もう今では「タイピング検定の資格=就職に有利」ということも無くなり「タイピングくらいできて当たり前」とか「履歴書に書いてもアピールにならない」という時代になりました。
ただしそれでもタイピングが速ければ仕事では役に立つので、いまだに重要なスキルのひとつではあります。
自分自身、今までいくつかのタイピング検定を受験してきたので、タイピングの資格についてまとめて、分かる範囲で効果的な練習方法を書きました。
この記事で紹介するタイピング資格は、以下の6種類。
- ビジネスキーボード
- 文章入力スピード認定試験(旧 パソコンスピード認定試験)
- 日本語ワープロ検定
- ビジネス文書実務検定(旧ワープロ実務検定)
- 毎パソ(毎日パソコン入力コンクール)
- キータッチ2000
- イータイピング・マスター
そもそもタイピングの資格が就職で有利になるのか?とか、実際に受験するならどの資格がおすすめなのか、ということについても書いてます。
もくじ
タイピングの資格は履歴書に書けるのか
「タイピングを活かした仕事はありますか?」「タイピングの資格を持っていると就職に有利になりますか?」
という質問を知恵袋で見かけますけど、残念ながら「就職に有利になる」というほどではないと思います。
「タイピング 就職」や「タイピング 履歴書」で検索してきた人に言っときますが、
「タイピングが速い=仕事ができる」という考えを捨てましょう。
逆にタイピングスピードばかり速くてもアンバランスになるので、パソコンスキルをアピールするなら、Excelなど、よく使うソフトに詳しいほうがよっぽどマシです。
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ただし、遅すぎるとどんな仕事でも支障が出るので、遅すぎない証明として、タイピングの資格は有用だと思います。
タッチタイピングについて書いた記事でも調べた通り、
- 大学生でもブラインドタッチできるのは20%以下
- パソコンを持っていない世代が急増している
- まともにタイピングできない若い世代が増えている
という状況なので、タイピングの資格を持っていれば、採用側の不安を無くす効果はあるのではないかと思います。
たとえ3級レベルでそこまで速くないとしても、「まともに文字入力ができないわけではない」ということはわかります。
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それではここから、各種タイピング資格を、以下の内容で紹介していきます。
- 主催団体
- 公的 or 民間
- 受験料
- 実用度(5段階評価)
- 練習方法
ビジネスキーボード
- 日本商工会議所
- 公的資格
- 受験料 2,620円
- 実用度 ★★★★★
以前は「ビジネスキーボード認定試験」という名前でした。
タイピング検定の中で一番おすすめです。
ビジネスキーボードで高ランクを取得すれば、実用的にもアピール的にも他のタイピング資格が必要なくなります。
「日本語・英語・数値」の3種類に分かれているので、他の資格では珍しい、英語・数値の入力スキルについて客観的に証明できるのも特徴的。
しかも1回の受験料ですべての科目を受けられ、レベル別に受験する必要がないので、検定料がかなり割安になります。
以下、自分で実際に受験もしているので、ビジネスキーボードの難易度・練習ソフト・受験の流れなど、詳しく解説していきます。
ビジネスキーボードの特徴
- 正確性とスピードの両方をアピールできる
- A判定だと仕事で十分過ぎるほどの速度
- レベルごとに受験する必要が無いので受験料が割安
- 日本語・英語・数値で幅広いタイピングスキルを証明できる
- 検定の練習が普段の実用的なタイピングスキルに直結する
- 受験会場が多くて日程を調整しやすい
こんな感じで、今回比較しているタイピング検定の中では、ほぼ欠点がありません。タイピングの資格を取るならビジネスキーボードだけで十分です。
ビジネスキーボードの合格ライン
ビジネスキーボードは、日本語・英語・数値の3科目があり、それぞれ入力できた文字数に応じてS・A・B・C・Dの5段階で評価されます。
