Realforceのラバードームに穴を空けて押下圧を30g以下にする改造

Realforceの押下圧は「変荷重・30g・45g・55g」のように種類がありますが、30gより軽くしたい人にとっては自作キーボードに手を出すしかありませんでした。

自分がまさに「30g仕様よりもっと軽い押下圧で使いたい」と思って試行錯誤したんですが、やっと満足できる改造方法にたどり着きました。

※ただし「自作の重りによる実測30g」と「30g仕様の押下圧」は違うということに注意が必要です。

たとえば30g仕様の新品Realforceを実測すると31~36gでした。

これは「メーカーの公称値よりも実際は重い」ということではなく、そもそも計測方法が違うから同じ土俵で比べられないということです。

「この記事で紹介する自作の重りによるチェック」が「メーカーの公称値よりも大きい数値になる」ということを把握して使ってください。

この特徴を踏まえると、実測30gだと30g仕様のRealforceよりも軽くなります。

ざっくり流れを書くと以下のような手順になります。

  • キーボードを分解して、
  • 押下圧を計って、
  • ラバードームに穴を空ける
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分解

まず、ラバードームが見えるところまでRealforceを分解してください。やったことがない人は、以前書いた「Realforce分解」の記事を読んでください。

↓この状態まで分解します。

押下圧のチェック

次に重要な工程として、現在の押下圧をチェックしていきます。

「メーカーは押下圧を公表してるのになんでまた計るの?」

という疑問があるでしょうけど、実はキーボードの押下圧はかなりのバラつきがあります。

↓以下、実際に計った押下圧。


※タップで拡大

新品でも5gほどのバラつき。
そして中古だと新品のときより重たくなっていることもあります。
等荷重モデルでも左右で押下圧が違う可能性があります。

このように、購入時期や使用頻度によって10gほど押下圧にバラつきが発生している可能性があるため、穴を空ける前に押下圧をチェックしておかないと、希望通りの重さに改造することができません。

押下圧のチェックはこのような重りを自作して

ラバードームに直接乗せて計測します。

重りの作り方はこちらの記事を読んでください。

計測した押下圧をキーボード図に書き込んでおくと楽です。

↓キーボード図。クリックで拡大します。

実際に書き込む時は、穴あけ前と穴あけ後の数値を書き込むので、色を変えて2箇所書き込めるようにしておくといいと思います。

↓1キーにつき4箇所くらいは数字を書き込めるので、好きに使ってください。

穴あけの道具

ラバードームに穴を空ける道具について紹介していきます。

揃えるのは3種類。

  • ポンチ
  • マット
  • 木槌

ポンチ

↓穴を空けるためのポンチはこんなの。

ラバードームに穴を空ける程度ならポンチの切れ味はどうでもいいと思います。

注意点としては、先端取替式は面倒なのでおすすめしません。サイズごとの単品のほうにしましょう。(4mmだけでもOK。3mmがあれば微調整もできる)

ホームセンターだと1本310円くらいでした。上記写真の中の「3・4・5mmセット」だったら少し割安になるので、5mmも使う当てがあるならいいかもしれません。

また、自分は試していないので切れ味がどうかわかりませんが、ダイソーには「3・6mmセット」「4・5mmセット」があるようなので、まずは100均で試してみるのもいいかもしれません。

↓ちなみに押下圧45gと30gのRealforceだと、穴1個あたりこのように軽くなりました。

→穴の大きさ
↓元の押下圧
3mm 4mm
45g – 2g – 4g
30g – 1g -3g

元の押下圧が重たかったら、1個あたり軽くなるグラム数も多くなるので、5mmのポンチは必要ない気もします。

マット

ポンチ用のマットと、マットの下にはしっかりした土台を敷きます。

ポンチよりも土台のほうが重要かもしれません。

↓予備知識が無かったのでケチってこういうゴムシートでやってみましたが、全然ダメでした。

ネットだとポンチ用マットとしてストロングツールがヒットした、

が、普通のカッターマットでも全然いけました。

むしろラバードームが大きいので、カッターマットくらい大きいほうが作業性が良くなります。

マットの下は、可能な限り硬くガッシリとした土台を置いて、衝撃が逃げないようにしてください。

普通の机の上だと思ったよりも衝撃が逃げて、余計な力が必要になります。調べてみると、御影石(みかげいし)、コンクリートブロックなど、極力硬くて重たいものを敷いている例もありました。

