お風呂の中でノートにメモする場合オキナの耐水ノートにシャープペンが一番安定して書けることについて記事を書きました。
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じゃぁシャープペンだったら何でも良いのかというとそんなことはなくて、手が濡れた状態で筆記するのでお風呂・雨の中・水中・登山には専用のシャーペンを使ったほうが便利です。
自分が持っているシャーペンでいろいろ試してみたのでお風呂で使いやすいシャーペンと使いにくいシャーペンの参考になれば良いなと思います。
今回はお風呂という過酷な環境で実験した結果なので、アウトドア全般で水に濡れる環境で使う筆記用具としても参考になると思います。
結論は「エナージェルシャープのボディとエナージェルエックスゲルインキボールペンのグリップをニコイチ」なんですが、非常にややこしいので、答えだけ見る人は最後のまとめまで飛ばしてください。
もくじ
濡れた手で書きやすいシャーペンの条件
上の写真のシャーペンを全部試してみてとりあえずどんなシャーペンがお風呂で濡れた状態でも書きやすいのかなんとなく傾向がわかってきました。
試したシャープペンのラインナップはこちら。
- [三菱鉛筆] クルトガスタンダードモデル
- [PILOT] S3
- [ステッドラー] 製図用シャーペン925 05
- [ぺんてる] グラフギア500
- [コクヨ] コロレー
- [三菱鉛筆] ジェットストリーム多機能ペン2&1
- [ぺんてる] エナージェルシャープペン
- [トンボ] BIZNO
- [ぺんてる] オレンズ0.2mm
- [三菱鉛筆] クルトガラバーグリップ
- [PILOT] S5(エスファイブ)
以下、お風呂で書けるシャーペンについてどんなものが使いやすいか調べてみました。
とにかくグリップが強いほうがお風呂で滑らない
手が濡れている状態で文字を書くととにかく滑ります。可能な限りグリップ力が強いものが理想です。
いろいろ触ってみた結果エナージェルシャープが一番良かったです。(ただし他のパーツを組み合わせているので改造については後述)
※ちなみにシャープペンのグリップ部分はゴムグリップ以外にはツルツルしたタイプとローレット(ギザギザ)タイプがあります。
クルトガスタンダードのようにツルツルしているシャープペンのグリップは濡れた手だと滑りまくって使い物になりません。
↓下の写真はクルトガのグリップ部分です。ツルツルしていてグリップがありません。お風呂だとぜんぜん使えません。水で濡れる環境で使うシャープペンを探している場合は候補に入れないほうが無難。
他にはローレットタイプというものがありギザギザの凹凸がグリップになっています。しかし濡れてしまうと滑りやすくなるのでお風呂で使うとイマイチになります。
↓下の写真はぺんてるのグラフギア500のローレットです。ローレットにしては値段が安くてもともと滑りやすいほうなんですけど水に濡れるとさらに滑って致命的に使いにくくなりました。
ステッドラーの定価約1200円の製図用シャーペン925シリーズならかなりのグリップ力があるんですが値段が高くなりすぎるのでお風呂で試すためだけに買うのはさすがにもったいない。
それと製図用シャープペンは落とした時にペン先が壊れやすく、足に刺さって怪我する可能性があるのでお風呂に向きません。
お風呂のタイルに落としても壊れないペン先
お風呂で使いやすいシャープペンの条件その2。ペン先が壊れにくいこと。
お風呂では手が濡れているのでシャーペンを落としやすく床はタイルだとペン先から落ちると壊れる可能性が高くなります。
シャーペンが壊れるだけじゃなくペン先が足に刺さる場合もあるのでとても危ない。
なので製図用シャーペンみたいにペン先が長く出っ張っていて収納できないタイプは壊れるリスクが高くなります。
下の写真は実際に自分が落としてしまったシャープペンの悲惨な姿・・・。PILOT S3というシャーペンの0.3mmタイプです。
