ホームセンターで売られているパーツクリーナー。
自動車整備など、機械部品の油汚れを落とすのが本来の用途みたいですが、潤滑剤やグリスの除去・塗装前の脱脂・油汚れの掃除などで便利なので、何本か使っていました。
よく使っていたのはAZ(エーゼット)のパーツクリーナー。
↓いたって普通のPA-001。洗浄力も速乾性も普通。中途半端なので使用頻度が少なめだった。ゴムプラOK。260円。
↓めちゃくちゃ速乾性のPA-002。洗浄力も強いので、噴射で吹き飛ばしてサッパリさせて、すぐ拭き上げたり次の作業をしたいときに。作業中のニトリル手袋をサッと綺麗にしたいときも。ゴムプラOK。330円。
↓乾くのが遅い強力タイプPA-003は、ゴム・プラスチックはダメでじっくり汚れを落とす機会も少なかったのでほとんど使わず。440円。
※むしろ遅乾性で素材への攻撃性がそこそこ低くて洗浄力が強いパワーゾルのほうが気軽に使いやすかった。しかもブラシ付き。(あとで詳しく紹介)
で、こういうスプレーのケミカル関連が少なくなってきたのでいろいろ購入。
そのとき、何を優先して選んだのか紹介していきます。
ちなみにケミカルって単語に馴染みがないかもしれませんが、chemical(化学的な)という意味のとおり、化学的にあれこれする製品全般のことを言います。
清掃、潤滑、防錆、接点復活、などなど、非常に多岐にわたります。
Amazonの単品は送料分で割高なので、まとめ買いできるなら本店・楽天・PayPayモールのエーゼットから買ったほうが安い場合が多いと思います。(Amazonのプライム会員だとAmazonのほうが単品で安く買えるものもあるけどごく一部)
あと基本的にこのページに掲載する写真付きリンクは商品写真とレビュー参照がわかりやすくなるように1本のページを貼っているけど、Amazonの単品は割高なので、4本セットのものや、グレー文字の楽天の検索リンクから飛んだり、本店は自分で検索してください。
もくじ
2wayノズル
これ実際使ったらわかる、ノズルの使い勝手がめちゃくちゃ重要です。
↓よくあるこういうスプレーノズルは、ノズルを付けたままだと収納しにくいし、ノズルが外れたら紛失するし……使い勝手が悪いんです。
これが2wayノズルだと、折りたたむだけで邪魔にならないし、紛失することもありません。
しかもこのノズル、押し加減で噴出量の調節もやりやすい。(オイル系のスプレーで特に使いやすい)
そして、2wayノズルがついてるパーツクリーナーを買っておけば、他のスプレー缶にノズルを使い回すことができるので便利、というわけ。
↓今までノズルを紛失して不便だったPA-002も使い勝手が良くなります。
ほかにもスプレー缶はパーツクリーナー、オイルスプレー、シリコンスプレー、コンタクトスプレーなどなど、ほとんど同じ規格なので、ノズルを紛失して困っていたものにどうぞ。
↓噴射口がこの形状だったらどれでも使えます。
で、この2wayノズルがついてるパーツクリーナーの中で、「速乾・強力・ゴムプラOK」という特徴がPA-002と似ていたので買ってみたのがこれ。あとからわかったけど溶剤含有量の割合もほぼ同じ。
※ステンレストレーやニトリル手袋に吹き付けてみた感じ、乾く速さや臭いもPA-002とよく似ていました。
ただし……、
840ml缶は使いにくかった
今まで650ml缶を使っていたから気付かなかったんだけど、ホームセンターでもよく見かける840ml缶は、思ったよりも大きくて使いにくいってことがわかりました。
- 重量は(溶剤量75%くらいで)だいたい500g→700g
- 高さは(2wayノズル付けた状態で)だいたい28cm→35cm
単純に重たくてダルいのと、狭い場所で邪魔になるって感じです。
よっぽど値段が安かったら840ml缶でいいけど、それなりの値段だったら650ml缶のほうが使いやすいなぁ、という印象。
溶剤含有量に気をつける
パーツクリーナー選びで、知っている人にとっては常識だと思いますが、同じ840ml缶でも中に入っている溶剤の量が違います。
さっきから紹介しているAZの931は、840mlの全容量のうち、630mlが溶剤の量です。(75%)
この「第四類第一石油類」というのが実際に洗浄に関係する量なので、ホームセンターで買うなら裏面を見て確認してみましょう。(ネットだと記載されてないことが多い)
この630ml/840ml=75%というのはパーツクリーナーとしては多いほうで、よく見かけるのは504ml/840ml=60%のものもあります。
ほかに、実はAZの中でも違いがあったりします。
- PA-001……400ml/650ml=62%
- PA-002……500ml/650ml=77%
一般的には溶剤の量が多いほうが洗浄力が強い、と書かれているみたいで、確かにそうかも?とは思いますが、なぜなのか説明できるほど詳しくはないのでここでは解説しません。
とりあえず溶剤含有量が多いほうがいいんだろうな、と思ってます。
ゴム・プラスチックにも使えるか
パーツクリーナーは、どちらかというと「金属専用で、ゴム・プラスチックには使用不可」というものが多いので、使う対象によって注意が必要です。
↓たとえば金属専用であれば、「金属専用ですので、プラスチック、ゴム、塗装面などには使用しないでください」などと缶の裏に書かれています。ホームセンターコーナンのをいくつか見ると、このパターンが多かった。
※逆にゴムプラに使わないなら、金属専用のほうがコスパは良くなるんでしょうね。
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たびたび紹介しているAZパーツクリーナー931だと、
「プラスチック・ゴムにも使用可能」と缶のおもて面に書かれています。
しかし、裏面では「ゴム・プラスチック部品に使用する場合は、事前に目立たない箇所で問題がないことをご確認の上ご使用頂き、長時間の侵漬は避けてください」と書かれていて、まったく攻撃性がないわけではありません。
パーツクリーナーなどの脱脂系ケミカルをいろいろ見ている限りでは、速乾性のものほど攻撃性が低い傾向にあります。(遅乾性でいつまでもゴム表面に溶剤が残ると浸透してしまうため?)
