったら「keyswap」という名前のフォルダを任意の場所に置けば完了です。
一応デスクトップだろうがマイドキュメントだろうが動作しますけど、自分はソフトウェアの入る場所としてCドライブのProgram Filesの中にしておきました。
パソコン内部の設定を変更するソフトウェアだから、Dropboxなどのクラウドストレージには置かないほうが良いでしょう。
KeySwapを起動する時は「管理者として実行」
インストールが完了したら「KeySwap」というファイル名のexeファイルを実行します。
実行しようとすると「管理者としてこのプログラムを実行してください」と言われて起動できないことがあります。
その場合は右クリックして「管理者として実行」をクリックすれば開けるようになります。
KeySwapの設定方法
KeySwapで使うことができるキーは以下のとおり。109キー+マルチメディアキーとなっています。
事務仕事だったら電卓を割り当ててみたり、音楽をよく聴く人なら音量調節したり、なんてこともできます。
キーの割り当て方法
いよいよKeySwapの設定をしていきますが、直感的なインターフェースなのでそんなに難しくありません。
変更したいキーをクリックして、
そのキーに割り当てたいキーをクリックすれば完了です。黄色になっている部分が現在設定中の項目です。
この例ではCapsLockキーにCtrlを割り当てています。
上記のようにマウスでクリックしても良いし、キーボードのキーを押すことによっても入力できます。
設定の保存
すべてのキーの割り当てが気の済むまで終わったら設定内容を保存して、いつでも呼び出せるようにしておきます。
最後に終了ボタンをクリックして登録して完了です。
設定を適用するためにPCの再起動またはログオフ
KeySwapはレジストリを変更しているので、これだけだとまだキー割り当ては反映されていません。
パソコンを再起動またはログオフしてもう一度立ち上げる必要があります。再起動してみましょう。設定が反映されているはずです。
KeySwapの設定例
あとは人それぞれ違うので、絶対におすすめという設定があるわけじゃありませんが、考え方として自分のキー配列を参考にどうぞ。
キーボードの写真を見ながら考えてみましょう。使用頻度が少なそうなキーには赤字で書き込んでみました。
右上のほうにある「Sc」はScrollLock、「Pa」はPauseです。
それではどんな設定にしたら便利になるのかいくつか例を出してみます。
[無変換]を[Ctrl]に変更
これが個人的に一番のお気に入りです。
スペースキーの左側にある無変換をCtrlにすることによって、親指でCtrlキーを使えるようになるので、ホームポジションのままショートカットキーが押しやすくなります。
左下のCtrlキーはホームポジションが崩れるし小指で押さえるので指が疲れます。Fより右側の範囲が押さえにくくなります。
それと比べると無変換キーをCtrlとして使うとずいぶん使いやすくなります。
特に使用頻度が高いA(全選択)、S(保存)、F(検索)、W(閉じる)、Z(元に戻す)、X(切り取り)、C(コピー)、V(ペースト)、R(リロード)、T(新規タブ)あたりのショートカットキーを、ホームポジションから動かさずに左手だけで使えるので、効率がすごく上がります。
[変換]を[Shift]に変更
スペースキーの右側にある変換をShiftにして、親指でShiftキーを使えるようにします。
Shiftは小指で押さえにくいし、右のShiftは距離が遠いので、以下の画像のように、右手親指でShiftを使えるようにすると非常に効率が良くなります。
これによって、大文字アルファベット、記号、ショートカットキーなどの入力がラクになります。
特にキーボード上段の「!」「”」「#」「$」「%」「&」あたりは使用頻度が高く、小指Shiftだと打ちにくいので、親指でShiftキーを使うとかなり快適。
また、かな入力もShiftキーを多用するので打ちやすくなります。
[カタカナ]を[Enter]に変更
Enterキーはホームポジションからの距離が遠くてフォームが崩れるし、小指打鍵は疲れるので、カタカナひらがなキーをEnterキーに変更して、薬指で打鍵します。
※もっとEnterを多用する人なら変換キーをEnterにして、親指で打鍵しても良いかもしれません。
こうすると、ブログなど改行の多い文章を入力する人や、変換の確定を頻繁にする人は随分タイピングが楽になるはず。
[カタカナ]を[変換]に変更
カタカナひらがなキーを変更する例としてもうひとつ。
変換キーの場所は親指で押しやすい特等席なので、使用頻度の高いShiftキーを割り当てしましたが、変換キーは読みの分からない漢字を再変換できるという便利な機能があるので、たまに使うぶんには結構便利です。
カタカナひらがなキーの場所はホームポジションから微妙に押しにくいので、使用頻度が低い変換機能を割り当てるのにちょうどいいかもしれません。
ネットでいちいち検索しなくても、キーボード入力できる状況ならすぐに読みがわかります。
[Caps Lock]を[Ctrl]か[Alt]に変更
CapsLockキーを使う頻度は少ないので、これもショートカットキーを使うためにCtrlかAltキーに変更するのがひとつの方法です。
↓Caps LockをAltに変更した例。
この設定をすると上記のキャプチャのようにCtrl・Shift・Altの組み合わせによるショートカットキーが押しやすくなります。
キーボードによってはスペースキー左の無変換キーが無いだろうからその場合はCapsLockをCtrlにすると良いと思います。
[Caps Lock]を[Page Up]に変更
Caps Lockキーの活用方法をもうひとつ。個人的にすごい画期的な変更だと思うものを紹介。
Caps LockキーをPage Upに変更すると、Webブラウジングが快適になります。
Chromeで左右タブの移動
まず左右のタブ移動が、
