YouTubeに投稿しているひとつの動画が500万再生に到達しました。
「なんで500万再生もされたのか分析」とか「再生回数を増やすコツ」とかをまとめていきます。
ちなみにYouTubeでみんなが知りたい広告収益に関しては、ある程度ありますが、もともと収益目的で投稿していないし、収益率も低めなので、「お金目的だと割に合わないよ」というスタンスです。
もくじ
500万回再生された動画
「寿司打」というタイピングゲームの動画です。ユーチューバーもよく遊んでますね。
おそらくタイピングゲームの中でもっともYouTubeに投稿されているんじゃないでしょうか。
え?なんでこの動画が?と思うようなクオリティだと思いますが、実はクオリティはあんまり関係ありません。
見る人にとって必要なクオリティがあれば十分です。
それよりも、誰にとって、何のための動画なのかが大事。
再生された理由は分析によって分かっていることも多いので、逆に、趣味の動画を投稿している人にとっては参考になる部分が多いかもしれません。
- 2014年6月に投稿(約3年半で100万再生)
- YouTube検索「寿司打」で2位
- Google検索「寿司打」で1ページ目、動画の中で1~3位
- 関連動画からのアクセスがほとんど
- トップページのおすすめに掲載されることがある
- SNS流入はほとんどない
- 「急上昇」に掲載されたことはない
その後少し変化があったので追記。
- 1年前くらいからYouTube検索が微増し続けている
- YouTube検索「寿司打」で1位
- Google検索「寿司打」で1ページ目、動画の中で1位
- Google検索はアクセス数に変化なし
- Google検索の表示がタイル状に変わった
- 2018年7月あたりから関連動画のアクセスがかなり減ったので、全体のアクセス数が減った
- たまにトップページのおすすめに表示されてアクセス爆発することはある
おそらく「急上昇」以外の掲載はすべて経験しているので、アクセスが増えるヒントにはなるんじゃないかと思います。
上の内容から、今回は以下のことについて分析していきます。
- 検索系
- YouTube検索
- Google検索
- リコメンド系
- 関連動画
- トップページ
趣味の動画だったら、最初のうちは検索系が上位にヒットしやすく、評価が高まるとリコメンド系に表示されるようになり、安定したアクセスが増えます。
※TwitterなどのSNSは自分がそんなに強くないので検証できませんが、今回は必要ありません。
ちなみに、アクセス解析の「YouTubeアナリティクス」と、「YouTubeクリエイターアカデミー」を多用するので、自分の動画と照らし合わせながら役立ててみてください。
注意点としては、「◯◯すれば再生回数が伸びる」という簡単なものではなく、試行錯誤が必要なので、気合いを入れて動画投稿する人には向いてますが、簡単に再生回数を増やしたいという人には向いていません。
また、この記事を書いたあとも突然アクセス元が変化することがあったので、「書いてあることが正解というわけではない」ということは重々承知しておいてください。
YouTubeの再生回数を増やす要素
YouTubeが再生されるきっかけについて、もう1回載せておきます。
- 検索系
- YouTube検索
- Google検索
- リコメンド系
- 関連動画
- トップページ
それぞれ、チャンネルや動画の成長度合いによって有効な方法が違うので、自分のチャンネルの規模も照らし合わせて読んでみると、動画づくりの参考にできると思います。
YouTube内検索
YouTube内の検索は、チャンネル規模が小さくても上位表示させやすいというメリットがある反面、上位になっても爆発力が(リコメンド機能ほどは)大きくないというデメリットもあります。
なぜ弱小チャンネルでも上位表示しやすいかというと、YouTube内検索は、キーワードとの関連性が重視されるためです。
Google の検索エンジンと同様に、YouTube の検索は、キーワード クエリへの関連性が最も高い結果を表示します。動画のランクは、タイトル、説明、動画コンテンツが視聴者のクエリにどれだけ一致するかなど、さまざまな要因に基づいて決まります。
YouTube検索「寿司打」の結果は、投稿2ヶ月目くらいですでに上位になっていて、初期としては嬉しいと思うくらいには再生されましたが、その後、検索からの流入は3年間ぐらい横ばいで、あとから伸びてきたリコメンド機能が爆発すると10倍以上の差がありました。
なので、YouTube内検索はベースのアクセス数として重要だけど、ある程度意識できていれば十分。
それよりもリコメンドに掲載されるための動画づくりを意識したほうがいい、ということになります。
さて、YouTube内検索についての重要性を踏まえた上で、どのようにキーワードを意識するのか、とても基本的なことを書いていきます。
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どのくらいYouTube内検索からアクセスされるのかは、
- そのキーワードで検索する人たちがどれくらいいるのか
- 他チャンネルがどれだけ強いのか
- 自分の動画がどのタイプに属するのか
などに影響を受けるため、事前に検索してみて、検索結果をチェックすれば、なんとなく予想することができます。
クリエイターアカデミーのコンテンツ戦略を評価する – YouTubeによると、動画には「娯楽・教養・刺激」の3つのタイプがあり、寿司打はタイピングの練習として見れば教養、タイピングゲームとしてみれば娯楽、に属することになり、「寿司打」という検索キーワードには両方の可能性が含まれます。
タイトル・説明文をしっかり書く
YouTubeで検索されることを考慮すると、動画タイトルと説明文は重要です。(特にタイトルはダイレクトに影響します)