まぁ少なくとも金属専用のパーツクリーナーをゴム・プラ・塗装面にかけないように気をつけます。
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さて、AZパーツクリーナー931と似たようなので「CBP-001」というのもあります。
ゴム・プラスチックへの攻撃性が明記されてなくてレビューを見ても不明ですが、溶剤75%、2wayノズルの条件は同じ。評価はかなり高いので、使用箇所と値段によっては全然あり。
↓参考になったレビュー。
参考:AZ CBP-001 High Power ブレーキ&パーツクリーナー – ケミカル関連 – CBN Bike Product Review
AZのケミカル
パーツクリーナーを買うにあたって、Amazon、AZ本店、AZ楽天店を見比べたけど、明らかにオトクな商品があったりして、どういう差別化なのかわかりませんでした。
- Amazonはだいたい送料を含めた割高な価格
- 楽天は抱き合わせ商品でお得なものがある
- 本店はまとめ買いでお得なものがある
という感じで、どこで買ったらお得になるのか考えるのがなかなか大変。
パーツクリーナー以外にもいろいろあったので書いておきます。
パワーゾルMCC-002
自転車のチェーン掃除にむちゃくそ便利なパワーゾル。
Amazonで単品買ったら当然のように高いけど、本店で2本セットが605円(1本あたり303円)というわけのわからない安さ。
使いやすい650ml缶。2wayノズル。
しかもホームセンターで100円くらいしそうなブラシが1本ずつ付属する。
※ただし本店では【期間限定特別価格】と説明に書いてあったから、短期間なのかもしれない。自分は2020/08/04に発見した。
エーゼットは他にも限定としてありえない価格で売ったりするので、今後も違う商品で安くなることがあるかもしれない。
※ちなみに本店や楽天市場店では3850円以上で送料無料なので、ある程度買わないとお得感は薄れる。
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パワーゾルMCC-002は一応バイク用らしいけど、公式が自転車にも使えると回答していて、自転車に使ったレビューも多いので割と安心して使えます。
DCC-001も同じようなものらしいけど、なぜか自転車のレビューが見当たらない。値段が安ければこっちでも全然よさそうだけど。ただしノズルが2wayじゃない。
パワーゾルを自転車のチェーンに使ってみたけど、めちゃくちゃ汚れ落ちすごくて掃除が楽でした。
その後の処理(注油)をどうするかは人によって違うみたいなのでいろいろリンク貼っておきます。
参考:AZ MCC-002 バイク用チェーンクリーナー パワーゾル 420ml – ケミカル関連 – CBN Bike Product Review
参考:これが200円!? AZチェーンクリーナー『MCC-002パワーゾル』をレビュー – チャリでススメ!