S判定はノーミスですべて入力する必要があります。
日本語
- S・・・900字(満点)
- A・・・800~899字
- B・・・600~799字
- C・・・400~599字
- D・・・0~399字
英語
- S・・・3,000字(満点)
- A・・・2,500~2,999字
- B・・・2,000~2,499字
- C・・・1,500~1,999字
- D・・・0~1,499字
数値
- S・・・1,200字(満点)
- A・・・1,000~1,199字
- B・・・800~999字
- C・・・600~799字
- D・・・0~599字
出題された文字を全てノーミスで入力した場合の「S判定」という存在があるので、タイピングに自信がある人の攻略魂を刺激するようです。
ただ、A判定でも他資格の1級より難しく、一般事務では速すぎるくらいなので、S判定はまったく目指す必要はありません。
ビジネスキーボードの認定証
試験後は認定証が郵送されます。クレジットカードと同じような作りで、とてもしっかりしています。
↓自分の成績はこんな感じでした。
- 日本語(880字 / 900字)A判定 1ミス
- 英語(2939字 / 3000字)A判定 1ミス
- 数値(1056字 / 1200字)A判定
↓認定証の裏面スキャン。
賞状よりも保存しやすく、直接見せたり、画像を添付するにも使いやすいので、このやり方はいいですね。
ビジネスキーボードの難易度
ビジネスキーボードはミスペナルティが非常に厳しく、1文字でも間違えると1行の文字数がまるごと減点になるので、1ミスが数十点のマイナスになることも……。
問題文が「お客様用カレンダーを下記のとおりお送りいたしました。」だったら、1ミスがマイナス26点になります。
※記憶が薄いですが、日本語はたぶん10~30文字くらいの問題が多かったかな。
A判定を取るためには、日本語だったらミス6回くらい、英語だったらミス9回くらいまでしか許されないので、かなりの正確性が要求されます。
日本語は「800文字/10分」以上でA判定なので、他の資格で例えると日本語ワープロ検定で1級よりも上の初段を、さらにミスペナルティを厳しくした難易度です。上限が900文字なので、ミスしたぶんを大量の文字数でカバーすることもできません。
そのため、実力よりも「A判定や1級のような、一番上のレベルを証明したいだけ」なら、他の資格で1級を取るほうが少し簡単になると思います。
そこらへんは目的によって資格を選んでください。
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日本語A判定を他の資格と比較しても明らかに難しいのに、「日本語<英語<<数値」という順番で、英語・数値はさらに難しくなっています。
英語の入力は、そもそも慣れていない人が多いので、さらに難しく感じるはず。相当練習しても日本語より難しいです。
数値も難しく、相当練習が必要です。漢数字を数字に直す問題が特に難しく、自分は漢数字を全部無視して残りを全問正解して、なんとかギリギリA判定が取れました。
数値はタイパーにとっても難しいと言われるほどなので、ほとんどの人はS判定を取ることはできません。
まぁ普通は日本語のタイピングスキルを見られることがほとんどだと思うので、日本語だけ練習してても良いでしょう。
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ちなみに各科目でノーミス満点だとS判定になり、すべての科目でS判定を取ると「ビジネスキーボードマスター」という称号をもらえます。数値が難しすぎるのでマスター称号を持っている人は本当に凄すぎ。
これについてはdqmaniacさんのタイピング日記にて、ビジネスキーボードマスターを達成した時の詳細が書かれています。
ビジネスキーボードの練習ソフト
ビジネスキーボードの本番と全く同じ方式で練習できるソフトはありませんが、見た目が少し似ているソフトがあったので紹介しておきます。
Biz Keyというフリーソフトです。(Windows 7で動作確認済み)
Vector:Biz Keyの詳細情報 : Vector ソフトを探す!