たまに「2018 01 01 23 59 30」 みたいな、あまりにももったいないタイトルがあるので、せめて「内容がわかるタイトル」「その動画を見る人が使うキーワード」を含めると改善されます。
↓以下、クリエイターアカデミーの参考になるページ。かなり具体的に書いてくれているので、今までタイトルと説明文が面倒だと思っていた人は必読です。
- 動画のタイトル、タグ、説明はコンテンツを正確に表しているか
- 動画のタイトルの先頭に最も重要なキーワードがあるか
- 動画との関連性が高い順にタグを並べているか
- 検索されやすく、わかりやすい説明を動画に付けているか
↓検索されやすい説明文について。
- キーワードを並べるだけではなく、自然な表現で動画の概要を伝えましょう。
- 特に重要なキーワードは、説明の最初の部分に入れましょう。
- 動画を説明する中心的なキーワードを 1~2 語決めて、説明とタイトルの両方で目立つように使いましょう。
- Google トレンドや AdWords キーワード プランナーを使用して、人気のキーワードやその類義語を探しましょう。自分の動画ができるだけ多くの検索結果に表示されるように、これらのキーワードを説明に含めましょう。
- 動画と関係のないキーワードは使用しないでください。視聴者の期待を裏切るだけでなく、Google のポリシーに違反することにもなりかねません。
特にタイトルは検索のアルゴリズムに利用されるだけでなく、検索結果・関連動画などの表示で、クリック率(タップ率)にも影響してくるので、説明文よりもタイトルが重要になります。
- タイトルは簡潔(60 文字以内)にし、最も重要な情報を先頭に置きましょう。
- エピソード番号やブランド名は最後のほうに入れましょう。
- 関連動画、検索結果、モバイルに表示されるときにタイトルが途中で切れてしまわないか確認しましょう。
まとめると、無名なときこそ検索されることを意識して、初期のアクセスを積み重ね、関連動画に掲載されるための評価を高める、というのがひとつの流れになります。
Google検索
Googleの検索結果にも動画が表示されることがあるので、動画の内容によってはこっちのほうがアクセスが多いかもしれません。
※2018年10月追記
いつ切り替わったのかわかりませんが、Google検索での動画表示方法が変わっていました。
タイル状になっているので、少しYouTubeの見た目に近くなりました。
そして、この動画タイルの中に、ニコニコ動画などの他の動画サイトも一緒に表示されます。
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いろんなパターンがあるので確証は持てませんが、YouTube検索で上位の動画は、Google検索にもヒットします。
Google検索1ページ目に表示されるとは限りませんが、YouTube動画はそこそこ上位にヒットしやすく、競合サイトが強くても、「動画」というだけで有利なポジションを得やすいといえます。
これは検索キーワードに対して、「動画を見たい」という需要が大きいワードほどその傾向が強い?と思われます。
寿司打は「速い人を見たい」という人もいそうなので、その可能性はありそうですね。
Google検索で「~する方法」的な検索をしていて、動画が役に立つなら有効なアクセスが増えるかもしれません。
関連動画
さて、ここから紹介していくリコメンド機能「関連動画」「トップページのおすすめ」は、掲載されるようになると、YouTube検索とは比べ物にならない再生回数になります。
寿司打が100万再生された時点でアクセス解析を見た限りでは、リコメンド機能が約91%(関連動画62%・トップページおすすめ29%)とほとんどを占め、検索系は約7%(YouTube検索4%・Googleなどの検索エンジン3%)しかありませんでした。
リコメンド機能は、検索系の存在が薄れるほどの爆発力があります。
ただし、リコメンド機能に掲載されるためには、動画の評価が高くなければいけないので、検索系ほど簡単ではありません。
そして、狙ってできるほどのノウハウは持っていないので、リコメンド機能に掲載されるとこうなる、という一例としてどうぞ。
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関連動画は、PCだと画面右側、スマホだと画面下に表示される部分です。関連性の高い動画や、視聴履歴から判断されたおすすめの動画が表示されます。
関連動画に表示される動画が、視聴中の動画とは関連性が低い動画ばかり並ぶようになりました。(ブラウザのシークレットモードでも確認済み)
アクセス解析を見ると2018年7月から関連動画のアクセスが減っていたので、調べたり聞いたりしたところ、YouTubeのアルゴリズムが変更された可能性が高そうでした。
確かに「話題の動画」や「視聴履歴からのおすすめ」を表示すればクリック数は増えるでしょうけど、それらはトップページを見れば事足りる情報なのに、関連動画を見れる場所がなくなってしまったので、情報収集の手段としては非常に不便になってしまいました。
Twitterを検索しても、関連性について不満を持っている人が一定数いるようなので、元に戻るといいんですけどね。
Twitter検索「YouTube 関連動画 “関係ない” OR “関係無い”」
※使いにくいと感じることがあったら、YouTubeの「フィードバック」を送りましょう。
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※以下に書いてあるのは、関連性が高い動画が表示されるアルゴリズムだった時の内容です。
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寿司打の場合は投稿してから1年半後くらいから、他動画の関連動画に表示され始め、流入が多くなり、安定しました。
ただし、再生数の多い動画の関連動画として表示されないと増えないので、他力本願なところが弱点ともいえます。