参考:AZ パワーゾル チェーンクリーナーは凄かった : 昔チャリダー今ローディー
参考:チェーンメンテナンス ケミカルを考える – 息子と始めるDirt Life
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自分は注油について、「水置換性」「汚れも一緒に洗い流せる」「汚れがつきにくい」「他にも使える」「ある程度の防サビ」「ノズル使いやすい」などのコスパの良さからKM-001を使用することにしました。このレビューとか見ると、もうこれでええやん、ってなります。
CKM-002
あとになって知ったけど、↓Amazonのレビューとか、
AZさんに問い合わせた結果、
大まかな違いは
CKM-001超極圧・水置換オイルは溶剤入りです。極薄被膜で高速高荷重 防錆力に優れております。塩素フリーで環境に配慮しています。スプレータイプでは薄付きが可能です。焼き付きや金属摩擦を防ぎ、チェーンの潤滑にも適しています。CKM-002超極圧・極潤滑オイルは 長期潤滑に優れています。 低速の高荷重の箇所に強いです。 溶剤ははいっておりません。
↓CKM-001とCKM-002の比較とか。
たしかにCKM-002のほうが潤滑性能は高いしオイル持ちもいいです。ただ汚れがたまるとクリーナーだけでなく水を使わないと汚れが落ちなくなるなど、とにかくチェーン洗浄が厄介になります。つまり初心者や無精者(僕みたいな)にはやや敷居が高くなるのかな、と。
CKM-001はその心配が少なくて済むし、何より洗浄後のチェーンやギアを素早く水分から保護してくれる水置換性という特長がやはり個人的にすばらしいと思うので。
※なんだかCKM-002に水置換性が無いように見えますが、一応公式ショップの商品説明画像では水置換性が明記してあります。
ただ、テキストでの説明は無いし、本体の缶に水置換性について書かれていません。溶剤が入ってないし、本当に水置換性があるのか謎。
CKM-002には溶剤が入ってないことによって素材を侵す心配が少ないというメリットはあるけど、浸透性がやや低い・洗油としての使い勝手が悪いというデメリットもあるので、自転車のメンテナンスとしては手間が増える場合もあるのかもしれません。
CKM-002のほうがかなり粘度が高いみたいなので、用途に合うなら良いだろうけど、ロードバイクでもない普通の自転車なんて雨の日にも乗るだろうし、注油が手軽で汚れも一緒に洗い流せるほうがありがたいので、個人的に自転車にはKM-001かCKM-001のほうがおすすめかなぁという感じ。
毎回パワーゾルとかで洗浄もするならCKM-002でもいいけど、手間もゴミも増えるので面倒になってしまうと思います。
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逆に、家具の蝶番などめったにメンテナンスしない部分なら、長くとどまってくれるCKM-002と相性が良さそう。
自転車のチェーン掃除
パワーゾルで書いた内容とちょっと重複するけど、個人的な自転車チェーン掃除について簡単に書いておきます。
ただしロードバイクじゃなく普通の自転車で。チェーンがサビっサビになるくらいズボラで、水で流すのも面倒な人向け。
パワーゾルMCC-002で洗浄
パワーゾルを1回転ふきかけてから数分間おいて汚れを浮かせてから、ブラシでこする。
めちゃくちゃ乾くのが遅いから、1回つければずーっとブラッシングできます。
自転車のチェーン掃除に使った人がたくさんレビューを書いてるけど、洗浄力はかなり強い。
実際自分でも、すんごい汚れが落ちると感じました。
速乾性パーツクリーナーで吹き飛ばす
パワーゾルは遅乾性で、一晩置いてもそのままだったというレビューも見かけるので、汚れを吹き飛ばすついでに速乾性パーツクリーナーを使います。
個人的にPA-002を使ってたけど、「速乾性」「シールチェーンOK」は他にもいろいろあるので、正直、どれが一番いいのかよくわからない。
↓これでも全然よさそう。(エーゼットは用途が広いものが多いので、逆に製品選びに困る)
注油
自転車用のチェーンルブもたくさんあるけど、性能を求めてるわけじゃないので、KM-001を適当に使ってます。
- 水置換性 → 水がかかっていてもそのままスプレーすれば水を追い出してくれる
- 汚れがつきにくい → かなりサラサラなので走行時の汚れがつきにくい
- 汚れを洗い流しやすい → サラサラで浸透するので、注油と一緒に汚れを洗い流してくれる
- 耐久性はそこそこ → このレビューによると、見た目の印象よりは持続するっぽい。
- 防錆性能 → こちらの記事によると防錆(防サビ)性能はそんなに優秀ではない。ただ、そもそもチェーンだと流れ落ちるかどうかも重要なので一概には言えない。
この中でも「水置換性」と「油を洗い流しやすい」という特徴があるので、一度洗浄をしっかりしておけば、次回からは注油だけでメンテナンス可能で、注油作業がめちゃくちゃ楽になります。
実際は1滴ずつ垂らしたほうがいいらしいけど、まぁ面倒なのでブシューって吹きかけながらチェーン回して、拭き取って終わり。
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ちなみに値段は倍になるけど、自転車乗りには上位互換のCKM-001のほうが人気があるようです。油膜の耐久力はこっちのほうが強いので、どっちがコスパいいのかは何とも言えません。
クレ5-56は万能オイルじゃない
ケミカルは調べだしたらほんと切りがないけど、少なくともクレ5-56を何にでも使ってしまうのはやめましょう。
- 揮発が速いので潤滑性は長持ちしない
- 揮発すると油膜もなくなるので結果的に防サビも期待できない
- サラサラなので流れやすい
- もともと付いてるオイルやグリスを洗い流してしまう
- ゴム・プラスチックへの攻撃性が高い
- 鍵穴に使うとホコリを読んでトラブルの元
などなど、一般的にみんなが持っているイメージとは違います。
とくに潤滑剤として使うとトラブルの元なのでおすすめしません。
まとめ
でも用途別にケミカルを揃えるの面倒!
1本で全部できるやつないの!?
って言われそうですが、粘度と耐久性のトレードオフや、素材への攻撃性があるので難しいんですよねぇ。いうて自分も全部把握できるほど詳しくないけど。
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