最近、自作の本棚をコツコツと作成していました。
単行本もたくさんあったので「本棚を作ろう!」ということに。
とはいえDIYのスキルがめちゃくちゃ高いわけではないので、
- 途中で想定外の工程が出てきたり
- 効率的な工具を持ってなくて手作業になったり
- ビスが無くなって買いに行ったり
- 雨が降って慌てて片付けたり
思ったよりかなり大変でした。
なんだかんだ1週間以上かかったような気がします(笑)
このページでは今回作った本棚の図面、木材、予算、制作過程、使った工具などを紹介しています。
もくじ
ツーバイフォーとワンバイフォーで本棚を自作
既成品を買ったほうが速くて安く済むのに、わざわざ時間とお金をかけてDIYをするんだし、せっかくだからオーダーメイドで使いやすいものが欲しいですよね。
今回作る本棚に欲しい機能はこんな感じ。
- 設置スペースにピッタリはまるサイズ
- 背が高くて大容量(高さ190cm程度)
- 強度と収納力が欲しい
- 高さ21~22cmの単行本がほどよく収まり取り出しやすい
- 一覧性よりも収納力重視なので単行本を前後2列に収納可能な奥行き
- 単行本以外に大きなものを置きたくなったら棚は簡単に取り外し可能
ホームセンターで安く買える3段カラーボックスは、単行本を収納するとスペースがもったいなかったし、棚の位置を変えられないのが難点のひとつでした。
今回はワンバイフォー(1×4)とツーバイフォー(2×4)を中心に組み合わせて本棚を自作しました。DIYに興味がある人の参考になれば幸いです。
あと、あくまで素人作成なので突っ込みどころ満載かもしれませんが、生暖かく見てくれると助かります。
本棚の設計図
とても図面とも設計図とも呼べないメモですが(笑)
まずはどんなサイズの本棚を作って、どんな材料がどれだけ必要なのかを計算。
本棚全体の横幅(外寸)は730mm。横幅(内寸)は650mm。1段あたり高さは(図の中では255って書いてますが)244mmに決定。
※単行本は主要なもので高さ19cmと21cmの2種類があり、大学の参考書になるようなハードカバーだと22cm前後のものが少しあります。
今回の本棚は余裕を持って1段あたりの高さを24.4cmに決定。
ホームセンター(コーナン)で木材を購入
ホームセンターコーナンでツーバイフォー(2×4)とワンバイフォー(1×4)材を購入。
2014年で、この値段でした。
- 2×4・・・328円(税込)
- 1×4・・・213円(税込)
↓2014年2月撮影
↓2014年4月撮影
ウッドショックになってからというもの、SPF材の値段は高いままです。なかなか気軽にDIYできなくなってしまいましたね。
2022年1月15日のコーナン価格。
- 2×4……602円(税込)=1.84倍
- 1×4……382円(税込)=1.79倍
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2022年3月27日のコーナン価格。
- 2×4……822円(税込)=2.51倍
- 1×4……437円(税込)=2.05倍
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さすがにこれだけ材料費が上昇すると、DIYのほうが高くつく場合があります。
作る前に、既製品の組み立て家具や、スチール家具も検討したほうが良いかもしれません。
ワンバイフォーやツーバイフォーは反ってることが多いので、まっすぐなものを探すのにちょっと手間取り。
続いてコーナンのカットサービスを利用。電動丸ノコがあれば自分でも切れますが、数が多いならカットサービスがおすすめ。
この記事を書いた2014年当時は「10カットまで無料」でしたが、その後、
「コーナンアプリを入れたら10カットまで無料」
↓
「コーナンPayを導入したら10カットまで無料」
というふうに、どんどん改悪されていき、さすがにカットのためにコーナンPayまで導入する気にはなれませんでした。電子決済を導入するにしては、アプリの作りに不安が残ります。