つまり、ジャンル全体の視聴者が少ないと、関連動画からのアクセスも増えません。
関連動画からのアクセスを期待するなら、あらかじめ関連性の高そうな人気の動画があるかチェックするのも大事になってきます。
寿司打の場合はフリーゲームとしてそこそこ人気があったのに加えて、有名ユーチューバーがたまに動画ネタとしてプレイするので、関連動画に関しては割と条件が良いほうでした。
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ちなみにクリエイターアカデミーには、どのようなアルゴリズムで視聴者に最適な動画を選んでいるのか記載されています。
- 視聴者がどのような動画を見ているか
- 視聴者がどのような動画を見ていないか
- 視聴者がどれくらいの時間見ているか
- 動画への高評価、低評価
- [興味なし] のフィードバック
このうち、どのような動画を見ているのかは視聴者の好みなのでどうすることもできませんが、「視聴時間」と「評価」は、動画の内容によって高めることができる部分です。
ほかの良質な動画があったら関連動画枠を奪われる可能性があるかもしれませんが、そもそも関連動画に表示されるためのハードルがそこそこ高いので、いったん掲載されるとなかなか落ちなくなります。(ただし全体のアルゴリズムの影響は受けます)
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これらのことを踏まえると、投稿直後からたくさん再生と評価をしてもらえるような、有名チャンネルだと関連動画に表示されるまでの期間が短く、むちゃくちゃ有利ってことがわかりますね。
寿司打の動画が伸びたのは結果的にすごく見えるかもしれませんが、関連動画に表示されるまでの1年半は合計で4.5万再生(1ヶ月あたり2,500回)で、しかも伸びるかどうかもわからずやっているので、確実性(再現性)は低いです。
もっと再現性を高めるなら、リサーチの精度を上げて、動画をどのように作るのかよく考える必要があるでしょう。
再生時間や評価が指標になるとはいえ、具体的な基準がわからない状態でやるのはなかなかしんどいと思います。
「あなたへのおすすめ」に掲載
関連動画よりもさらに爆発力が高い、各ユーザーのトップページにある「あなたへのおすすめ」への掲載についてです。
↓この枠で囲んだ部分のように、「あなたへのおすすめ」に動画が掲載されることがあります。
↓クリエイターアカデミーから引用。どのような基準で動画が掲載されるのか書かれています。
視聴者がホーム画面にアクセスすると、その視聴者が登録しているチャンネルの動画や、趣向が似ている他の視聴者が見た動画などが表示されます。動画の選択には、次のようなデータが考慮されます。
- パフォーマンス — 嗜好が似ている他の視聴者による動画へのエンゲージメント度と満足度。
- 視聴者の再生と検索の履歴 — 視聴者がチャンネルやトピックをどのくらい頻繁に再生しているか、またそれぞれの動画を視聴者に何回表示しているか。
トップページ(ホーム画面)に掲載される基準は、動画に対する「エンゲージメント度と満足度」という、ふんわりした表現になっているのでわかりにいですね。
満足度に関わってくる指標を考えてみると、視聴時間・視聴者維持率・評価・コメント数・シェア数・再生リストへの追加数、、、というか、ユーザーが起こす行動全部が満足度に関わってくるので断定できません。
ホーム画面と関連動画の再生回数
あくまで自分の場合ですが、掲載された場合の爆発力はホーム画面のほうが圧倒的です。
関連動画は1日約6,000回がピーク。
それに対してホーム画面は1日35,000回がピークでした。
ただし掲載されないとゼロなので、再生回数がとても極端で、突然100回以下に落ちるなんてこともあります。
ホーム画面のデメリット
ホーム画面掲載の致命的な弱点として、「ホーム画面から再生された」ということしか分からないため、動画を改善するヒントが得られません。
※アナリティクスでは「トラフィックソース」→「ブラウジング機能」→「トップページ」という部分がホーム画面に該当します。
それと比べたら、関連動画は「どの動画から来たのか」、YouTube検索は「どんなキーワードで検索したのか」わかるので、ユーザーを想像しながら改善していくことができます。
なので、ホーム画面への掲載はボーナスと思って、あまり最初から当てにしないほうがいいと思います。
まとめ
「関連動画」と「ホーム画面への掲載」の説明を読むと分かるとおり、基本的に動画の満足度が高くならないと伸びません。
そのため、安定して再生してもらうために必要なのは、
- 満足度の高い動画
- 初期の、ある程度の再生時間
ってことが分かってきましたね。
初期の再生時間のためには、YouTube検索・Google検索・SNSでの拡散など、いろいろな方法でまずは見てもらって、そのときに動画を最後まで見たか、高評価したか、再生時間がどのくらい長いかなど、視聴者の反応によって決まるといった感じ。
YouTubeの広告収益
みんな気になる、YouTubeの広告から得られる広告収益。
規約があるので具体的に書けませんけど、よくあるじゃないですか、
「YouTubeの収益は◯再生◯.◯円」
みたいなの。自分の場合はあれより低いです。
見聞きする範囲だと、1再生0.05円~0.3円くらいの開きがありますね。%で表すと5%~30%。1再生0.1円という目安はあまり参考になりません。
そして狙ってできるわけじゃないし、どんな動画を作るのかとか、YouTube内をいろいろリサーチしたりして、約300個も動画を投稿して、そのうちのひとつだけがバズっているような状況です。
お金目的で割に合うわけがない。
と思っておいたほうが精神衛生上、いいと思います。よく再生されるようになったらラッキー、程度で。
収益化の新基準について書いた記事にもあるように、チャンネル登録者1,000人のハードルが高いですしね。
