YouTubeのコメントで、
「カメラやマイクは何を使っているの?」
という質問が何回かありました。
自分もそうですけど動画撮影をするYouTuber(ユーチューバー)にとって、ビデオカメラや外部マイク(外付けマイク)などの撮影機材って興味ありますよね。
なので自分が動画撮影に使っているビデオカメラと外部マイクについてレビューを兼ねて書いておこうかと思います。
プロのような品質ではないですが、それなりの高画質・高音質にするためにカメラと外部マイクを選んでいます。YouTubeにアップする動画としては十分満足できるクオリティ。
ただ、マイクは必要以上の高音質を求めているので、一般的な外部マイクよりも扱いが面倒になっています。
このブログ記事では、実際に画質と音質も確認できるように、YouTubeにアップしている動画も紹介しながら、ビデオカメラや外部マイクについて書きました。
具体的にはビデオカメラはCanon G20、外部マイクはTASCAM PCMレコーダーを使用しています。それではどうぞ。
もくじ
YouTubeのビデオカメラ
まずは主力のビデオカメラ。
Canon G20という機種です。
ビデオカメラを選ぶ理由は目的によって人それぞれだと思いますが、自分の場合は以下のような理由でG20を選びました。
最大解像度が1920 x 1080(フルハイビジョン)で無駄がない
Canon G20は昨今のカメラにしては珍しく最高解像度が207万画素(1920 x 1080・フルHD)しかありません。
これはちょうどYouTubeのフルHDの解像度と同じなので、動画ファイルの容量が無駄に大きくなることがなく、綺麗な動画を撮影できます。
以下、公式サイトのG20から引用。
動画有効画素数約207万画素の「HD CMOS PRO」を搭載。フルハイビジョン映像と同様の画素数で撮影するためリサイズ処理が必要なく、解像度の低下がほとんどない、輪郭のくっきりした映像を実現しています。セルサイズは従来機※1との比較で約2.6倍の受光面積なので、暗いシーンでもオートで明るくキレイに撮影できます。
引用:
キヤノン:パーソナル向けデジタルビデオカメラ iVIS|iVIS HF G20 特長 信頼の高画質
カメラの画素数は大きいほど高画質だと思われがちですが、センサーサイズが小さいと逆にノイズが増えて画質が落ちてしまいます。
画素数は消費者にアピールしやすいため無駄に大きくなりがちですが、用途によってはなるべく画素数が少ないほうがより高画質になります。
4Kディスプレイ(3840×2160)で見ないかぎり(つまり一般的なテレビやパソコンのモニタ)は200万画素以上は必要ありません。
また、4Kで視聴できる環境が整っているユーザーはまだまだ少ないので、4Kの動画をアップロードするのはコスパが悪いとも言えます。(コストが高い割に、それを届けられる視聴者が少ない)
室内撮影(暗い場所)に強い
G20は画素数が少ない=1画素あたりの受光面積が大きいので、暗い場所でもノイズの少ない動画が撮れます。
実際に部屋の明かりを消して間接照明だけで撮影した動画でも、暗部のノイズが少なく満足行く画質になります。
↓この動画は室内灯を消して、電池6本で使うLEDライトを弱めに点灯しているような状況ですが、かなり暗いにも関わらず、30fps(秒間30コマ)から減ることもなく、十分綺麗に撮れています。
明るいレンズ(F1.8-2.8)
これは分かる人には分かる、なかなかすごいことなんですけど、広角端でF1.8、光学10倍ズーム望遠端でF2.8と、かなり明るいレンズになってます。望遠端のF2.8はそこそこボケも出せます。
F1.8という明るさのレンズは、5万円以上の高級コンデジとか、一眼レフのレンズだったら高めの価格帯になるので、ビデオカメラでオールインワンのG20でF1.8が使えるのはかなりのコスパの良さです。
ちなみに画角は35mmフィルム換算で30.4mm~304mm。欲を言えば広角端が28mm以下なら良いですけど、可もなく不可もなくといったところでしょうか。