開発者公式サイト:Second Way
↓本番の見た目とよく似ています。
ただし、以下のような気になる点があるので、メインの練習ではなく、入力する流れを体験してみる程度にしておくと良いでしょう。
- デフォルトの問題文の文字数が実際の試験よりも少ない
- 間違った行が赤くなる(実際の試験では赤くならない)
- Shift+Tabで戻る時、5個前の行に戻ってしまう
- 英語のフォントが読みづらい
- サンプルが少ないので実践的な練習をするには自分で問題文を作成する必要がある
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また、今はもうVectorから無くなりましたが、見た目が似ている練習ソフトの動画も撮影したことがあります。こんな画面で試験を受けるという参考にどうぞ。
この動画くらいの速度だったら確かA判定になったはずです。
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このように、専用のソフトが充実しているわけではないのと、結局は根本的な練習が必要になるので、このあとの内容も読んでください。
日本語の練習
日本語の練習ではタイピングソフト全般が使えるので、こちらの記事で紹介しているソフトをどうぞ。
そして最終的には初見の文章を漢字変換込みでタイピングすることになるので、文章入力スピード認定試験の過去問、日本語ワープロ検定試験の過去問、ビジネス文書実務検定の過去問など、なるべく和文をタイピングしましょう。
とにかく漢字変換込みの日本語を練習すればOKなので、普段のタイピングも含めて練習材料はいくらでもあります。
また、本番では自分のパソコンを使えないので、IMEのユーザー辞書を初期状態にして練習するように気をつけましょう。
とりあえず就職などで求められるタイピングスキルは日本語でしょうから、A判定に満たない場合は日本語を重点的に練習。A判定が余裕で出せるなら英語や数値もどうぞ。
英語の練習
基本的な英単語は「10FastFingers.com」で練習。
ビジネスキーボードの本番では、誤打はバックスペースで修正する必要があり、また、次に入力する行が見えていて先読みが重要になるので、イータイピングのように1問ずつ表示されるサイトではなく、、「TypingClub」「Key Hero」「美佳の英文タイプ テキスト編」「文章入力スピード認定試験過去問」あたりが良いかなと思います。
詳しくは「英語タイピングについてまとめた記事」をどうぞ。
数値の練習
数値は高得点を狙うなら難易度が高いですが、テンキーがそこそこ使えればA判定やB判定は取れる余地があるので、まずは手元を見ずにテンキーだけで数字とマイナス「-」、プラス「+」、ピリオド「.」、スラッシュ「/」が入力できるだけでもマシになります。
左手も使えるなら、マイナス(ひらがなの「ほ」のキー)、Enterあたりを担当させるとさらに効率が良くなります。
まずはある程度の桁数の数値を、縦に並べてスムースに入力できるようにしましょう。
例題は、価格表などの数値が載ってるサイトや書類なら何でも使えます。
テンキータイピングの練習で気をつけないといけないのは、イータイピングのテンキータイピングのように、1問ごとに表示されるサイトで練習してはいけません。
ビジネスキーボードは次の数値が見えている状態で次々と入力していくので、初速より先読みが大事です。
漢数字を数値にして入力する問題は、読み解くのが苦手なら飛ばしても良いでしょう。
どのみち全体の難易度がかなり高いので、ほとんどの人はすべての問題を入力し終えることはできません。
練習ソフトとしては、先ほどのBiz Keyの他に、(記号はマイナスしか使いませんが)毎パソ練習ソフトが近いといえば近いです。
↓この動画は毎パソ練習ソフトをしています。このように数字はテンキーで入力して、Enterなどを左手で入力すれば効率が良くなります。
左右のリズム、左手でマイナスとEnterを入力、先読みで絶え間なく入力する参考にどうぞ。このくらいのスキルでも、ビジネスキーボード数値でA判定は難しいです。
ビジネスキーボード受験の流れ
ビジネスキーボードだけじゃなく、日本商工会議所のIT関連資格はとても受験がしやすい資格です。認定会場が多く、試験日にも融通が効きます。
↓まずは最寄りの試験会場を検索して、
会場に電話をかけて試験日程を決めるだけです。試験日程が「不定期」や「随時」となっているパソコン教室なら、割と自由に試験日を決められるので、電話して聞くほうが速いです。
