「スポイトゴム」と「使用済みのカートリッジ」を組み合わせて万年筆洗浄用のスポイトを作ってみました。
万年筆の中身を強制的に洗浄できるので浸け置きより簡単でおすすめです。こびり付いてないインクなら簡単に洗浄できます。
このブログでは万年筆用スポイトの作り方とゴム棒をどこで調達したか書きました。
もくじ
万年筆洗浄用スポイトの作り方(自作)
↓まずは使い終わったインクカートリッジを洗浄します。これはパイロット純正のインクカートリッジ。
穴の空いてない方を切って、
両方に穴が空いた状態にします。ハサミで切る側(スポイト側)は多少ゆがんでも大丈夫ですが万年筆に挿し込む側は変形すると空気が漏れるので強く握らないように気をつけます。
↓この写真の左側が万年筆に差し込む側。変形しないように気をつける。
そしてインクカートリッジにスポイトを取り付けて、
これを万年筆の首軸にカートリッジを付けるようにブスッと挿して完成。
使う時はペン先を水に浸して吸ったり吐いたりすれば中身を強制的に洗浄できます。
万年筆インククリーナーキット(既成品)
↓この動画は自作のスポイトじゃなくて既成品のプラチナ万年筆クリーナーキットを使ってますが、スポイトを使う様子はほぼ同じです。吸ったり吐いたりするだけ。
後半で説明しますけど、自作だとスポイトゴムを1個買うだけで送料500円かかったりするので、こういうスポイトが付属している既成品をサクッと買ってしまうのも良いと思います(今のところプラチナ万年筆しかクリーナーキットは見当たりませんが)。
※ちなみにこのクリーナーセットについている洗浄液は、顔料インクにも対応していて洗浄力に定評があるそうです。
スポイトゴムやピペット用ゴム帽の比較
プラチナ万年筆の万年筆であればクリーナーキットを買えば洗浄液とスポイトがセットになっているのでコスパが良いかもしれませんが、それ以外のメーカーの万年筆でスポイト洗浄したい場合は自作することになると思うので、以下の内容を参考にしてください。
重要になるスポイトゴム部分ですが、万年筆クリニックに行った時に「モノタロウで買った」ことをペンドクターに教えてもらいました。
最初はホームセンターで探したけど無かったらしいです。自分もコーナンで探したけどスポイトゴムはありませんでした。
ということで自分もモノタロウのネットショップで探してみましたがスポイト程度だったらどのみち送料が500円かかってしまうのでいろいろな種類を注文しました。
↓モノタロウのスポイトの一覧ページはこちら。万年筆の洗浄で使うだろう5ml前後のスポイトゴムは値段が100~200円程度なので安いです。
スポイト アズワン ピペット用スポイト・ピペッター
白いスポイトは材質がシリコンゴム。
スポイトゴム アズワン ピペット用スポイト・ピペッター
赤いスポイトは材質がラテックス。
シリコンゴム(白)のほうが良い
実際に使ってみると、白いシリコンゴム製のほうが使いやすかったです。
赤いラテックス製のスポイトは、薄くて吸う力が弱く、中身がへばりつきやすいのでイマイチ。
そういえば万年筆クリニックのペンドクターもシリコンゴム製使ってました。
値段も少しだけシリコンのほうが高いですが、万年筆の洗浄に使うならシリコンにしたほうが良いと思います。
パイロットのカートリッジには5ml用スポイトが使いやすい
次に、どのサイズのスポイトゴムが使いやすいのか試しました。
スポイトのサイズが大きすぎるとガバガバになるし、小さすぎると吸引力が弱くなるので、ちょうど良いサイズを探し当てます。
今回使ったパイロットのインクカートリッジはデジタルノギス実測で直径6.45mm。
それに対してシリコンゴム製の5ml用スポイトゴムの穴経は6.7mmと表記されていたので、使えないかと思いましたがそのままでもギリギリ吸引できました。
3ml用スポイトゴムなら内径6.5mmでキツく締まるんですが、パワーが弱くなります。ゆるい場合は輪ゴムで締め上げれば良いので、3mlよりは5mlスポイトゴムのほうがおすすめ。
↓ということでシリコンゴム製・5ml用という条件を満たすこちらのスポイトが一番使いやすかったです。
5ML用 スポイト 1個 アズワン 【通販モノタロウ】 33470963
ただやっぱりネックなのが、送料がかかるので単品で買いにくいこと。
実験器具が売られているという情報を見かけたので行ってみましたが、東急ハンズにはラテックス製しか置いてませんでした。
一応Amazonにも同じメーカーのシリコン5ml用がありますが同じくらい送料がかかります。
ということで、実店舗で買えるなら理想的。
通販だと送料がかかるので、ちょっと高くつくかも、という感じです。
10ml用スポイトゴム
まさか5ml用が輪ゴムで締めなくても使えるとは思わなかったので10ml用のスポイトゴムは買っていませんでした。
今さらまた送料がかかるので試す気にはなりませんが、メーカーによってインクカートリッジの直径が違うので、10ml用が合う万年筆もあるかもしれません。
まぁでもシリコン製スポイトゴムの穴経を見てみると、
- 5ml用 → 穴経 6.7mm
- 10ml用 → 穴経 8mm
とのことなので、たぶん10ml用が使える万年筆はないと思うんですけどね。
5ml用スポイトゴムとインクカートリッジの相性
アズワンのシリコンゴム製5ml用スポイトと自分が持っているメーカーのカートリッジで試した限りですが書いておきます。
- パイロット(φ6.45mm)→そのまま使える(ちょっとゆるい)
- ウォーターマン(φ6.77mm)→そのまま使える
パイロットはわりと緩いかな?と感じますが吸ったり吐いたりするだけなら問題なく使えます。輪ゴムで締め上げればさらに大丈夫。
たぶんスポイトゴムが使えるカートリッジが多くてそれなりにパワーがあるので、5ml用のスポイトが一番バランスが良いと思います。
ダイソーの注射器で万年筆洗浄
コメントにて情報をいただいたので追記しておきます。
カートリッジの底に千枚通しで穴を開け、針をさすだけです。
カートリッジを付け替えれば注射器一本で多くのメーカーに対応できます。
↓ダイソーの詰替え用注射器はこんなやつ。
このやり方でしっかり洗浄できるパワーがあるなら、こっちのほうが便利かもしれません。
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↓こちらは万年筆クリニックに行った時に筆圧測定してもらった話。
万年筆のメンテについて、非常に参考になりありがとうございました。
スポイトのφ径が近いとフィットするがパワーが落ちるということ
は実際にやってみないと分からないところなので参考になりました。
輪ゴムの締め上げの部分を、シリコンのコーキングボンドも使って
くっつけるともっと良くなりそうだなと感じました。