Android環境の動作確認がしたかったので、そのためだけの、性能が低くてもいい、「OUKITEL C15 PRO」という約1万円の安いスマホを買いました。
メインではiPhone 7を使っているので圧倒的に性能・使い勝手は違いますが、動けばいいと割り切ったAndroidスマホがどのくらいのものか、紹介します。
レビューもみ消しのためか、レビューの規約違反のためかわかりませんが、OUKITELのスマホは、販売ページが(自分が見ただけでも)2回は消えて、ページもしばらく復活しなかったことがあります。
明らかにサクラのレビューもあるので、メーカーとしての信用は低いと思います。
後述しますが、問題点もいくつかあるので、手放しでおすすめできるものではありません。
Amazonが無い場合は通販サイトを検索すれば購入できると思いますが、自己責任でお願いします。
もくじ
約1万円のスマホ比較
Amazonで「Android スマホ」を検索すると、最も安いのが9,000円前後なので、2万円以内のスマホをピックアップして、性能などを比較しました。
この記事を書いている時点では「OUKITEL」と「UMIDIGI」が幅を効かせているようです。
機種 | 値段 | 画面 | CPU | RAM | ベンチ | 容量 | バッテリ | Android |
\10,999 | 6.09 | MT6761 | 2GB | 54,800 | 16GB | 3200mAh | 9.0 | |
\10,799 | 6.18 | MT6739 | 2GB | 35,000 | 16GB | 3000mAh | 9.0 | |
\ 8,999 | 6.18 | MTK6739 | 2GB | 35,000 | 16GB | 3300mAh | 8.1 | |
\15,999 | 5.85 | MTK6750 | 4GB | 49,921 | 64GB | 4000mAh | 7.0 | |
\15,599 | 5.5 | MT6750T | 4GB | 49,800 | 64GB | 3200mAh | 8.1 | |
\ 8,937 | 5.5 | MT6739 | 2GB | 42,557 | 16GB | 3300mAh | 8.1 | |
\ 9,537 | 5.7 | MT6739 | 3GB | 45,834 | 16GB | 3300mAh | 8.1 | |
\10,837 | 5.7 | MT6739 | 3GB | 32GB | 3300mAh | 8.1 |
- ※「画面」は画面サイズのインチ数。桁数が多いものは表の都合上繰り上げされています。
- ※「ベンチ」はAntutuベンチマークのスコアです。ネット上で見た数値なのでばらつきがあるかもしれません。
- ※「Android」はAndroid OSのバージョンです。
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最終的に、価格に対してAntutuベンチマークのスコアが一番マシで、Androidバージョンが新しい「OUKITEL C15 PRO」を買いました。
用途としては以下のように、一時的な動作確認用です。
- Webサイトの表示や挙動がiOSとどう違うのか動作確認
- Androidアプリしかないアプリを試す
OUKITEL C15 PRO レビュー
今メインで使っているスマホはiPhone 7なので、値段・性能ともに圧倒的な差があることを前提でレビューします。
機種 | 値段 | 画面 | CPU | RAM | ベンチ | 容量 | バッテリ |
OUKITEL C15 PRO | \10,999 | 6.09 | MT6761 | 2GB | 54,800 | 16GB | 3200mAh |
iPhone 7 | \66,744 | 4.7 | A10 | 2GB | 170,000 | 128GB | 1960mAh |
結論からいうと、メインで使わず、Androidアプリの動作確認をするだけなら「OUKITEL C15 PRO」でも一応使えました。
※追記:後述する64bitのみ対応アプリが動かないのが致命的なので、今となってはこの機種を選ぶことはないでしょう。
ケースと保護フィルム付き
OUKITEL C15 PROは動作確認用として「とりあえず使えれば良い」という用途なら嬉しいこととして、最初から保護ケースとフィルムが装着された状態で届きます。
※ただし商品ページが変わることがあるので、まったく同一の仕様が届くかどうかはわかりません。参考程度にしてください。
↓この写真のオレンジ色のシートを剥がすだけで使える状態になります。保護フィルムは気泡もなく綺麗に貼られていました。
ただし、保護フィルムの滑りは非常に悪く、指紋がベタベタつきます。(普段はアンチグレアのサラサラフィルムを使うので知らないですけど、これが普通なんでしょうか?)