よっぽどYouTubeと相性のいいスキルやキャラクターなどを持っていなければ、別の方法でお金を稼いだほうがいいと思います。
動画投稿を継続するための考え方
動画を投稿するモチベーションとしては、収益第一よりも、誰かの役に立つとか、それが単純に好きで苦にならないとか、お金以外のことを軸にしたほうが長続きします。
というか、お金の優先順位が高いのは危険信号です。
収益だけが目的でYouTubeを始めると、弱小チャンネルのうちはとにかく全然再生されないので、収益ない状態のまま試行錯誤を続けるのは、相当しんどいと思います。
自分なんか初期のころに50個くらい動画を投稿してましたけど、5年間は再生回数が多いときでも1ヶ月1万回とかでしたからね。お金目的だと続くわけがない。
その点、寿司打の動画は見た人が「タイピング練習してみよう」と思ってくれたりするので、練習に関する質問がコメントに来るだけでモチベーションが上がる、プライスレスな価値があります。
そういうお金以外の楽しみがあれば、収益がなくてもストレスになりません。
動画を見てもらうためにやったこと
ここからは動画を再生してもらうために、どんなことをやってきたのか、どんな考えで取り組んできたのかなど、細かい考察を書いていきます。
めちゃくちゃ細かいので、動画を改善しようと思ったときに、照らし合わせながら読んでみてください。
自分のことを把握する
自分ができること・できないこと、得意なこと・苦手なこと、好きなこと・嫌いなこと、ほかに、人員、予算、知識、時間など、自分が持っているリソースを正しく把握します。
苦手だからダメというわけじゃなく、たとえば絵が壊滅的に下手だったら画伯キャラでいける場合もあります。
顔出し・声出しできなくても、自分が投稿しようとしているジャンルで、顔出し・声出ししなくても人気のチャンネルがあるかどうか探してみます。
もし人気チャンネルがあるなら、そのジャンルでは顔出し声出しは必須ではないことがわかります。
また、よくある勘違いとしては、「自分なんて大したことできない」と思っていても、そもそもYouTubeで需要がある・需要がないことに関して知らないだけなので、調べたり動画投稿してみないとわかりません。
自分の特徴を良いか悪いかで分類しても意味はなく、何の変哲もないことでも需要があるかもしれません。
↓クリエイターアカデミーにも、リソースのことについて書かれています。
YouTube での取り組みレベルを決めるときに重要なのは、成果を上げることができるコンテンツの掲載先を作成するために必要なリソース(人、アイデア、予算など)を正しく評価することです。必ずしも会社のすべてのチャンネルを使わなくても、YouTube での目標を達成することはできます。
他の動画を分析する
自分が投稿しようと思っている動画に関連するキーワードで検索してみて、動画の内容・タイトル・説明文・評価の割合・コメントを見ます。
そして、関連動画から次々と別の動画を見てみます。
しっかり見ると、自分が投稿しようとしているジャンルについて、どういう動画を投稿すればどんな結果になるのか、おぼろげに想像できてきます。
そのカテゴリで特に大きな影響力を持っているクリエイターを見極め、その人たちのコンテンツが視聴者にどのような価値をもたらしているかを分析する
トップクラスのチャンネルで効果を上げている方法を自分なりに評価し、その情報を自分がコンテンツを作るときの大きなテーマやベスト プラクティスとして役立てましょう。ただし、利用できるリソースは各チャンネルの事情によって異なります。評価と実践においては、現実的な視点も忘れないようにしてください。
また、全く再生されていない動画や、低評価が多い動画の理由を考えてみます。
特に、半分以上低評価が入ってしまう動画は、不快に感じる部分があることが多いので、動画の内容やコメントの内容をチェックしてみます。
ほかにも、そのジャンルの視聴者のボリュームが多い場合は、関連動画に表示されるようになると再生回数が増えやすいことも予想できます(表示されるハードルが高くなるかもしれないけど)
関連動画から次々と動画を見るときは、Ctrl+Shift+Nのシークレットモードを使いましょう。
YouTubeにログインしている状態だと、関連動画が視聴履歴の影響を受けてしまいます。
※このとき、リサーチしたジャンルがあまり再生数を見込めないと思っても、情熱を持っていることは価値があるので、やりがいを感じられるならやってみてもいいと思います。
駆け出しの YouTube クリエイターの多くは、成功とは自分の動画をできるだけ多くの視聴者にアピールすることだと考えがちです。しかし、規模は小さくても活力にあふれたコミュニティをうまく活用して成功を収めてきたクリエイターたちがいるのも事実です。
マニアックであるほどその分野の第一人者になりやすく、再生回数が多くなくても、YouTube以外のメディアから声がかかることもあるかもしれません。(マツコの知らない世界とか)
また、後述する「関連性の高いテーマと掛け合わせる」のがうまくいけば、良い方法が見つかる可能性もあります。
これは「見せ方」によって全く変わってきます。
ターゲットを明確にする
リサーチした結果を元に、誰が何のために視聴するのか明確にして、どのような動画にするのか考えます。
コンテンツを作成するときには特定のグループやユーザー層を念頭に置くようにしましょう。このようなグループは乳幼児の親など大きなグループの場合もあれば、ディズニー グッズのコレクターなど小さな分野に特化したグループの場合もあります。どちらの場合でも目的のユーザー層をしっかりと設定できているほうがより多くの支持を集められることがわかっています。熱心なコミュニティとつながりを築いたチャンネルは、短期間で成長することができます。視聴者を理解し、視聴者を引き付けるための特徴を明確にしておいてください。
このとき、足りないモノ(知識・機材など)があって、それが必要不可欠なら新しく習得したり、買ったりします。