長時間撮影が可能
コンデジや一眼レフなどのデジタルカメラではよくあることですが、長時間の録画をすると熱暴走によって録画が途中でストップするなんてことがあります。
とくにYouTubeでは、一眼レフで被写界深度の浅いボケ味の強い動画撮影に人気がありますが「一眼レフは写真撮影」が本来の得意分野なので、長時間の動画撮影で発熱するものもあります。
G20は1時間連続撮影しても断続的に3時間の撮影をしても本体は熱くならずに、余裕で録画することができました。まだまだ全然余裕があります。
また、カメラの性能による違いではなく税金の問題になるんですけど、「デジタルカメラ」と「デジタルビデオカメラ」ではEU圏内の関税の税率が数%違うらしく、「デジタルカメラ」のほうが関税が安いとのこと。
そして動画の撮影時間が30分以上になると「デジタルビデオカメラ」に分類されてしまうため、関税を安くするためにわざと動画撮影可能時間を30分以内に制限して「デジタルカメラ」として売るそうな・・・。
G20は「デジタルビデオカメラ」なので、この30分制限がなく、撮影時間を気にせずに録画できます。
付属の純正バッテリーだけだと撮影可能時間が短いので、予備バッテリーはロワジャパン製の大型のものが安くて安心感があるのでおすすめ。
音声のライン入力ができる
デジカメやビデオカメラへの音声入力・出力には「ライン入力・出力」と「マイク入力・出力」の2種類があり、G20はマイク入力・ライン入力の両方に対応しています。
マイク入力とライン入力は、大雑把に説明すると “音声信号の強さ” が違います。
- ライン入力・出力 → 信号が強い
- マイク入力・出力 → 信号が弱い
※音質が悪いということではなく、信号の強さが違うだけです。
そのため、もしマイク側がライン出力(強い)で、カメラ側がマイク入力(弱い)しかできない場合は、信号が強すぎて音割れしたりカメラを傷めてしまう可能性があります。
もしライン出力→マイク入力しかできない場合は抵抗入りケーブルを使ったりしますが、音質が多少悪くなるんじゃないかと言われることもあります。(耳で聞いても違いがわからないかもしれないけど)
その点、G20はマイク入力とライン入力が両方使えるので、抵抗入りケーブルを使う必要がありません。設定からどちらの入力を使うのか選ぶだけです。
後述するTASCAMのPCMレコーダーを使う場合は、TASCAMがライン出力のみなのでG20をライン入力に設定して、抵抗なしの普通のケーブルを使えばベストな状態で録音できます。
↓自分は30cmの長さでL字型のケーブルが非常に使いやすいのでこれを使ってます。
他のケーブルを使う場合も「ステレオミニプラグ」という端子さえ間違わなければ、長いケーブルやストレート型のケーブルなど、選択肢はたくさんあります。
撮影中の音をモニターできる
G20は撮影している音をリアルタイムで、ヘッドホンやスピーカーで聴きながら撮影できます。
マイクが電池切れで音声が入らない失敗を防げるし、音量バランスを事前に確認してから録画スタートできるので、安心して撮影できます。
HDMI出力しながら撮影できる
G20にはHDMI出力端子があり、映像をリアルタイムに液晶モニタやテレビで確認しながら撮影することができます。
↑ちょっと自分の場合は手持ちの液晶モニターを無理やり使っているので明らかに大げさです。
本来ならカメラ用の外部モニターを使うほうが扱いやすく、必要十分の大きさで画面を確認することができるのでおすすめです。
5.7インチでもカメラのモニターよりはかなり大きく、場所も自由に変えられるので、使い勝手はかなり上がりそう。
YouTubeの外部マイク
続いてYouTubeの撮影で使う外部マイク。
自分が使用しているのはTASCAM PCMレコーダーというマイクです。
Canon G20の内蔵マイクも「それなりの」音になりますが、こだわりの外部マイクで録音すると、まっっったく音質が違うので、音にこだわるならぜひ外部マイクを検討してください。
