ヤフオクで買ったジャンク万年筆が、相当頑固なインク詰まりで全然インクが出ないので、試しにインク詰まりを解消する洗浄をいろいろ試してみました。
前オーナーがどんなふうに使っていたのかわかりませんけど、普段から手入れすればこんなに頑固なインク詰まりにはならないだろうに・・・。
こういう使えないものをメンテナンスして使えるようにするのはなかなか楽しいですね。
インク詰まりで書けない万年筆
ヤフオクの筆記用具いろいろまとめ買いに含まれてたのがこれ。ウォーターマンのフィリアス(Phileas)という万年筆。
もともと新品が4,000円くらいで買えてたけど、今は廃番になっていて、ヤフオクで5,000円以上の相場っぽい。ボールペンと万年筆のセットで14,500円なんて落札履歴もありました。
ただ、自分が落札したものは「ジャンク品まとめ買い」という扱いで、ダメ元で落札したら案の定、かなりのジャンク品。
↓ペン先の根本が腐食して穴が空いてたり、
インクが詰まりまくってまったく書けないし、付属のコンバーターは万年筆との接続部分がサビてたり、散々な状態。
そんなボロボロの状態から、インク詰まりを直したくらいで使える状態になるのかわからなかったけど、一度文房具のメンテナンスやってみたかったので試してみました。
お湯に浸けて万年筆のインク詰まりを溶かす
普通は万年筆のインク詰まりを直すだけなら割と簡単。水かぬるま湯に浸けるだけ。今回は頑固なインクってことが分かってたのでお湯に浸けたけど、水でもOK。
まずは万年筆を分解して、インクカートリッジもしくはコンバーターをキュポンと抜きます。
「ペン先+首軸」の部分を水、またはぬるま湯に浸けるだけ。
容器は100均の小さなプラスチック製バケツが使いやすいです。取っ手があって持ち運びやすいし、素材がプラスチックなので、バケツ内に落としてもペン先を傷つける心配が少なくなります。
↓しばらく放置するとインクがじわーっと出てきます。
バケツの水が真っ黒になって、一晩置いて水を変えてもまた同じくらいインクが出てきたので、さらに1日浸けっぱなしにしてやっとインクが出なくなりました。
それでもティッシュに押し当てるとまだかすかに黒くなるくらい頑固なインク。
黒くなるってことはまだ溶けている途中のインクが万年筆内に残ってるということですね。
↓この画像の右側の薄っすら黒い部分がまだ万年筆内に残っているインク。
途中、首軸側から息で吹いてみるとインクのカスみたいなギザギザの固形物がペン先から出てきたので、残念ながらこれ以上はインクを取り除けなさそうでした。
一応ペン先まで水は通るようになったので、インクも通るだろう、という状態までは持っていけました。
そして今さらウォーターマンのインクカートリッジって値段どのくらいするのか文房具屋で見たら、高ぇ(笑)
もうここまでやってしまったら書けるかどうか確かめたかったので購入。
↓インクカートリッジの先端(万年筆の首軸に差し込む部分)。
これを首軸にブスっと差し込むわけですな。差し込む時は変にねじらずに真っ直ぐ押し当てます。
まだインクがかすれる
2日間もかけてインク詰まりを直そうとした結果、、、
インクフローは悪いけど一応インクは出る。
という状態にまで改善しました。
ゆっくり書けばなんとか書けるんですけどね。速く書くと全然ダメ。インクフローが追いつかない。文字の書き始めもかすれます。
↓参考までにパイロットの万年筆カクノとの比較がこれ。
上がフィリアス、下がカクノ。
写真見ると分かりますが、フィリアスは速く書くと実用に耐えないレベルでかすれてしまいます。カクノのほうは当たり前だけど快適に書けます。
万年筆を長期間使わないなら洗浄しておく
万年筆をしばらく使わないなら洗浄しましょ。ちゃんとした道具がさびれていくのは実にもったいない。ただし、ほんとは毎日書いてインクを通すのが一番良いそうです。
長期間使う予定がなくて保存する場合は、特に入念にインクの洗浄をするように。頑固に固まったら自分で手入れしても詰まりを解消できなくなっちゃうので・・・。
↓「万年筆 詰まり」でYouTubeを検索すると、長期間放置した万年筆の修理動画がありました。ものすごいインクのカスが蓄積されている万年筆を、完全にリペアしていく様子が面白いです。
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「ずぼらな性格だけど万年筆使ってみたい」という人は、カクノなど1000円以内で買える万年筆をまずは試すと良いと思います。
使わなくなって放置して、インクが固まっても金額的にそこまで痛手にならないので。
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※後日談
さて、自分でできる範囲でインク詰まりを解消しましたが、まだインクフローが不十分なので、ダメ元で文房具店で開かれていた「万年筆クリニックに持っていった話」も合わせてどうぞ。
また、クリニックで使われていた「万年筆洗浄用スポイトの自作」も試してみました。