↓しばらく使ったあとの指紋の目立ち具体はこんな感じ。拭いてもすぐに指紋がついて滑りが悪くなるので、むしろ何か塗って滑りやすくしたほうがいいんじゃないかと思うくらい。
Amazonを探してもC15 Pro用の保護フィルムはガラスフィルムしかないので、滑りが良いアンチグレアフィルムが欲しい人にとってはどうしようもないかもしれません。
探した限りだと「Ulykal」「PRODELI」「Everstars」というメーカーのフィルムがありました。いずれもガラス。
なお、保護ケースはかなり薄くて柔らかく、耐衝撃性は期待できません。
動作は遅い
これはメイン端末がiPhone 7(Antutuスコア約170,000)に対して、OUKITEL C15 ProがAntutuスコア約55,000くらいなので、動作が遅いと感じるのは当たり前ですが一応。
アプリの立ち上げ、スクロールなど、すべての動作が遅くぎこちなく、スワイプしても反応しないと思ったら、誤タップしていた、ということがよくありました。
メイン端末として使うにはストレスが溜まりますが、今までiPhone 7で贅沢しすぎているからかもしれません。
逆に動作確認用端末としては、遅いCPUでも正常に動くのかどうか確認するのに都合が良い、と無理やり言い換えることもできます。
指紋認証が不便
指紋認証は裏面の中央にありますが、iPhoneと比べるとかなり使いにくいです。
↓スマホを持つときって、人差し指は裏面中央にはありません。
だから、指紋認証を使おうと思ったら、いちいち持ち直さないといけず、使いたいと思ったときに、持った状態からすぐに使えません。
また、iPhoneと比べると、指紋認証の精度もスピードも悪いです。
なので、指紋認証は一応設定してますが、使っていません。
顔認証が便利
顔認証はそこそこ便利でした。
スマホを普通に持つ持ち方で、電源ボタンを押した瞬間から1秒くらいでロックが解除されます。
人差し指や中指で押しやすい位置に電源ボタンがあるので、使いやすいです。
保存容量が16GB
本体の保存容量が16GBしかなく、初期状態で6.7GB使用(残り9.3GB)なので、写真や動画を本体に保存する使い方には向かないと思います。
Micro SDカードは256GBまで対応しているとAmazonのページには書いていますが、取扱説明書にはROM:16GB/64GB(64GBまで拡張可能)と書かれていて、どちらが本当かわかりません。
↓取扱説明書のスキャン。
手元に256GBなんて大容量のMicro SDカードが無いので実際に確認してはいませんが、容量をたくさん増やしたい人は注意が必要です。
OSの容量が圧迫することを考えると、メイン端末として使うなら32GB以上にしたほうが良いかなと思いました。
Bluetoothヘッドセットがまともに使えない
Bluetoothヘッドセットを接続してみましたが、以下のような症状で、まともに使えませんでした。
- 50cmほど離れると障害物が無くてもブツブツして聞こえにくい
- 至近距離でも、耳の反対側(頭部が障害物になる向き)だと完全に途切れる
↓使用したヘッドセットはプラントロニクス製のこちら。どちらもBluetoothのバージョンはv3.0、通信距離はClass II(10m)
iPhoneだと10メートルでも余裕で使えて、隣の部屋、2階からなど、壁を隔てても途切れないことがあるので、おそらくC15 PROはスマホから出る電波が弱いということだと思います。
これが仕様なのか不具合なのかわかりませんが、自分はそこまで必要な機能でもなかったので、返品交換などの処理が面倒で放置しています。
↓似たような状況でAmazonに問い合わせ、返品・返金した人のレビューがこちら。
たとえイヤホンとスマホとの距離が50cmぐらいしかなくても、布を挟んだだけで接続が切れるほど。BluetoothのClass3(通信距離1m)なんじゃないかと思うぐらいです。
引用:SIMフリー格安スマートフォン/OUKITEL C15 Proの使用感レビュー – rko-book.com ~おススメのミステリー小説を紹介するブログ~
↓また、Amazonのレビューには設定を調節すれば普通に使えるとありましたが、書いてある内容をすべて試してみてもまったく改善されません。
バッテリーセーバー(電池の最適化機能)をオフにしたり、memorycleanupをオフにしたり(←これ大事)、電池消耗を防ぐシステム関連を見直したら普通に使えました。
OUKITEL C15 PROの商品ページはレビューもみ消しのためなのか、定期的に過去のページが削除されるので気づきにくいですが、Bluetoothの不具合については複数の報告があります。
そのため、Bluetoothイヤホン・ヘッドセットを使う人は買わないほうが良いと思います。
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ただし、Bluetoothキーボードは離れても障害物を挟んでも問題なく使えるため、「周辺機器→スマホ受信」の流れなら問題なく使える、つまりスマホのBluetooth受信には問題がないということだと思います。