ノックしても芯が出なくなりました。(一応ラジオペンチで応急処置はできましたけど)
ステッドラーの925シリーズシャープペンなんかお風呂で壊した日にはかなり凹むと思うのでおすすめしません。
絶対に書き心地にこだわりがあって壊れても構わないというなら止めませんけど(笑)
なのでお風呂で使う場合はペン先が収納できるシャープペンがベターですね。
↓下の写真はエナージェルシャープペンのペン先を収納したところ。ここまでしっかりと収納できるならかなり安心感があります。
磁石で収納するための金属製クリップ
お風呂でシャーペンを手に取る時、片付ける時、なるべく片手で簡単に取り外し・取り付けできたほうが良いので自分はネオジウム磁石を使って壁に貼り付けています。
クリップ部分が金属だとシャーペンを握った形のまま磁石にパチっと付ければいいので楽ちんです。
クリップはパッと見金属っぽく見えても金属じゃないものがあるのでお店で買う場合は磁石で確かめたほうが良いかなと思います。
↓ちなみにこれがエナージェルシャープペンのクリップ部分です。金属なので磁石にくっ付けることができます。
ネオジウム磁石は100均でも買えます。ペンを付けるだけなら一番小さいもので十分。
この磁石を防水テープを使ってタイルに貼り付ければOK。
お風呂は筆記用具にとって過酷な条件なので値段が安いほうが良い
あらためて考えるとお風呂は文房具を使うには過酷な条件がたくさんあります。
- 湿度が高い
- 水滴がかかる
- お湯が内部に入ることがある(バネがサビる)
- 落として壊れることがある
金属部分、特に内部のバネにサビがくるのは当然だし不注意で壊す可能性が常にあります。
なので値段が安いに超したことはありません。1本1000円もするような製図用シャーペンなんか(以下略w
お風呂用のシャープペンはエナージェルがおすすめ
ということで今までの流れを読んでると分かると思いますがぺんてる社のエナージェルシャープペンがお風呂用のシャーペンとして最もおすすめです。
ただしお風呂で使いやすくなるように改造(ニコイチ)しています。
↑上の写真のように本体とグリップが別々のもの。
本体は「エナージェルシャープ」
↓本体部分がこれ。「エナージェルシャープ」
気をつける点としてエナージェルのシャープペンシルには2種類あって、
- エナージェル
- エナージェルエックス(廉価版)
ボディを使うのは「エナージェル」のほうです。クリップが金属のもの。
グリップを利用するほうの「エナージェルエックス」はプラスチックボディなので磁石を使った収納に使えません。
それとグリップ部分は後述するエナージェルエックスの青か赤を使うのでボディもエナージェルの青か赤を使ったほうがベターです。色がバラバラでも気にならなければなんでも良いですが。
グリップは「エナージェルエックスゲルインキボールペン」青 or 赤
続いて移植するグリップは「エナージェルエックスゲルインキボールペン」のものを使います。
このエナージェルエックスゲルインキボールペンの青と赤はものすごいグリップ力でお風呂で使うのに最適です。
個体差はあまりなくてグリップが強いものがほとんどです。
※エナージェルエックスじゃなくて普通のエナージェルのほうはグリップが弱いので間違えないように注意。グリップが強いのはエナージェルエックスのほうです。
グリップを移植する
「エナージェルエックスゲルインキボールペンのグリップ」を「エナージェルシャープ」のグリップ部分に移植した姿が冒頭の写真になります。
エナージェルエックスゲルインキボールペンからグリップを外すのがすごい大変なので精密マイナスドライバーやヘラを使って何とか頑張って取り外してください。これでお風呂で使いやすいシャープペンの完成です。
シャープメカは錆びるけど大丈夫
あと中身が濡れた場合はシャープメカのバネが錆びてきます。
シャープメカ内部バネ、半年後の錆び
耐久試験ということで、お風呂に沈めて内部メカを水浸しにした状態で使い続けました。
そしたら2ヶ月経った時点ですでに錆びましたけど、まだ問題なく使えます。