※たとえば自分の場合は、タイピングの動画には音質が不可欠なことが分かったので、(ちょっとオーバースペックだったけど)機材について調べて動画のためにビデオカメラとマイクを買いました。(機材については「YouTube撮影でおすすめのビデオカメラと外部マイク」に書きました)
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また、想定どおりのターゲットが視聴しているか、どのような反応をしているかは、動画につくコメントが一番ダイレクトにわかります。
ある程度再生されるようになってコメントが来たら、より分析の精度が上がります。
自分の動画のタイプを把握する
視聴者は大まかに「娯楽・教養・刺激」を求めてYouTubeにアクセスします。
寿司打はゲームという娯楽要素と、タイピングの練習という教養要素が含まれます。刺激要素はほとんどありません。(※「刺激」要素は、タレント性のあるYouTuberの動画みたいなやつです)
通常ユーザーは、娯楽、教養、刺激を求めて YouTube にアクセスします。コンテンツが視聴者の目的に合致していると、視聴者を強く惹きつけることができます。
どのスタイルを選ぶのかは、どのような活動をしていきたいかによっても違ってきます。
たとえば刺激型はいわゆる「顔出しユーチューバー」を思い浮かべてください。
動画の主役はその人自身(キャラクター)、そして話題性のある企画などです。
刺激型は、なんとなく勢いのある人が向いてそうですが、実は更新し続けないと再生数がガタ落ちするので、マメな人じゃないと向いていません。
ある日突然、飽きてやめたら、そこまで育ててきたものが無駄になります。
しかも刺激型の動画は視聴者の興味も移り変わりが早く、継続する難易度がめちゃくちゃ高いです。(そのぶん、人気が出たときの爆発力はすごいことになります)
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逆に、動画の主役が人物ではなくコンテンツで、検索で問題を解決するような動画なら教養型になります。(「~する方法」みたいな)
たぶん無名な一般人が教養型の動画を投稿したら、最初は検索からしか再生されないので全然再生数は伸びません。
というか、あまりに再生されなくてモチベーションがなくなります。
その代わり、検索需要があるならアクセスは減りにくいので、放置しても気が楽で、自分のペースで投稿できるメリットがあります。
自分は更新に追われたくなかったので、この教養タイプを基本にスタートしました。実際、2017年は5本しか動画を投稿していません。
(ただしジャンル選びを間違えると一生伸びないかもしれません。再生数が気にならない趣味の動画ならもっとも相性がいいと思いますが、再生数を求める人だとしんどくなるかも)
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いろいろ試してみるのは良いことなので、うまくいった方法を続けて、うまくいかなかった方法はやめて、ほかのことを試すのがいいと思います。
そのときの判断材料はユーザーからの反応です。
相性の良いジャンルと掛け合わせる
たとえば「タイピング」そのもの(上達方法とか)に興味を持っている人は少ないです。
なので、これを関連性の高いテーマと合わせられるか考えます。
寿司打の場合は「タイピング」と、「ゲーム」「音フェチ」「スゴ技」あたりの掛け算。
それぞれのキーワードを使うユーザーごとに、求める動画の内容が変わってきます。
さらに視聴者の人数が多いジャンルと相性が良ければ、再生数を伸ばしやすくなります。
どのテーマに人気があるのかは、メインテーマのキーワードで検索して、人気の動画の共通点を見てみます。
扱っているテーマの将来性を考える
たとえばパズドラやマイクラなど、特定のゲームに特化しているチャンネルだと、そのゲームが下火になったときに軌道修正が大変になります。
チャンネルの専門性が高いほど濃い視聴者が集まりますが、逆にいえば方向転換もしにくくなります。
同ジャンルの視聴者が好きそうな内容に方向転換できるか考えておくといいかもしれません。
たとえば、小カテゴリから大カテゴリへ視点を変えるイメージ。
(パズドラ→スマホゲーム、マイクラ→箱庭系PCゲーム、PUBG→FPSゲームなど)
チャンネル登録者は重視しない
これは前述の娯楽・教養・刺激、どのタイプのチャンネル運営をしているかによって変わってきます。
コンテンツが主役の教養タイプだったら、チャンネル登録者数はそんなに気にしなくてもかまいません。
教養型だとコンテンツの中身を求めて検索や関連動画からアクセスしてくるので、そもそもチャンネル登録されないことが多いです。
逆に娯楽・刺激型だったらチャンネル登録者は非常に重要になるので、次も見たいと思えるような動画を投稿して、チャンネル登録を呼びかけます。
画質より音質にこだわる
YouTubeはスマホやタブレットでの視聴が多いので、画質は1080pでも十分きれいに視聴できます。
ましてや4K環境のユーザーは少ないので、4Kにするより、音質にこだわるほうが大事です。
ただし基本的には、自分の投稿しようとしている動画を見る人たちが求めているかどうかで判断します。
「4Kできれいなほうが良いだろう」という、「自分が良いと思う」自己判断は役に立ちません。
たとえば自分が投稿しようとしているジャンルで、人気の動画をいくつか見て、4K動画についているコメントと、1080pの動画についているコメントを読んでみてください。
そこで4K動画に対して「画質に感動した!」とかコメントがあるならやる意味があるかもしれません。
逆に「4Kで撮ってみたよ!」とアピールしているのに無反応なら、4Kにする意味がありません。
ーーー
クリエイターアカデミーにも書いてあるように、画質よりも音質を意識しましょう。
視聴者は一般的に、カメラや照明のミスよりも音質や録音の悪さを気にします。