木槌

ラバードームに穴あけするなら、軽い木槌がおすすめです。ラバーへの穴あけなのでそんなに重さが必要ありません。

それに、例えばフルキーボードですべてのキーなら、300~400回穴あけ作業をするかもしれないので、軽いほうがいいでしょう。

また、打面が広いほうが楽に作業できます。

※穴をしっかり空けたければ、木槌を重たくするより土台を硬くしっかりしましょう。

自分は手芸用品店でたまたま見つけた、革小物用の木槌が最高に使いやすかったです。

株式会社スタイルという会社のもので、ネットには楽天市場のセット商品の中にしか見当たりませんでした。

ほぼサイズが同じ(径50×長さ270mm)ものだとクラフト社のものがあります。

穴あけ作業

いよいよ穴あけ作業に取り掛かります。

まずラバードームは基板に貼り付いているので、ペリペリと剥がします。

ラバードームの下にあるバネ(コニックリング)は位置がわからなくなっても気にする必要はありません。

※どうせ最後は上下逆さまにして基板を上からかぶせて戻すので。紛失さえしなければOK。

ラバードームはつながっているものが多く、位置がわからなくなる心配は少なめです。(1キーだけのラバードームは元の場所がわかるようにしたほうが無難だと思います)

↓これはRealforce 108USのラバードーム。ほとんどつながっています。

Realforceのラバードームはほとんどつながっている

ただしRealforce 106など、発売時期によっては4キーくらいのまとまりで構成されているものもあるので、場所を元に戻せるように作業してください。

ーーー

まずはポンチをラバードームの側面に当てます。

穴を空ける位置がとても重要です。

↓ポンチの穴が側面に全部入るように、深めを意識してください。

↓これはダメな例。ポンチを当てる位置が浅いと、穴が下にはみ出して、どれだけ押下圧が軽くなるのかわからなくなります。

穴あけ位置の目星がついたら、巻き込むように押さえつけて木槌で叩きます。

↓穴あけ位置の成功例はこんな感じ。下にはみ出さないように。

この位置に4mmの穴を開ければ、

  • 押下圧45gのRealforceなら -4g
  • 押下圧30gのRealforceなら -3g

が、軽くなる目安になります。

つまり、45gのRealforceを30gにしたければ、4mmの穴を4箇所空ければいい、ということになります。

が、、、自分が実際にやってみた感じ、45gのラバードームを30gにすると、打鍵感が損なわれます。ヘコヘコして、キーの戻りが頼りなくなりました。

軽い押下圧にしたいなら、中古でもいいからあらかじめ30gのRealforceを用意したほうが良いと思います。

押下圧のチェック

完璧主義の人は、最初の方で紹介したとおり、自作の重りを使って押下圧の最終チェックをしてください。

とくに気をつけないといけないのは、慣れないうちはポンチ穴の位置がずれて、思ったよりも軽くなっていないことがあります。

穴を空ける位置は拡大写真で説明しましたが個人差があるかもしれないので、いくつかは押下圧をチェックして、穴1個でどれだけ軽くなるのか把握しておくことをおすすめします。

ーーー

とはいえ、押下圧のチェックは非常に面倒だし神経も使う作業なので、どれだけ軽くなるのか間隔を把握したあとで、ざっくり、
「軽くしたいキーだけ、4mmの穴を3個空ける」
のようにアバウトに作業するのもありだと思います。

元に戻すときの注意点

ラバードームを基板から剥がしていて、戻し方を間違えると打鍵に影響が出る可能性が高いので、手順に気をつけてください。

まず上下に木の板を置き、

前面パネルを乗せて、

キートップの鉄板を乗せます。

カサ増ししておかないと、ラバードームを綺麗に戻せません。

ラバードームを乗せます。

コニックリングを乗せます。(傾いても気にせずアバウトに)

↓そのままだとコニックリングは傾きがバラバラなので、ひとつひとつ直していきます。

コニックリングを綺麗に直しました。

ーーー

最後、ネジ穴の位置などを頼りに、慎重に基板を乗せます。

接触した状態で動くとコニックリングがずれるかもしれないので気をつけて。

ネジを締め直します。Realforceはネジが多いので大変。

Realforce基盤のネジの場所

ここまでくればもう神経を使うところはないので適当にやってもわかるかもしれませんが、わからない場合は「Realforceの分解手順」の記事を逆向きに読むなどしてください。

改造事例

実際に自分が押下圧を軽くしたキーボードを紹介・解説しておきます。

↓この2種類を改造したことがあります。

  • 30g等荷重のフルキーボード
  • 45g等荷重のテンキー

Realforce 108US(30g等荷重)

東プレ(Topre Corporation)

2013年12月に購入して約6年間、少なく見積もっても2000万打鍵以上使い倒したキーボード。

↓ラバードームに穴あけ前の押下圧チェック。分解してラバードームに直接重りを乗せて計った数値。(※クリックで拡大します)

とくに使用頻度が高いioあたりが重たくなっていて、新品と比べると明らかに重たいことがわかるほどでした。

そして30g等荷重モデルだけど、軽いキーと重たいキーに10gほどの差があり、なぜかグラーデーションのように押下圧が分布しているような状態になっています。

新品でもバラつきあり

中古だからそうなったのか確かめるために、予備で購入していた新品の同じRealforce 108USをチェックすると、バラつきは新品でも5gほどあり、押下圧は新品のほうが軽いことがわかりました。