調べた限り、音質にこだわるなら値段の割に最も魅力的だったのでTASCAM(タスカム)PCMレコーダーを購入しました。
その反面、プラグインパワー方式のように、カメラに接続すれば良いだけのマイクと比べたら、若干使い勝手は面倒になるので、用途に合っているかどうか、この先をよく読んで検討してください。
ちなみにビデオカメラ1台だけでとにかく音質の良いものが欲しいという人はSONYのミュージックビデオレコーダー HDR-MV1がおすすめです。
画質はそんなに良くないですけど、音質だけはTASCAMのPCMレコーダーと同じくらい、最高です。
↓以下、TASCAMのPCMレコーダーの話に戻ります。
音質が非常に良い
これはわざわざ外部マイクを買うくらいだから絶対条件みたいなものですがTASCAMのPCMレコーダーはとにかく音質の良さに驚きます。
音が良いというか、聴いた瞬間リアルを感じます。
音を生かした動画をいろいろ撮影しているんですが、ただ単にキーボードを掃除しているだけの動画とか、音フェチににはたまらんらしいです。
↓この動画を聴くとわかる通り、マイクの感度が高いので、こすれる音なども非常にクリアに録音できています。
↓こちらは雨の音。
↓コオロギの鳴き声
他にも色々な音を撮影しているので、TASCAMのPCMレコーダーで捉えられる音を中心に聴いてみたい人はこちらのYouTube再生リストをどうぞ。(別窓で動画一覧が開きます)
AB方式とXY方式
先端のマイクを閉じたり広げたりして、AB方式で全体の雰囲気を撮ったり、XY方式で前方を重点的に録音したりして調節ができます。
屋外で虫の鳴き声を撮るようなことがあればAB方式で広げるし、室内でタイピング音を撮る時はXY方式で重点的に撮る、などの調節ができるので重宝しています。
ただ、AB方式とXY方式で同じものを撮り比べてみてもそこまで大きな違いはなくて、目の前の臨場感が変わるかな?という程度です。
基本的なマイク性能のほうがよっぽど重要です。
機能が豊富
他にもリバーブなどのエフェクトをPCMレコーダーだけでかけたり、自動録音開始できたり、レコーダー単体で録音のことはすべてできるのでプラスアルファの用途に使えます。
というか、むしろレコーダー単体での録音が本来の使い方で、ビデオカメラに接続して使うのは珍しいでしょうけどね、たぶん。
PCMレコーダーのラインナップ
自分が使っているDR-07MKIIは2011年3月発売で生産終了したので、後継機種のDR-07MK2-JJがあります。基本的な部分は変わっていません。
↓また、XY方式が必要なければこちらでもOKです。
他にも風防・手持ちグリップ・ACアダプター・ソフトケースがセットになったアクセサリーパックや、
風防の単体販売などがあります。
TASCAMの風防は毛が抜けにくくてしっかりホールドされるので使いやすくておすすめ。
風切り音をどれだけ防いでくれるのか比較してみましたけど、風防はそれなりに効果がありました。
G20にTASCAM PCMレコーダーを取り付ける方法
それでは実際にG20とTASCAM PCMレコーダーをどうやって組み合わせて撮影しているのか、例を載せておきます。
G20に直接PCMレコーダーを取り付ける場合
まずはエックスグリップなどを使わずに、G20のアクセサリシューに直接PCMレコーダーを取り付けるやり方を解説していきます。
G20のアクセサリーシューは「ミニ アドバンストアクセサリーシュー」という特殊な形状で、通常のアクセサリーシューよりもサイズが小さいものとなっています。
そのため、通常のアクセサリーシューに変換するためのアダプターが必要になってきます。これがまた値段が高い!よっぽど特殊なシューなのか、変換先も通常サイズのシューしか見当たりません。
↓検索した限りだとこの2種類だけ。「ミニアドバンストアクセサリーシュー」 → 「汎用コールドシュー」変換。
↓アダプタを装着するとこんな感じになります。これでてっぺんが通常のシューになりました。