自分の場合はパソコン教室の授業の合間の時間帯を教えてもらい、希望日を伝えればすんなりと受験日時が決まりました。
あと、会場によって違うかもしれませんが、自分が受験した会場はキーボードの持ち込みはできず、DELLに付属しているメンブレンキーボードしか使えませんでした。
10台ほどパソコンがあったので何とか無難なキーボードで打つことができましたが、普段からRealforceなどの高級キーボードで練習している人は、キーボードの下見もしたほうが良いかもしれません。
文章入力スピード認定試験(旧 パソコンスピード認定試験)
- 日本情報処理検定協会
- 民間資格
- 受験料 1,200円
- 実用度 ★★★★
以前は「パソコンスピード認定試験」という名前で、2021年7月試験より「文章入力スピード認定試験」に名称変更されました。
それに伴い、「初段10分1500文字以上」のさらに上「特段10分2000文字」が追加されています。
ミスペナルティは1ミス1文字減で変更ありません。
紙の文書を見ながら漢字変換込みの和文をタイピングしていくので、日本語入力で実用的なタイピングスキルを証明できます。
文書を見ながらのタイピングは実際の事務仕事でもありそうなシチュエーションだし、漢字変換のスキルも重要になってくるので、タイピング検定の中でもそれなりに実用的です。
文章入力スピード認定試験の難易度
タイピング検定にしては珍しく、ミスペナルティが「1ミスで1文字減」と非常に緩いので、ミスしてもどんどん入力したほうが成績は良くなってしまいます。
さすがに1ミスで1文字減は緩すぎて無視できてしまうので、実用性がイマイチなのが残念。(実用的には1ミスで3~5文字減くらいは欲しいところ)
ただ、言い換えると「1分あたり◯◯◯文字打てます」というアピールには使いやすいということでもあります。
履歴書でタイピングスキルを証明する資格としては、コスパが良いと言えるでしょう。
採用する側も、タイピング資格の違いについて詳しくなければ「1級?へぇーすごいね」ということになります。
一応、1級は1,000文字で他の資格(700~800文字)よりは多めの文字数になっていますが、ミスを無視して実際にやってみたところ、難易度は低く感じます。
タイピングが速くて手元を見ずに入力できる人なら、漢字変換さえも確認せずに書類だけを見てタイピングしたほうが高得点が出せます。
また、過去問を見ても分かる通り、文章がかなりやさしくて漢字含有率が少ないので、スピードも出しやすくなっています。
↓各級の合格ラインは以下の通り。ミスペナルティは全ての級で1ミス1文字減です。
級 | 合格ライン |
特段 | 2,000文字 |
初段 | 1,500文字 |
1級 | 1,000文字 |
準1級 | 800文字 |
2級 | 600文字 |
準2級 | 450文字 |
3級 | 350文字 |
4級 | 250文字 |
5級 | 100文字 |
6級 | 50文字 |
特段2000文字はかなり難しいと思いますが、普通の人は1級を持っておけば十分「すごい!」となるでしょう。
また、2級以下については他の検定よりもかなり難易度が低いと思います。(ミスペナルティが緩いのに文字数がそこまで多くない)
↓この動画は旧名称のパソコンスピード認定試験を、初段1500文字の合格ラインギリギリくらいでタイピングしています。初段のスピードの目安にどうぞ。(音量注意)
重要なことなのでもう1回言いますが、文章入力スピード認定試験は1ミスに付き1文字減と非常に緩いので、間違いを気にせずにどんどんタイピングしたほうが点数は高くなります。
上記動画はミスに気をつけながら打って1500点をちょっと超えるくらいですが、ミスを気にせずに打つと数十文字ミスでも1900点くらいになったので、漢字変換を気にせずに入力したほうが試験の点数は高くなります。
文章入力スピード認定試験受験の流れ
文章入力スピード認定試験は、基本的に団体受験が原則となっていて「10名以上の受験者で試験会場として登録して受験をする」と公式サイトに書かれています。学校やパソコン教室がまとめて受験する想定ですね。
団体受験が難しい場合は対応校に申し込めば個人受験もできるようです。
ただし個人受験できる対応校が無い都道府県もあるので、社会人なら大きなパソコン教室にでも通ってないと受験が難しいかもしれません。
履歴書のアピールとしてコスパが良さそうという魅力はありますが、社会人で個人受験が面倒そうなら、ビジネスキーボードに取り組んだほうが良いと思います。
日本語ワープロ検定試験