また、高音質の機材を買うだけの予算がないなら、せめて音質は最低限、「音が不快」「録音レベルが小さすぎる」「こもって聞こえにくい」ということがないようにします。(低評価の割合やコメントで判断)
自分は「YouTubeに使っているビデオカメラとマイクについての記事」も書いていますが、ちょっと音質を求めすぎて扱いにくい点もあるので、ここでは割愛します。
「不快にならないレベル」でかまわないなら、ビデオカメラの内蔵マイクでもいいかもしれません。
クオリティを最優先にしない
誰が動画を見るのかによって求められるレベルが変わるので、必ずしもクオリティ(画質・音質)が高い必要はありません。
言い換えると、画質や音質がよくても、求められる中身がなければ意味がないということです。
↓たとえばこの動画は画質も音質も悪いし、背景に気を使ってないし、ブレブレだけど、得体の知れない面白さがあって、再生回数も(彼が有名になる前から)多いです。
上級者よりも初心者向けを意識する
世の中には初心者のほうが人数がはるかに多く、悩み・需要も多くなります。
寿司打の動画は初心者から見ると25,000円も23,000円も違いがわからないので、それだったら余力を持ってミスを少なくしたほうが、より「あんなふうになりたい」と思ってもらえます。(そしたらタイピングを練習する動機づけにもなる)
見せる相手によって、見せ方やプレイスタイルも変えると効果的な場合があります。
↓たとえばこれは「五十音をめちゃくちゃゆっくりタイピングするだけ」の動画ですが、関連動画や検索キーワードを見ると、初心者の人が利用していることが分かっています。そして再生時間も10万回を超えているので、それなりに利用されています。
あまりにも昔に投稿した動画なので、画質・音質どちらもクオリティが非常に低いですが、逆にクオリティが必要ないということがわかります。
このように、技術的なことが求められていないなら、見せ方で全てが決まります。
なので、むしろ再生回数を増やしたいなら、テクニック的なものよりも、「誰に見せるのか、見せ方をどうするのか」を突き詰めて考えたほうが良い結果にしやすいといえます。
ーーー
自分が上級者だと、初心者にとって「良い動画」がどんなものなのか、逆にわからなくなるので、そもそも「自分の常識が非常識(少数派)」くらいに思ったほうがいいです。
動画を見てもらうためのチャンネル運営
あとはYouTube基本機能の使いこなしについてです。
特に、動画が数十個くらいに増えたら、初めて見にきた人のために、「再生リストの作成」と「チャンネルレイアウトのカスタマイズ」をしておきましょう。
再生リスト
同じテーマの動画が何個かあるなら、再生リストを作ります。
再生リストとは、動画を集めたものです。誰でも再生リストを作成して共有できます。ジムでのトレーニング動画やお気に入りのサッカー ゴールシーンをまとめたり、料理の動画を親友と共有したりするなど、お好きな方法で再生リストを活用できます。
↓再生リストを作ると、検索結果や関連動画に表示されることもあります。
再生リストとは、動画を順番に再生できるように作成するリストで、SORTEDfood の「Food Gifts」などのようにテーマ別に作成するのが一般的です。再生リストは検索結果や関連動画に表示される場合もあります。
たとえば自分が作ったキーボード打鍵音再生リストは、「タイピング音」でYouTube検索すると、検索結果に表示されることがあります。
また、検索結果や関連動画に表示されるだけでなく、視聴者にとっても興味のある動画を続けて見れるので、喜んでもらいやすく、総再生時間も長くなります。
チャンネルレイアウトのカスタマイズ
意外とやってる人が少ないですが、自分のチャンネルのトップページには、任意の動画や再生リストを配置することができます。
参考:チャンネル レイアウトのカスタマイズ – YouTube ヘルプ
たとえば自分のマイチャンネルトップページがこれ。
再生リストを配置すれば、初めて見にきた視聴者が、興味ある動画を発見しやすくなります。
この「チャンネルレイアウトのカスタマイズ」をしておかないと、新しい順に並ぶだけになってしまい、チャンネルの魅力を伝えきれずに離脱されてしまう可能性があるので、結構重要です。
また、はじめたばかりのチャンネルだと「高く評価した動画」や「登録チャンネル」などの、パーソナリティを知らずに公開してしまっているチャンネルも見かけるので、見せるつもりがない人は設定で非公開にしておきましょう。
↓非表示にする設定方法。公式ヘルプ。
参考:高く評価した動画や保存した再生リストの表示と非表示を切り替える – パソコン – YouTube ヘルプ
固定コメント
コメントの「固定」機能を使うと、任意のコメントを最上部に固定できます。
特定のコメントをコメント欄の一番上に固定して、ファンがコンテンツを視聴するときに最初に表示されるコメントを決めておくことができます。自分自身のコメントとファンのコメントのいずれも固定できます。
この固定コメントに、説明欄に入力しているような内容を書いておくと、説明欄に気づかなかった視聴者にも見てもらえる可能性が上がります。
または動画の内容に誤りがあったときの修正欄として固定する使い方もできますね。
「終了画面」と「カード」
動画の右上や、再生終了前に、他の動画へのリンクや、チャンネル登録を促したりできる機能があります。
申請すれば、自分のブログなど、Webサイトにリンクを貼ることもできます。(ただし独自ドメインのみ。設定はやや難しい。)
参考:動画と関連ウェブサイトをリンクする – YouTube ヘルプ
あまり力を入れていないこと
ここまでは再生数を伸ばすために力を入れたことを書きましたが、逆に、自分の戦略的に、ほとんど力を入れていないこともあるので合わせて紹介します。
ただし、投稿する動画の方向性によって変わることなので、自分でよく考えて、やるかやらないのか見極めましょう。
コメント返信は一部だけ
