この記事は2015年1月31日に投稿しましたが、実は買ったのはスムースエイド(RO-59tmKT)ではなく、「RO-59tm4XO」ということに、2020年6月25日に気付きました。
メーカーに問い合わせたところ、一昼夜の自然乾燥をすれば4XOで代用可能らしいです。
どのみち、現在ではRO-59tmKTは販売終了しているので、スムースエイドみたいな用途としては4XOを利用することになります。
この記事では、スムースエイドの代用品として4XOを使う場合の、価格、保存期間、小分けボトル、通販ページなどについて情報をまとめています。
スムースエイドとは
「スムースエイド」はキーボードの潤滑剤として定番だった製品ですが、名前がいつから使われているのかハッキリわかりません。
いくつかの記事を見る限り、秋葉原のネオテックというお店が付けた名前?のようです。
参考:Let’s play with the Space Saver II Keyboards
参考:[メンテナンス]ALPS軸のスムースエイド(RO-59tmKT)塗布 – かもめ~る通信
参考:省スペースなキーボードの話をしようと思ったら、 掲載ページは省スペースにはならなかったでござる(後編) – café SANDI
参考:Happy Hacking Keyboard 改造 HHK 改造 キーボード タッチ キーボード潤滑剤 スムーズ
でも、実はスムースエイドの中身はRO-59tmKTというキーボード用の潤滑剤で、製造元のタフ・インターナショナルでは、RO-59というシリーズの潤滑剤として販売されていました。
RO-59tmKT
パソコンのキーボード用潤滑剤として開発されたグレードです。プラスチックの表面に潤滑皮膜を形成し、スムーズなキーストロークと耐久性を提供します。その他プラスチックのスライド部分に大変効果的です。
ネオテックはこのRO-59tmKTを「スムースエイド」として18ccの小ビンで販売していたようです。
ただ、スムースエイドが欲しくても、ネオテックは閉店したし、製造元もRO-59tmKTは販売終了して、入手できなくなりました。
そのため、一部で「スムースエイド難民」が発生したようです。
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で、ここから本題ですが、このRO-59tmKTの代用品としてRO-59tm4XOが使えるかもよ、という話です。
タフ・インターナショナルにもいろいろ問い合わせで質問しました。
スムースエイドの代用品としてRO-59tm4XO
スムースエイドに相当するRO-59tmKTは販売終了していて買えません。
なので、代用できるものを問い合わせしたら、RO-59tm4XO で代用可能とのこと。
●キーボードの潤滑として
KTの代用品としては同じ効果が期待できるのは4XOになります。
4XOは通常90℃で30分の加熱乾燥が必要ですが、できない場合は一昼夜の自然乾燥で代用可能です。
以前に問い合わせしている方もいました。
追加
これは私が追加で質問したドライヤーの効果について pic.twitter.com/jFQYJ64hBc— Dön(ドン) alpsキースイッチ潜入捜査中 (@keyboardlove_) June 25, 2020
↓もともと乾燥の仕様は以下のようになっていて、
- RO-59tmKT……約65℃で約3分または一昼夜自然乾燥
- RO-59tm4XO……約90℃で約30分
RO-59tm4XOは本来加熱乾燥が必要とのことだけど、引用ツイートのとおり、「どうしても加熱乾燥ができない場合は丸一日自然乾燥でも代用できる」という感じなので、定着性が落ちる可能性はあるけど使用は可能なんでしょう。
また、RO-59tm4XOの仕様が「約90℃・30分」なので、ドライヤーの熱風を当てることは定着性に有効のようです。
ただ、回答にもあるとおり、厳密に確認したものではないので、あくまで “期待できる” という予想になっています。
どのみちRO-59tmKTはもう手に入らないので、スムースエイド難民の人はRO-59tm4XOを試してみるのも選択肢としてありだと思います。
一応、公式サイトの説明は以下のとおり。