スマホからBluetoothを発信する使用に問題がありそうです。
ちなみに、念のためケースを外して確認しましたが同じでした。
画面が明るすぎる・自動調節が遅い
OUKITEL C15 PROは初期状態だと画面の輝度が明るすぎて目が疲れます。
また、自動調節をオンにしただけだと、もともとの基本が明るすぎてほとんど意味がありません。
自動調節には「スライダーを手動で動かして、明るさの自動調節機能に設定を学習させることもできます」とのことなので、この設定をして、やっとそれなりの暗さにできまし・・・
と思いきや、別の日になると学習したことを忘れたのか?と思うくらい明るすぎる輝度になったので、もう諦めました。
画面が明るすぎると目の負担になるので、個人的にはメイン端末としてはおすすめできません。
自動調節でも周りの明るさに応じて適切な明るさにならないことが多いし、周りの明るさは変わってないのに急に明るさが変わったりして、使い心地は良くありません。
※iPhoneが快適すぎるのもそう感じる原因でしょうけど。
画面の傾きが敏感すぎる
スマホを机に置くだけでも、画面が横表示に切り替わってしまうことが何度かあり、敏感すぎて不便でした。
横にする必要がない人は、「画面の自動回転」をオフにしたほうが良いでしょう。
タイムゾーンが日本じゃない
時間がおかしいなと思って時計の設定を確認すると、タイムゾーンが日本になっていませんでした。
「タイムゾーンの自動設定」のオン→オフ→オンと切り替えると日本になりました。
SIMカードは刺していない
どうせ外で使わないので、家のWi-Fiだけで使うようにして、SIMカードは刺しませんでした。
これならランニングコストがゼロなので、ほとんど使わなくなったとしてもそんなに負担にならず、動作確認用端末の運用として良いと思います。
Wi-Fiは2.4GHz帯・5GHz帯、どちらにも接続可能です。
Wi-Fiの通信速度は同じアプリで計測した限りでは同じような速度でした。(iPhoneのアップロードが0.00Mbpsなのは原因がよくわからないけど)
- OUKITEL C15 PRO・・・102.84Mbps
- iPhone 7・・・123.84Mbps
なので、Wi-Fiで使用している限りでは、電波の掴みに問題はありません。Google Playからのダウンロードも快適です。
Webページの閲覧も大丈夫です。(ただし本体の性能が悪いからか、iPhone 7と比べると重たいページの表示にはレンダリングの遅さが目立つような気がします)
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SIMカードは公式では「au不可」と記載があるので、おそらくau系が使えないということだと思います。
SIMカードについてはどのような不具合があるのか、実際に確認してないし、ネット上にも情報が少ないのでわかりません。
64bit対応していない(32bitで動作する)
OUKITEL C15 PROについて仕様を検索すると64bitという表記を見かけるので、64bitで動作するのかと思ってしまいますが、全体としては
32bitとして動作しています。
アプリのbit数対応は以下の3パターンがあるイメージ。
- 32bitのみ対応アプリ
- 64bitのみ対応アプリ
- 32・64bit両対応アプリ
このうち、64bitのみ対応アプリを使えない。ということです。
↓64bitのみ対応のアプリをGoogle Playで見ると、このような警告メッセージが表示され、ダウンロードできません。
↓警告メッセージ拡大。
このアプリはお使いのデバイスに対応しなくなりました。詳しくは、デベロッパーにお問い合わせください。
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端末のbit数を調べる方法は以下を参考にしました。
参考:【重要】【Android】端末が64bit対応かどうかを調 | CARAVAN STORIES (キャラバンストーリーズ) マスターズサイト
AntutuアプリでOUKITEL C15 PROの端末情報を見ると、Androidのバージョンが9で32bitということがわかりました。
CPUは64bitという記載があり、ネットで検索した時にヒットするbit数はこちらの数値を掲載しているんだと思います。
CPUが64bitでも、OSが32bitなので、OUKITEL C15 PROは全体として32bitで動作する、ということになります。
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アプリ開発者にとって “32bitを切り捨てる” のは機会損失にもなるので、実際は「32・64bit両対応アプリ」が増えるということになり、32bit端末でもそんなに影響は大きくならないと思いますが、OUKITEL C15 PROを買おうと思っている人は、「64bitのみ対応アプリが使えない」ということを承知の上で買ってください。