※2019年4月にコーナンpayが開始されたときは2段階認証に対応しておらず、7月に不正ログインが発生して一時停止したあとに、やっと2段階認証に対応しています。
iPhoneアプリのほうはかなりレビューが低かったですが見れなくなっているし、Androidアプリも酷評なので、正直、導入する気にはなりません。
なので、基本は1カット30円(税抜)と思っておいたほうがいいです。
本棚の土台を制作
単行本は強烈な重さで、4本足だけだと床が心配なため、圧力分散のために土台を作成します。
ツーバイフォーで枠を作って、
その上にワンバイフォーをビス止めします。
強度を補強
大きい本棚なので、グラつきを防止するために補強します。
↓こういう形で互い違いに木を組み合わせるのが目標。
DIYで一般的なのは、電動ノコギリで切れ目をたくさん入れて、ノミで削る方法ですが、↓以下の写真だとちょっと切る数が少なかったですね。
↓横着するとこんなふうに後が面倒になるので、なるべく細かく切れ目を入れたほうが良いです。
↓細かく切っておけば、トンカチで簡単に崩せます。
棚受けの取り付け
棚受けの役割を担う角材を支柱に取り付けます。
この写真のハシゴみたいな細い角材の部分ですね。この上に棚板としてワンバイフォーが乗っかります。
↓棚受けの使用風景はこんな感じ。棚受けの上にワンバイフォーが乗っかってるだけです。大きなものを入れたかったら、ワンバイフォーを外すだけなのでお手軽。
背板で強度を補強
支柱4本で棚板も固定しないので、裏側で補強するための背板を取り付けします。
↓全部取り付けした姿。ワンバイフォーより安い粗材を使用。
↓背板に使った粗材はこういう束売されてるもの。16 x 40 x 2000mmが10本で1166円。
ただ、これは余った材料があったからなので、普通なら薄いベニヤ板をバーンと貼ったほうが楽だと思います。
しかも、ウッドショックで上記荒材も値上がりしています。
天板の取り付け
天板の取り付けは今までの作業と比べると簡単です。クランプで固定して、ビス止めするだけ。
こういう作業するならクランプは絶対必要。
土台と支柱を連結
いよいよ土台に支柱を取り付けしました。他にもいろいろ方法があると思いますが、L字型金具で連結してビス止めしています。
↓土台と支柱の連結部分はこんな感じ。
骨組みが完成
骨組みが完成して後は棚板を乗せるだけの状態になりました。でけー(笑)※だいたい195cmほどあります。
棚板を設置
設置場所に置くとさすがにオーダーメイドだけあって、ピッタリはまります。この写真は棚板を乗せる前。
↓棚板のワンバイフォーを乗せる。
完成した姿。
棚板のワンバイフォーは、接着も固定もしていません。ただ乗せているだけ。
乗せるだけのメリットとして、棚板を外せば背の高いものを収納することができます。
他に、クローゼットにしたければ上側から4~5段ほど棚板を外して、突っ張り棒やフックで棒を渡してハンガー掛けにしたり。
本棚自作の費用など
ほとんど材料費ですけど、約8,000円くらいかかりました。
強度やオーダーメイドサイズのメリットを考えると妥当な金額だとは思うけど、なんせ時間がかかりました。
安く済まそうと思ってDIYする場合は、難易度とも相談したほうが良さそうですね。
もし既製品で妥協できるものがあればサクッと買うんですけどねー。無いから自作するわけで。
収納力は3段カラーボックス8個分くらい。厚さ2cm程度の単行本なら450冊程度収納できそうです。そんなにないけど。
本棚自作に使った工具
本棚といってもこのサイズの家具を作ろうと思ったらそれなりに工具が必要です。
人数が少なければ少ないほど。特にクランプ。
クランプ
今回のような骨組みだらけの本棚だとほぼ必須。固定してから電動ノコギリで切ったりノミで削ったりビス止めしたり。
作るものの大きさにもよって使うクランプは変わってきますが、
↓Fクランプ
↓ハタガネ
↓クイックバークランプ
上記3種類の方式を使ってきた感想では、DIYでとりあえずならクイックバークランプがつけ外しが楽かな、という印象。
E-Valueの安いやつでも使えないことはないけど、パッドがつるつるで滑るし、パワーは弱いと感じることがあります。SK11のほうが木工用の固定としては安心できます。