- [Ctrl]+[Tab] 右のタブへ移動
- [Ctrl]+[Page Up] 左のタブへ移動
最初に紹介した無変換→Ctrlも組み合わせると非常に快適にタブ移動できます。
↓スペースキー隣のCtrlを親指で押さえたまま、TabとPage Upが押さえやすくて超快適。
Chromeで1画面スクロール
- スペース 1画面下にスクロール
- Page Up 1画面上にスクロール
という操作ができるので、左手をホームポジションの近くに置いたまま大きいスクロール操作ができます。
ネットサーフィンする人はぜひ試してみてください。閲覧の快適さがグっと増します。
CapsLock ゲーム用の割り当て
Caps Lockキーはゲームで使うWASDキーと近いので誤爆しやすく、しかも誤爆したら入力方式が切り替わってゲームに支障が出たりするので、とても邪魔なキーらしい。
しかも、Caps Lockはゲームのキーコンフィグに割り当てられないことも多いみたいなので、無効化する人もいるんだとか。
これを誤爆防止で無効にするんじゃなく有効活用したいなら、KeySwapによって
Caps Lock→ 他のキーに割り当て →ゲームのキーコンフィグで割り当て
という手順を踏めば使える、ということになります。
[Scroll Lock]まわりのキーを変更
ちょっと外れたところにあるF12・Print Screen・ScrollLockのキー。Print Screenはサポート受ける時に使うかもしれないので変更はおすすめしないけど普通の人は使用頻度低めだと思います。
とくにScrollLockはどのアプリケーションでもまったくと言っていいほど使うことがありません。
ホームポジションからは離れているので例えば音量調節とか良いかも。
[Pause]は変更できない
なぜかPauseは変更する側・される側ともに設定することができませんでした。特別なキーなんでしょうか。もしくはパソコン環境によるのかもしれません。
変態配列キーボードのキーを無効にする
ノートパソコンはメーカーによって変なキーボード配列のものがたくさんあります。Enterのすぐ右側にHomeやPagedownあたりが邪魔になるものもあるのでいっそのこと無効にして、無効にしたキーは他の場所に移すのもひとつの手ですね。
また、ゲームする時にCaps Lockを無効にしたいプレイヤーもいるかもしれません。
割り当てるキーに「削除無効用【Delete】」を選べばそのキーが無効になります。
ただし、KeySwapはパソコンの再起動やログオフをしないと設定が反映されないため、必須キーの無効はしないように気をつけてください。
[Windows]キーを無効に
PCゲームする人にとってWindowsキーが邪魔らしいです。ゲーム中に誤爆したらフルスクリーンが解除されたりするんでしょうか。
Ctrl+EscでWindowsキーと同じ動作になるので無効にしても一応大丈夫。
設定例を書いたら切りがなくなっちゃいますね。その他にも「こんな便利な使い方もあるよ」とかあればお気軽にコメント欄にでもどうぞ。
自分のKeySwap設定例
最後に自分の場合はどんなふうに設定しているかまとめておきます。
↓KeySwapの設定画面はこのようになってます。
- 無変換 → Ctrl(ショートカットキーに多用)
- 変換 → Shift(英数字の大文字や記号入力)
- CapsLock → Page Up(Webブラウジング快適化)
- カタカナ → Enter(ホームポジションから動かずに薬指で改行)
- F12 → Print Screen
- Print Screen → 音量ダウン
- ScrollLock → 音量アップ
とくに重要なのは親指のCtrl・Shiftで、使用頻度が高くて欠かせません。ホームポジションから手が離れることが少なくなるので疲れにくくもなります。
あと音量アップとダウンは地味に便利。
気をつける点としては無変換・変換・カタカナの機能が使えませんが、変換操作はスペースキーを使うから問題ないし、言語の切り替えは他の方法でも代用できるので支障は出てません。
ChangeKey
ここまで解説してきたKeySwapと同じ仕組み(レジストリを書き換えるタイプ)のChangeKeyというソフトもあります。
参考:「Change Key」非常駐型でフリーのキー配置変更ソフト – 窓の杜
設定画面がキーボード図の見た目で直感的なので、こちらのほうが分かりやすいと感じる人も多いかもしれません。
やっていることは同じなので、好みで選べば良いと思います。
AutoHotkey
ほかに、KeySwapやChangeKeyなどのレジストリを変更するタイプではなく、パソコンに常駐してより多機能なキー割当ができるAutoHotkeyというツールもあります。
使いこなせればいくらでも多機能にできますが、ある程度スクリプトを書いたりコピペできたほうがいいのでハードルが上がります。
「AutoHotkey Wiki」を読んでみて、ちんぷんかんぷんなら手を出さないほうがいいでしょう。
KeySwapやChangeKeyではできない、1キーだけでショートカットキーの機能を持たせるとか、レイヤー機能を持たせるなど、より発展した使い方がしたいなら自分で検索して調べてみてください。
まとめ
以上、キーボードの割り当てを変更するソフトとしてKeySwapの使い方と、いくつかのツールを紹介しました。
そもそもこういうキー割り当て変更が最初からできれば便利なんですけどね。
人によって必要じゃないキーって全然違うので、初期状態のキー配置が使いにくい人ってたくさんいると思います。
キーボードを使いやすくするアプローチとしてはRealforceなどの良いキーボードを使うのもひとつの方法なので見てみてください。「Realforceの選び方」という記事も書いています。
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