- 日本情報処理検定協会
- 民間資格
- 受験料 1,500~5,000円
- 実用度 ★★★★
先ほどと同じく、日本情報処理検定協会主催の資格です。
タイピングとは別にWordによる文書作成問題があるので、どちらかというとビジネス文書を作成するスキル全般を証明する資格となっています。
(ただし、Wordは職場によっては全然使わないので、勉強が無駄になる可能性はあります)
級が上がると、ミスペナルティが厳しくなっていきます。また、漢字含有率が増えていくので、同じ文字数でも徐々に難易度が上昇しています。ここらへんの難易度調整は実用的ですね。
級 | 合格ライン | 1ミス | 漢字含有率 |
初段 | 800文字 | 5文字減 | 35~40% |
1級 | 700文字 | 5文字減 | 25~35% |
準1級 | 600文字 | 5文字減 | 25~35% |
2級 | 500文字 | 3文字減 | 25~30% |
準2級 | 400文字 | 3文字減 | 25~30% |
3級 | 300文字 | 1文字減 | 23~26% |
4級 | 200文字 | 1文字減 | 23~26% |
↓こちらは1級の過去問を入力した動画。10分1934文字ペース。
↓こちらが初段の過去問を入力した動画。10分1383文字ペース。体感ではそんなに違いを感じませんが、漢字含有率が高いからか、1級よりも入力文字数が少なくなりました。
注意点としては、タイピングとは別に、Wordについてそこそこ勉強が必要なことと、仕事で実際にWordを使うことがないかもしれないので、タイピングだけ練習・スキルを証明したいなら他の資格を選んでください。
ビジネス文書実務検定試験(旧ワープロ実務検定)
- 全国商業高等学校協会(全商)
- 民間資格
- 受験料 ビジネス文書部門700~1,200円、速度部門800円
- 実用度 ★★★(高校生向け)
商業高校ではおなじみ、いわゆる全商(全国商業高等学校協会)の資格で、学校で受けるタイピングの資格として有名です。
昔は「ワープロ実務検定」という名前でしたが、平成25年に現在の「ビジネス文書実務検定」に変わりました。
なので、高校生の間では「ワープロ検定」と呼ぶことが通例になっていることがありますが、「日本語ワープロ検定(日本情報処理検定協会)」とは別です。
わざわざ社会人が自分から受験することは無いと思いますが、高校生が受験するにはちょうど良い内容だと思います。
高校でみんなが受ける検定としても、よく見かけます。
※「ビジネス文書部門」と「速度部門」の2つがありますが、この記事ではタイピングについてなので、速度部門について書いていきます。
速度部門では、以下のように合格ライン+10文字の文章が出題されます。
級 | 出題文字数 | 合格ライン |
1級 | 710文字 | 700文字 |
2級 | 460文字 | 450文字 |
3級 | 310文字 | 300文字 |
4級 | 210文字 | 200文字 |
つまり、どんなにタイピングが速くても、「ミスしても余分に入力すればいいや」という方法が使えず、必ず見直しをする必要があるので、それなりに実用的な試験内容となっています。
過去問が公開されているので、受験する人はどんな問題が出題されるのか確認してみてください。
基本的には漢字変換込みの和文なら練習方法は何でも良いので、他の試験の過去問でも練習材料はいくらでもあります。
毎日パソコン入力コンクール(毎パソ)
- 一般社団法人 日本パソコン能力検定委員会
- 民間資格
- 受験料は科目や、個人か団体かによって変わる
- 実用度 ★★
毎日パソコン入力コンクール。通称「毎パソ」と呼ばれるちょっと特殊なタイピング民間資格。
というか、「全国最大規模のタイピング大会」と公式が銘打っているので、履歴書に書くための資格としてはちょっと特殊な部類だと思います。
事前に問題を暗記するまで練習できるため、トップレベルになると長い文節でも一気に変換するようになったりします。
高い段位を取ろうとしたら問題文を記憶することになるので、実生活でのタイピングとはかけ離れてしまうのがちょっと残念。
仕事で実用的なタイピングスキルが欲しい人にとっては、毎パソは同じ問題ばかり繰り返すことになるので、あまりおすすめできません。
そもそも、資格ではなく、学生の大会として位置づけられている面が大きいですね。
毎パソの難易度
毎パソはミスペナルティが非常に厳しめです。
例えば一般和文Bでは9文字ミスすると足切りされて級認定さえされません。