↓ムラテックKDSというメーカーはもっと強いけど、木工だったらSK11くらいが上限でしょう。
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ハタガネはかさばらないのと、ネジなのでそれなりにしっかり締め込みできるんだけど、ちゃんとしたのを揃えるのはお金がかかる。
Fクランプは締めるのも外すのも回さないといけず、回す向きがちょっと使いにくいので使用頻度減りました。もっと安い値段ならありかもしれません。
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あと、短く挟むときにこういうクリップタイプがあると便利。
ホムセンの300円くらいのクリップは、開くときに力が必要なので使わなくなりました。弱くていいのでちょっと挟むときは100均のが使いやすいのでおすすめ。
手軽に、なおかつある程度強く挟むときは、SK11の伸縮式ロックハンドクランプが重宝しています。これはけっこう万能。小物の工作にも使えるし。
アームを伸ばして15cmまで挟むことも可能なのに、クリップ式じゃないので、開くときに力を使いません。(クリップ式は口の開き5cmでも強い力が必要)それでいてしっかりと挟むことができます。
※E-Valueのハンドクランプが同じような方式で300円程度ですが、強く締めるのには向いていません。口の開きサイズも全然違います。
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↓コーナーを固定するためのコーナークランプ
ノーブランドの安物だったら1個400円くらいなのでお手軽。
もっと時短したかったらクイックコーナークランプ。
直角の治具を自作して、普通のクランプでも固定できるけど、使用頻度によりますかね。
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クランプこんなにたくさん必要なの?と思われそうですが、正直、作るものによって使いやすさが変わるのでなんとも言えません。
じゃぁ一つだけ選ぶとしたら、とりあえずクイックバークランプかなと思います。DIY以外でも使える場面があるし。
クランプはあればあるだけ良いですが、最終的には収納スペースの問題にぶち当たります。
電動丸ノコ
木材を切るのに丸ノコ無いとやってられません。コンパネやツーバイフォーのカットに使います。
↓記事で使っていた丸ノコ。※現在とくにおすすめというわけではありません。
とりあえずツーバイフォー(38mm厚)が切れるように、ノコ刃径147mm以上のものが無難になると思います。
DIY用としては、147mmか165mmのどちらかがあれば、たいていの用途に足りるでしょう。
丸ノコを”きちんと”選びたい場合は動画などで勉強してください。
また、初めて使う人は、必ず注意点を見ておいてください。丸ノコが暴れたら、腕力でどうにかなるものではないので、使い方を知っているかどうかが大事です。
丸ノコは非常に役に立ちますが、電動工具の中でも危険なほうなので、油断しないようにしましょう。
サンダー
木材の角を削って面取りしたり、表面を綺麗に仕上げるのに使います。
※上記写真の大きなサンダーを使っていましたが、ミニサンダを買ってから、こっちばっかり使うようになりました。
マジックテープ式にできるアタッチメントを付けて使っています。
小さいほうが側面を削るときに楽なので便利ですね。
インパクトドライバ
DIYするならとりあえずインパクトドライバはあったほうが良いのは当然として、必ず充電式のほうが使いやすいです。
バッテリーは10.8V、14.4V、18Vのどれかを選びます。36Vや40VのインパクトはDIYでは必要ありません。
記事執筆時点で使っていたのはリョービの14.4V。
ぶっちゃけDIYなら10.8Vでも使えるので、機種の性能差というよりは、バッテリーをどこのメーカーにするかをよく考えて決めることになります。
マキタ、HIKOKI(ハイコーキ)、リョービ、ホームセンターオリジナルブランド、アイリスオーヤマ、KIMO、その他中華メーカーなどなど。