直接付ける場合
Canon G20に直接取り付ける場合のアダプタ構成を説明します。
先程取り付けた「ミニアドバンストアクセサリーシュー」 → 「汎用コールドシュー」変換アダプタの上に、
「アクセサリシュー → 三脚穴」変換アダプタをつけます。
これはよくある組み合わせのアダプターなので、検索すれば他にもたくさんのショップが出品しています。
「シューアダプタ 三脚穴」で検索してレビューなどを見て買えば良いと思います。
↓シュー → 三脚穴のアダプターを装着するとこうなります。
↓そしたらTASCAMのPCMレコーダーが三脚穴で取り付けられるので接続するとこうなります。
これで一応録音できるようになりました。
ただしさっきも書いたとおり、PCMレコーダーは感度が高いのでタッチノイズを拾いやすく、アダプタを重ねるだけだと手持ちでの撮影は厳しいと思ったほうが良いです。
ショックマウントアダプタを使う
PCMレコーダーを上に乗せて手持ちで撮影するなら、最低でもショックマウントを使うことをおすすめします。
※細かく検証してくれた動画も出ました。
- 三脚を触った音
- 雲台を動かした音
- カメラ本体を触った音
- ピント合わせ(レンズ回転)の音
- ボタンを押した音
- ダイヤルを回した音
これら、すべての音についてかなりタッチノイズが軽減されています。(動画ではメーカーが違いますが、PCMレコーダーなのでタッチノイズの拾いやすさは似ています)
また、それさえ面倒で、なるべく小回りが効くほうが良いなら、いっそのこと音質を捨ててショックマウント付きで電池不要(プラグインパワー方式)のRODE VideoMic GOなどがあります。ただしモノクロでもTASCAMと同じくらいの値段で、ステレオになるともっと高いです。
そもそもTASCAM PCMレコーダーを選ぶ時点で若干手軽さを犠牲にしているので、使い勝手が悪いのは仕方ない部分もあります。
スタビライザーハンドルを使う
「スタビライザーハンドル」とか「エックスグリップ」「カメラグリップ」とか呼び名がいろいろありますが、以下の様なカメラ用のハンドルグリップを使うと手ぶれがかなり軽減されて、タッチノイズもちょっとだけ軽減されます。
↓G20を取り付けるとこんな感じになります。取り付け位置は前後に調節可能です。
スポンジ状のグリップ部分を持って撮影するので手ぶれを軽減できて手持ち撮影では非常に便利です。また、足があるので地面に直接置くことができます。
スタビライザーハンドルを使うとG20本体のミニアドバンストアクセサリーシューを使う必要が無くなるので、値段の高い変換アダプターを買わなくても良いという地味なメリットもあります。
ただしスタビライザーハンドルでタッチノイズは完璧には抑えられません。ショックマウントアダプタのほうが効果が高いです。
まとめ
こんな感じで、民生機に出せる予算の範囲内で、できるだけ高画質・高音質で撮影する例として、Canon 20とTASCAMのPCMレコーダーの組み合わせを紹介しました。
やりたいことによって正解も変わってくるので、記事の内容をヒントにしてもらえると幸いです。
ーーー
なお、もう一度書いておきますが、音質だけ最高のものが欲しくて、映像はそんなに綺麗じゃなくても良いという人はSONYのHDR-MV1がおすすめ。
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⇒ カメラ防湿庫の選び方
はじめまして。
サイトとても参考にさせていただいています。
私もCanon G20で撮影していて、さらに良い音を思い色々マイクを比較検討した結果「TASCAM」の「DR07MKⅡ」を購入予定です。
合わせとしてはパソ活様と同じような仕様となります。
そこでご相談ですが、
G20とTASCAMを繋ぐコードはどのようなものを使っていますか?
「抵抗あり」「抵抗なし」と、いうのがあると聞きますが、あまり詳しくないもので。
どうかアドバイスよろしくお願い致します!