一般的な用途は、金属・プラスチック・ゴム等、対象物の潤滑性・耐摩耗性を必要とする部分に使用します。特に4XOは潤滑性と定着性に優れており、PPTXは仕上げ(化粧性)と防錆に優れています。
RO-59tm4XO
実は代用とか関係なく、RO-59tmKTを買っていたつもりが、間違えてRO-59tm4XOを以前に買っていたので、手元にRO-59tm4XOがあります。
で、この記事を更新するついでにいろいろ問い合わせしたので、保存期間や注意点などをまとめておきます。
容器
容器は霧吹きです。
容量は260mlなのでペットボトルのほぼ半分ですね。それにしてもキーボードに使うにしてはとてつもなく多いです。
↓霧吹きの吹き出し口。
↓ラベル。
霧吹きは目詰まりするし、あとで説明する白い沈殿物が見にくいので、買ったらすぐに小分けボトルに移し替えることをおすすめします。
小分けボトル
キーボードの潤滑に使う場合、霧吹きよりも滴下するボトルのほうが使いやすいでしょう。
ボトルの材質、たとえばPE(ポリエチレン)やPP(ポリプロピレン)によって成分に影響があるか問い合わせしましたが、とくにないとのこと。
それよりも、長期間放置すると白い沈殿によって成分が分離するので、なるべく早いタイミングで小分けしたほうがいいと思います。
↓例として無印良品の小分けボトル100ml。
(JANコード:4548718994366)
保存期間・白い沈殿物
保存期間がどれだけ長いのか気になったので問い合わせたところ、以下の回答をもらいました。
保存期間は基本的に12ヶ月~15ヶ月になります。ただし実際はそれ以上経年劣化することなく使用可能です。
白い沈殿物はRO-59に溶け込んでいたフッ素が分離したものです。
長期間放置しているとフッ素が分離して下に溜まってしまい、性能が落ちてしまいますので、長期間保管する場合は定期的に容器を振って混ぜて下さい。
そういえば自分の RO-59tm4XO も白い沈殿物がありました。この沈殿がフッ素の分離したもののようです。
で、小分けボトル2本とも沈殿していたうち、1本をシャカシャカ振って混ぜたところ沈殿は無くなり、翌日になっても沈殿は発生していませんでした。
これが性能が戻ったことになるのかわかりませんが、とりあえずこれから買う人は、白い沈殿が発生しないように定期的に振って混ぜることを意識したほうがいいでしょう。
ちなみにこの沈殿物は固形ではなく、液体の層が上下に分かれている感じです。水と油というほどではなく、田んぼの泥が底に溜まっている感じ。
RO-59シリーズの価格
容量あたりの価格は割安ですが、260mlはキーボード潤滑剤としては非常に量が多く、送料などもかかるので、1注文あたりの価格は高めです。
- 本体価格が260mlで3,850円
- 代引き手数料550円
- 送料660円
合計で5,060円になります。
自作キーボード界隈の代表的な潤滑剤、Krytoxが5mlで1,500円ということを考えると、RO-59シリーズは容量あたりが激安ですが、そもそも260mlもキーボードの潤滑では使い切れないでしょう。
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ちなみに、RO-59シリーズは1ガロン売りの業者が購入する場合は濃縮液ですが、260mlのRO-59少量販売では、希釈済みでそのまま使える状態で販売されています。
本製品は希釈済みのRO-59を260ml入りのボトルにて販売しております。ご購入後、そのままご使用いただけます。
販売ページ
公式サイトのお問い合わせ&ご購入の中に「RO-59(260ml入り)ご購入フォーム」があります。
RO-59tmKTはもう選択肢の中に無いので、代用としてなら4XOを選びます。
まとめ
RO-59tmKTが買えなくなったのは残念。
“キーボード用潤滑剤として開発されたグレードです。” と記載されるほどなので、KTのほうが安心感があるんですけどね。
あと、キーボード以外でプラスチックの潤滑として使う場合も、RO-59tmKのほうが便利そうです。
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