値段が安いので妥協できる、というならアリだと思います。
動作確認用に入れたアプリ
メインで使うスマホではなく保存容量も少ないので、とりあえずログインやデータの受け渡しに便利なアプリを入れました。
- 「Pushubullet」パソコン・スマホ間のデータ受け渡し。
- 「1Password」ログイン情報の自動入力。
- 「Simplenote」パソコン・スマホ間で同期するメモアプリ。
- 「SearchBar Ex」検索ランチャー。
- 「公式QRコードリーダー“Q”」自分以外の人から読み取り用に。
他に「Android アプリ おすすめ」で一通り検索結果を見てみた限り、「おすすめ◯◯選!」みたいなありきたりなアプリの羅列じゃなく、ちゃんとしたレビューとしては以下のような記事が良さそう。
特にガッツリAndroidをカスタマイズしたい人に向いてると思います。
参考:誰も知らない超便利Androidアプリおすすめ30選 | みるめも
参考:僕がインストールしたAndroidおすすめアプリまとめ | TeraDas
Amazonレビューのガイドライン違反
商品にこのようなギフトカードと引き換えによるレビュー依頼のカードが同封されていました。
「レビューしてくれたら1000円のギフトカードあげるよ」とのことですが、これはAmazonのコミュニティガイドラインに違反しています。
コミュニティの公平性を保つため、宣伝、販売促進、および勧誘(直接、間接を問わず)を含む、以下のような投稿や行為は禁止です。
(中略)
- 対価(無料または割引商品を含む)と引き換えるため、または他の人に代わって投稿する。
- 対価(無料または割引商品)と引き換えることを条件に投稿を依頼する、または投稿することを条件に、対価(無料または割引商品)を受け取ることを要求する。
しかも「レビューをスクショしてメールで送信してくれ」と依頼しているので、Amazonの履歴に残らないようにしています。
実は自分が購入したOUKITEL C15 PROのAmazonページは購入してから数日で削除されていて、新しいページができていました。レビューもリセットされています。もしかしたらこの問題が発覚したのかもしれません。
“合理的なレビュー”という書き方がなんとも絶妙ですが、1000円と引き換えに投稿するので、どちらかと言えば良い評価をつけやすい心理が働くでしょう。
こんなふうに、Amazonの商品には作為的なレビューが当たり前のようにあるので気をつけましょう。
といってもネット上に体験談がたくさんあるわけでもないので、どちらにしろ情報収集は難しいと思いますが。
上記カードを同封したのは「ろくがつ」という店名でしたが、「OUKITEL メーカー直営店」に名前が変わっていました。
まとめ
以上、OUKITEL C15 PROは、同価格帯のAndroidスマホと比べたら比較的Antutuベンチマークスコアが高いとはいえ、iPhoneなんかと比べたら圧倒的に性能が低く、使い勝手もよくありません。
あくまで動作確認用として、極力安い値段で、Androidの挙動を確認するだけなら使えましたが、今となっては選びません。
連絡用として使うメイン端末としてはなおさらおすすめできません。
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記事を参考に読ませて頂きました。ありがとうございました。
昨年の9月まで仕事もかねてiPhone8を使ってましたが、定年退職で、携帯は返却し、不便かと思いOUKITEL C15 PROを購入しました。(Amazonで一番安いスマホ) パソコンは2台(デスクトップとラップトップ)持っているので、外出時の非常時通信用として購入したのですが、後で契約したmineoの動作確認機種にはOUKITELの端末には無いこに後から気付きました。
nanoSIMを契約したものの四苦八苦でようやく開通させました。Mineoからは何があっても保証はできません・・と言われながら1年携帯電話として使っています。Wifiでは問題なく使っています。外ではSoftbankで通信しますが、RadikoやAmazon Musicなどが継続して聞けません。バッテリーのインテリジェントセーブモードの影響ではないようです。メッセージの着信通知が不安定なのも原因不明です。ただし通常の電話連絡やE-mail等は問題なく使えます。
写真はiPhone8と比べるのは可哀そう・・音楽はもちろんモノラルです。
最近NFC機能が無いことにも気が付きました。SonyのRC-S380を使っているので問題ありませんが、次の端末を購入するときは気を付けたいと思います。
でも車に搭載するとBluetoothはしっかり機能し不便は感じていません。
壊れたらMineoの認定nanoSimスマートホンをAmazonで購入するつもりです。