ミスに厳しいだけじゃなく、ミスが少ないと逆にボーナス(特別点)がもらえるので、正確性を非常に重視している大会です。
- 0ミス・・・正解数の20%加点
- 1ミス・・・15%
- 2ミス・・・10%
- 3ミス・・・5%
例えばビジネスキーボードSに相当する5分で450文字をノーミスで打った場合、90文字(20%)も加算されることになります。
1ミス違うだけで数十点変わってくるので、より正確性を意識する必要があります。
級位認定証
毎パソの結果は、級位認定証が授与されるようです。履歴書に書く場合の記入例についても記載があります。
◆認定証の活用
自己推薦、内申書や履歴書などに級位を書くこともできます。【記入例】
文部科学省後援大会 毎日パソコン入力コンクール 第4部 英文B 5級
文部科学省後援大会 毎日パソコン入力コンクール 第6部 和文B 高校生 3級【記入例】
・和文を1分間に40.2文字入力でき、正解率は100%です。
・毎日パソコン入力コンクール 和文中学生部門にて、3級(手書き文字と同等速度の「実用レベル」)の認定を受けました。
資格として効果があるかどうかはともかく、和文の入力速度と正確性を証明できたら、面接相手にも伝わりやすいと思います。
毎パソのランキングは実名が掲載されるので注意
これも特殊な注意点なんですが、毎パソはインターネット受験でも上位入賞者は公式サイトに名前が公表されてしまうので、都合が悪い人は気をつけないといけません。
特に一般の部は参加者が少なく、あまりスコアが高くなくてもランキングに掲載されてしまうので注意が必要です。
毎パソ受験の流れ
個人参加と団体参加で流れが違うので公式ページを確認してください。
特に個人参加は特徴的で、自分の都合の良い日に毎パソ練習ソフトを使って、自宅で試験を受けるようになっています。
キータッチ2000
- 日本商工会議所
- 公的資格
- 受験料 1,570円
- 実用度 ★★
10分間で最大2000打の問題を入力していき、打ち切ったら「ゴールドホルダー認定書」という賞状がもらえます。
↓自分がもらったゴールドホルダー認定書。作りはちゃんとした賞状です。
↓キータッチ2000の動画。
動画を見たらわかりますが、日本語の文章入力ではありません。
- ランダムなアルファベット
- 英単語
- 数字記号
このような文字列を高速で入力できても活用する場面が少ないし、漢字変換もしないので、実用的ではありません。
2000文字を打ち切ってゴールドホルダーを取得しても、スピードは200打/分で、特別速いわけでもなく、他の資格より難易度が低いので、アピール材料としても弱い印象です。
練習した内容が無駄になる部分が多いので、スキルアップを目指す社会人にはおすすめしません。
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商工会議所の資格なので受験の流れはビジネスキーボードと同じで、最寄りの試験会場に電話して日程を決めます。
公式:商工会議所ネット試験施行機関 | 商工会議所の検定試験
イータイピングマスター(タイピング技能検定)
- イータイピング株式会社
- 民間資格
- 受験料2,750~5,500円
- 実用度 ★
タイピング練習サイトとしては知名度が抜群なイータイピングが主催している検定試験ですが、実用性が低いので資格としてはおすすめしません。
明らかに実用性が低い点として、「漢字変換が無い」「初速の反射神経が必要」という2点があります。
↓こちらはイータイピングマスターの模擬試験をしている動画なんですが、
漢字変換しないので実際の文章入力とは指の動きが違い、また、単語・短文・長文の3種目の中で、特に「単語」で初速の反射神経が要求されます。
でも、実際に仕事でタイピングする時は初速が速くても意味がなく、どちらかというと長文の先読みや、漢字変換の慣れが重要です。
ということで、イータイピングマスターは練習した内容が実務に反映されにくいので、おすすめしません。
ちなみに模擬試験は好きなだけできるので、自分が何級に相当するのか腕試しして競ってみるのは楽しいと思いますよ。
まとめ
ということで、タイピングの資格を取るなら、ビジネスキーボードをやっておけば十分です。
もともとタイピングの資格そのものが就職に有利になるほどでは無いし、練習する過程で実用的なスキルが身につく点ではビジネスキーボードが最もバランスが良いのでおすすめ、ということになります。
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