自分は主に、コメントのやり取りを他の視聴者が見たときに、参考になりそうなものだけ返信しています。
タイピングの動画であれば「どうやったら速くなりますか?」など、同じ悩みを持った視聴者が知りたそうなコメントには、1000文字超えの返信を当たり前のようにしています。
逆に、応援の言葉や動画に対する感想などは、すべてに返信するとコメント欄が長くなるし、動画に対するツッコミで視聴者同士で楽しんだりしているので、返信しなくても問題ない場合がよくあります。
ーーー
それに、もし人気チャンネルになって1日に何十件もコメントされるようになってくると、物理的に返信できなくなります。
また、普段から返信しているとリピーターとの距離が近くなり、新しい動画のたびに挨拶コメントと返信がずらずらと並ぶので、交流としては良いですが、コンテンツの内容が優先される動画だと、重要なコメントが埋もれてしまいます。
今まで何回かそういうチャンネルを見たことがありますが、いよいよ返信できなくなり、「返信する or 返信しない」どちらにするのか選択を迫られたとき、批判と応援、両方にさらされるので、しんどくなる場合もあります。
特に、自分のキャラクターで人気を出していくユーチューバーは気をつけましょう。伸びるときは爆発的に伸びますが、制御できなくなる可能性があります。
とはいえ、炎上しているわけでもなく一過性のものなので、その山を乗り越えたら問題ないですけどね。
少なくとも「コメント返信に時間を取られすぎて動画作成の時間がなくなる」のは本末転倒なので、何が大切なのか、優先順位をよく考えましょう。
サムネイル画像は作っていない
YouTubeのセオリーから言うととんでもないことですが、自分はサムネイル画像をほぼ作っておらず、動画の中からキャプチャしているだけです。
一応、寿司打動画のサムネイルは、
- 寿司打をしていることがわかる
- 手元が映っている
- 全体的な素人臭さ
という条件を満たしているため何の加工もしていませんが、必要であれば高品質なサムネイルがあったほうがいいんでしょうね。
逆に、他のチャンネルのリサーチをした上で「サムネイルに力を入れる必要がない」とわかれば、やらなくてもいいということです。
傾向としては、前述の教養型の動画では検索キーワードや関連動画が重要なので、サムネイルの重要性が低くなり、刺激型の場合はその逆にサムネイルのインパクトがとても大事になります。
「カッコいいサムネイルにしたい」と思っても、無駄になるかもしれないので、自分が投稿している動画がどのタイプなのか把握して決めましょう。
バーチャルユーチューバー(Vtuber)
再生数を伸ばすためにバーチャルユーチューバー(Vtuber)をやれ、って話ではないんですけど、自分が持っている強みと掛け合わせる例として、とても参考になる。
元々はキズナアイからブームが始まり、その後爆発的にVtuberが増えて、さまざまなバリエーションが生まれます。
上位のチャンネルはアイドル路線が多いですが、自分の得意分野と掛け合わせるクリエイターもいます。
Vtuberという媒体を使うことによって見せ方を変えることができるので、今まで知らなかった視聴者層に届けられるというのが画期的なポイント。
歌・イラスト・作曲などの一芸に秀でるコンテンツで認知度が上がれば、オファーをもらって仕事にしていくことも可能だったりしますね。
※Vtuber界隈の雰囲気は、初期の頃とずいぶん変わったので、クリエイター路線はずいぶん弱まりました。
富士葵
歌 × バーチャルユーチューバー。富士葵(ふじあおい)。
バーチャルユーチューバーの中でもトップクラスの歌ウマで、音源やマイクの品質が追いついてないと視聴者からクレームコメントが入るくらいの歌唱力。ライブ音源でも音程が安定しているのは今どき珍しい。
「歌ウマVtuberといえば富士葵」が定着し、モデル更新のクラウドファンディングでは圧倒的な応援を受け、その後、トントン拍子にメジャーデビューまでしてしまった。
もちひよこ
3Dモデリング × バーチャルユーチューバー。もちひよこ。
個人で作っているのにモデルのクオリティがめゃくちゃすごいと、登場したときから評判だった。
さらに事務所のつよつよ機材で全身モーションキャプチャーとか、上記動画のAviUtlによるメイキングを照らし合わせてみるとスゴさがわかりやすい。
それと、YouTubeの戦略としてとても参考になる点がある。
初期の頃は3D素材を使った実験動画や作業動画が中心だったが、3ヶ月目くらいから、ASMR・雑談・お絵かき配信・歌ってみた・凸待ち・ゲーム実況・ホラゲー実況・アイドル的要素など、定番で需要がある内容も取り入れていったので、新規視聴者の獲得にもつながっているだろうと思う。
それに、もともと配信が専門ではないにも関わらず、求められていることに挑戦して伸ばしていったという姿勢もすごい。
バーチャル園児めいちゃんねる
いろいろ x バーチャルユーチューバー。めいちゃん。
“いろいろ”と書いたのは中途半端という意味ではなく、動画・作曲・イラストなど、どれもクオリティが高く、しかもそれらを組み合わせてひとつの作品を作り上げている、超スゴスゴ園児。
クリエイターとしての気概とセンスがビンビンに伝わってくる。サムネイル画像を眺めるだけでもすごい。
鴨見カモミ
イラスト x バーチャルユーチューバー。鴨見カモミ(かもみかもみ)。
幻想的なタッチのイラストメイキング。だけじゃなく、3Dモデルも変化させてイラストと連動しているような物語性を見せていく。
まさに「バーチャルアーティスト」の肩書きにふさわしい動画。
最果ての魔王ディープブリザード
イラスト × バーチャルユーチューバー。最果ての魔王ディープブリザード。
原理に基づいたイラストの描き方を解説した動画がたくさんあって、実例や図解を交えながら解説しているのでとてもわかりやすい。
イラスト系Vtuberは生放送主体が多い中、テーマを絞って初心者向けに落とし込めるのは強み。