※キーキャップを付けた状態で計っているので、中古の押下圧が上図とは微妙に違います。

このバラつきがあることを考えると、最初に押下圧を計っておかないと想定よりも軽くできないことがあるかもしれないので、最低でも重要なキーは押下圧の事前チェックしておくことをおすすめします。

↓そして穴を空けた後の押下圧チェック。(タップで拡大)

ほぼ全て実測30g前後にするつもりで穴を空け、小指や装飾キーをさらに軽くしたものもあります。

思ったよりも軽くなって25gになってしまったキーもありますが、打鍵感は損なわれた感じもせず、全体的にもう少し軽くても良かったかもしれません。

また、前の章でも書きましたが、自作の重りによる計測で実測30gにすると、30g仕様のRealforceよりも明らかに軽くなります。

「30gのRealforceよりも軽い押下圧にしたい」と思っている人は、この計り方で30gを目標にしても十分に軽くすることができると思います。

それ以上軽くする場合は、穴の空けすぎにより打鍵感の低下(キーの戻りが悪くなるなど)を気にする必要が出てくるかもしれません。

そこまで軽くしたことはまだないので、実際にやってみないとわかりません。

また、30gにする場合でも、このあと紹介する45gのRealforceに穴を空けて30gにするよりも、もともと30gのRealforceに穴を空けて軽くするほうが、打鍵感が損なわれないような気がします。

ーーー

さて、改造した感想ですが、上記の押下圧にしてもキーの戻りは悪い感じはせず、使用感は素晴らしいのひと言で、ロールオーバー打ちになるくらいスピードが出せる人ならさらに恩恵が大きくなると思います。

たとえば日本語で頻出する「という(toiu)」のようにoiuをジャラッ!と1アクションでロールオーバー打ちする場合、キーを一つずつ打鍵するのではなく、「手を落とす」だけでoiuが入力できる感覚になります。

他にも「です(desu)」だと、
d(左人)→e(左中)→s(左薬)→u
のように打ちたくても、desを1アクションで打とうとすると、押下圧が重たかったら勢いよく打たないといけなくなります。

それができずに1回1回上げ下げすると、3アクションになって、指の上げ下げが3回行われます。

押下圧が軽ければ、desの形の指を「落とす」だけで1アクションで打てるようになり、速く、楽になります。

これは「上げ下げを意識する回数を減らす」ことにもなるので、単なる押下圧の数値以上の疲労軽減になります。

Realforce 23U テンキー(45g等荷重)

東プレ(Topre Corporation)

意外と知らない人もいるかもしれない、Realforceのテンキーです。

中古で購入。底板はサビも無く綺麗で美品だけど使用期間不明。

Realforceのテンキーは45g等荷重しかないので、軽いのが使いたいなら自分で改造するしかありません。

↓穴あけ前後の押下圧。ラバードームに重りを直接乗せて計測。

45gのラバードームでも、4mmの穴を4つ空ければだいたい12g軽くすることができるので、30gにすることは難しくはありません。

ただ、30g仕様を改造するよりも空ける量が多くなるので面倒ではあります。

また、同じ30gでも、

  • 30g仕様を改造して実測30gにしたキー
  • 45g仕様を改造して実測30gにしたキー

を比べたら、なんとなく45gのほうは打鍵感が損なわれている感じがするので、軽くしたいならもともと30gのRealforceを改造したほうが良いような気がします。

ーーー

その後さらに軽くしたくなったため、穴あけをしました。

↓右側が1回目穴あけ後、左側が2回目穴あけ後の押下圧です。

このとき困ったのが、もう穴を空けるスペースに余裕が無いということ。

↓この写真ので等間隔に4箇所穴を空けていたので、回目はやりにくくなってしまいました。

目的の押下圧を最初で確定できるに越したことはありませんが、途中でさらに軽くしたいと思ったときのために、少し不均一に穴を空けておくといいかもしれません。

また、繰り返しになりますが、やはり45gのRealforceをものすごく軽くするのは、穴を空ける回数が非常に増えてしまうので作業が大変です。

まとめ

以上、Realforceのラバードームに穴を空けて押下圧を軽くする改造方法について解説しました。

Realforceだけじゃなく、普通のメンブレンキーボードでもラバードームの形状は同じようなものなのでこの改造ができると思います。

ただ、数百個も穴を空けるから面倒だし疲れるので、安物のキーボードで道具も揃えてやるよりは、押下圧30gのRealforceを買っちゃったほうが良いような気もしますね。

現在30gの押下圧でも満足できていない人にならこの改造はおすすめできます。

自分自身、30g等荷重のRealforce 108USを改造して、非常に満足しています。

ーーー

関連:東プレキーボードRealforceの比較

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