10.8Vはバッテリーを使い回せるラインナップが少なめで、電動工具によってはパワー不足を感じるので、あくまでインパクト用と、その他周辺機器で使えるものがあれば、というくらいに思っておきます。10.8Vは逆に軽くて扱いやすいというメリットもあるので、DIY用ならとてもおすすめできます。(この後の動画でわかります)
14.4Vはインパクトなら十分なパワーがあり、他の電動工具でもDIY用途であればそれなりに使えます。18Vよりも種類が少なくて、ものによってはパワー不足を感じるかもしれませんが、それでも価格を抑えたいならアリかもしれません。ただ、インパクトは10.8Vでも十分使えるので、14.4Vにする必要性は微妙です。他の電動工具にもバッテリーを使うことを考慮するなら、18Vのほうが良いと思います。
18Vが最もラインナップが充実していて、インパクトドライバ以外の電動工具でも十分なパワーが出るので、DIYに意欲があるならおすすめできます。特にマキタカタログを例に見ると、18Vのラインナップが圧倒的に多いことがわかります。工具以外の用途もめちゃくちゃたくさんあるので、DIYだけでなく、リフォームや園芸まで考えるなら18Vのメリットが大きくなります。ただ、なんでもかんでも18Vを買うのはお金がかかります。
この記事を見て、DIY初めてみたいなぁ、と思い始めたくらいの人だと、HIKOKI(ハイコーキ)のDIY用インパクトドライバがおすすめです。※マキタよりもおすすめです。
HIKOKIの電動工具は「プロ用」と「DIY用」があるんですが、DIY用は性能や容量を削っているぶん安く買えるシリーズです。
↓以下、ハイコーキのDIY用が初心者におすすめな理由
- バッテリー容量が少ないぶん、値段がかなり安い
- バッテリー容量は少ないが、2個付きなので作業が中断しない(プロ用のバッテリーは値段が高いので2個買うのはきつい)
- バッテリー容量が少ないので、軽い
- HIKOKI DIY用バッテリーはプロ用本体にも使える(マキタのDIY用バッテリーはプロ用本体と互換性がない)
- リセール価格が高いので、手放すときにお得になりやすい
↓この動画がハイコーキ DIY用10.8Vと14.4Vの比較。14.4Vのほうが少しパワーがあるけど、10.8Vのほうが軽い。
↓こちらはプロ用も含めた本体と比較。10.8V、14.4V、18V、18V静音(プロ用)、36V(プロ用)。本体の性能差もわかるので、これを見たらDIYモデルで十分と思う人も多いはず。
こんな感じで、電動工具メーカーとしてはマキタのほうが有名ですが、DIY用インパクトはハイコーキのほうがおすすめです。
ここまでインパクトの話をしましたが、電動工具は18V以上を揃えようとすると値段がめちゃくちゃ高くなるし、AC100V電源コードにはパワーが及ばないので、DIYなら必要に応じて電源コード式(100V)を買うのが現実的だと思います。ほんとに値段が全然違うんでね。
まとめ
ピッタリサイズで背が高い本棚なので、今までの棚よりも収納力が3倍か4倍くらいにはなりました。
作るのはとても大変で時間がかかりましたが、それ以上の価値はあったと思います。
とは言え、あり合わせのもので作ったので、あまりスマートでは無かったです(特に背面)。
きちんとした「本棚」が欲しい人は書籍で勉強などするのもひとつの方法だと思います。自分はそこまで気合を入れる気にはなりませんけど。
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※現在は単行本ではなくキーボードの収納棚になってます。背の低い棚を予算少なめで作るのも記事に書いたのでこちらもどうぞ。
関連:キーボードの収納棚を合板と木工用ボンドだけで簡単自作
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<その他DIY関連>
⇒ ディアウォールの使い方と棚柱・棚受けのお得な買い方
とても丁寧な紹介で作る過程が良くわかりました
参考にさせていただきます ありがとうございました