それからも錆びはだんだん酷くなっていくけど使用感は変わらないまま半年が経過しました。
↓半年経った時点のサビの様子がこちら。すごいですね。完全に錆びまくってます。でも錆びてもノック感など使い心地はまだ変わってません。
ただしひどいサビなので、これがシャープペンの中にあるかと思うとちょっと気分の良いものじゃないかもしれません。
エナージェルでも定価200円程度なので気軽に買い替えしようと思えばできます。
ーーー
もう十分だろうということで新しいシャープペンに買い替えましたが、今度は内部が濡れないように気を付けながら使って、半年経っても全然サビなかったので、普通に使うぶんにはサビを気にしなくて大丈夫だと思います。
その他お風呂に使えるか試したシャープペン
エナージェルが使いやすいと思った後もいろいろ使いやすいんじゃないかと思ったものを試してみました。
最終的にはやっぱりエナージェルの圧勝でしたけど(笑)
↓ここから先は失敗談として参考にしてください。
オレンズ0.2mm
エナージェルシャープペンはボディとグリップに関しては理想的なんですが0.5mmなので書いているうちに線が太くなってしまうのがたまにキズです。
なので常に極細で書けて折れにくいと噂の「オレンズ」を試してみました。
開封して普通に書いている時はいくら書いても細いままだしまぁまぁ書きやすいしすげーじゃんと思っていましたが、いざお風呂の中で使うと予想通りグリップ部分がツルツルすべって残念ながら使い物になりませんでした。そりゃそうだ。
あと芯が短くなるとガイドパイプがヘコヘコして気になるので普通に筆記する時も好みが別れそうです。
クルトガラバーグリップ
クルトガの中でもラバーグリップのものがあったので試してみました。グリップ部分以外は普通のクルトガと同じです。
常に同じ線の太さで書けてグリップがしっかりしていればお風呂にバッチリじゃん!という作戦ですね。
結果、残念ながらお風呂ではグリップ部分が滑ってしまいます。
思うにグリップの表面は凹凸が無いタイプだと滑ってしまうのかも。
それとやっぱり普通のシャーペンと比べるとクルトガ機構の影響で芯先がグラグラして若干書きにくく感じました。
これは普段からクルトガ使ってるなら気にならないだろうけど普通のシャープペンを使っている人にとっては違和感を感じると思います。
PILOT S5(エスファイブ) 0.3mm
ある日文房具屋でビビビッ!と来たので速攻買ってしまいました(笑)
シャープペンで有名なPILOTのS3にゴムグリップが付いたようなシャープペンS5です。
このS5(エスファイブ)のグリップ、店頭で触ったらかなり強かったのでお風呂で使いやすいんじゃないかと思ったけどエナージェルのグリップ力には遠く及びませんでした。
その他の条件としては「クリップが金属」「0.3mm芯」は満たしていて良いと思ったんですけどねー。
そして0.3mm芯は滑らかと言われているハイユニ芯を使っても時々引っ掛かってしまいます。
ハイユニ芯のBでダメだったらたぶん0.3mmはダメってことになるでしょうね。
そしてもう一つ、S5はちょっと値段が高い。定価500円+税。
絶対的な金額が高いというわけじゃなくエナージェルが定価200円で手に入るし過酷な条件のお風呂で使うことを考えた時に500円のシャープペンがちょっともったいないなという意味で値段が高く感じました。
お風呂で書くための条件が完璧ならこの値段を出しても良いけどエナージェルには負けますうからねー。
まとめ
ということでお風呂でシャープペンを使うなら、
↓エナージェルシャープのボディに、
↓エナージェルエックスゲルインキボールペンのグリップを移植してニコイチにするのが最適。
という結論になりました。
この記事もどんどん追記して細かくなっていったけどお風呂で使うシャーペンについてここまで細かく実験した人もしかして日本で自分だけじゃなかろうかとふと思う(笑)
でも世界は広いからもっとすごい変態はきっとどこかにいますよね。
濡れた手とかお風呂でシャーペンなんか使わなくね?w