ジャンルが違っても「誰に何をどう届けるか」という視点では参考になる。
Midy(ミディ)
作曲 × バーチャルユーチューバー。Midy(ミディ)。
作曲ソフトを使ってサクッと良い感じの曲を作ってしまう。作曲する人に役に立ちそうなコツを頻繁に織り交ぜながら解説するので、知らない人が見ても分かりやすい。
作曲系Vtuberとして知られたため、楽曲提供もすることがある。
花奏かのん
楽器演奏 x バーチャルユーチューバー。花奏かのん(かなでかのん)。
トラッキングが難しい楽器演奏で、指のトラッカーを導入するためにクラウドファンディングを実施し、目標金額を達成。
コードの話、スケールの話、ベースの音比較など、ベースを知ってもらいたいという思いが伝わってくる。
楽器系Vtuberはトラッキングに費用がかかり、ほとんどバーチャルで動いている姿を見ることができないので、成功例になってほしい。
食虫植物TV(ネア)
食中植物 × バーチャルユーチューバー。ネア。
元々キャラデザはあったけど、この動画で初めてバーチャルユーチューバーっぽくリアルタイムで動くモデルになったみたいで、界隈でちょっと話題になっていた。
まず普通の人なら知ることもない「食虫植物」について、もともと高画質と分かりやすい解説だったところにバーチャルユーチューバーが掛け合わされて、違う視聴者層にも見られるきっかけになっている。
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どれも素人目から見ると「すごい!」と思えるには十分なクオリティを持っているチャンネルで、「見せ方を変える」ことによって、たくさんの人に見てもらえる、良い事例です。
YouTubeの教材について
今までいろいろな教材?というかノウハウについて、やってよかったものや、やらなくてもいいものなど、ちょっとした解説をしながら紹介していきます。
ほかの動画を観察
これはこのページで書いてある内容そのまんまですが、とにかくほかの動画をリサーチすれば、ほとんど答えが書いてあるようなものです。
これが一番大事です。これだけで十分。
ほんとによくある勘違いですが、「サムネイルが大事」「動画の投稿頻度を多くする」「ゲームがもっと上手かったらなぁ」などは、ほとんどの人にとって役に立ちません。
「すごいこと、高い水準の動画がウケる」という価値観は、YouTube戦略では邪魔なので、一般人はまずその感覚を捨てましょう。
ほかの投稿者の動画に対する視聴者の反応を、たくさん、ものすごくたくさん観察して、何がウケる要因になっているのか、共通点を探します。
中には、自分の感覚ではウケている理由がまったくわからないような動画もありますが、インターネットってそういうもの、それが答えなんだと受け入れられたら、一気に理解が進みます。
自分の価値観や世間一般の価値観は、YouTube活動の幅を狭くしてしまうので、YouTubeの世界を理解できるかどうかがすべてと言ってもいいですね。
YouTubeクリエイターアカデミー
記事中でもたびたび引用している、YouTube公式の教材です。
書籍を買いあさるよりも、クリエイターアカデミーを熟読するほうがまだマシだと思います。
基本的な内容ですが、動画がYouTubeに評価される指標など、YouTubeの仕様を確認するのに有用。
note
noteでのノウハウ販売で、YouTubeに関する教材もチラホラ見かけます。
自分が買ったのはひとつだけですが、これはものすごく勉強になりました。
参考:YouTubeアドセンスで月10万円稼ぐ方法! 1年でチャンネル登録1万人の中堅YouTuberになる方法を公開!|野良ネロ@中堅YouTuber|note
商業出版の書籍と比べたら得体の知れない存在のnoteですが、ジャンル、もしくは考え方が近いなら、よく検討した上で買うのもありです。
※あと念のため書いておくと、この記事と似ている部分も多かったですが、このページの記事は購入する前に書いています。
書籍
今まで、商業出版されている書籍を15冊ほど。Kindleの個人出版を3冊ほど買って読んでいますが、動画づくりにダイレクトに勉強になる内容はほぼありません。
どちらかというと時間効率が悪いので、書籍は買う必要ありません。
強いて言えば「YouTubeで成功する極意」という記事で紹介したこの書籍のように、成功事例の動画を幅広いジャンルで紹介しているものは、自分の知らなかったジャンルを見ることができるので有用でした。
主に日本のYouTubeチャンネルが掲載されているという点でも参考にしやすいです。
↓こちらは海外ですが、成功事例の動画が大量に紹介されています。472ページもの大ボリュームで、あまりにもページ数が多いので、ほとんどの人は動画を参照しながらだと読みきれないくらい大変だと思います。
また、著名なYouTuberの本では、初期の頃にどのような思いで活動していたのか見たいなら良いと思います。
書いてある内容から、些細なことでもヒントにして自分の動画にフィードバックしたいという貪欲な人なら、全部買えばいいでしょう。
ブログ
Googleで「YouTube 再生回数 増やす」みたいな安直なキーワードで検索して、解説しているブログを読み漁るのはおすすめしません。
ブログを書いている運営者にはそれぞれ目的があり、教材を売ったり、自社サービスに誘導したり、アフィリエイトしたりなどなど、余計な寄り道をしてしまいます。
書いている情報も、あとから考えたら当たり障りのない内容なので、時間をかける価値がありません。
そんなことするヒマがあったら、YouTubeで検索して、自分と関わりのあるジャンルの動画を観察しましょう。
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これらの事情を理解した上で、寄り道をしないのであれば読み漁っても大丈夫です。ネットに慣れていない人が、答えを求めてGoogle検索するのは危険です。
結果が出ない可能性も高い
自分は動画を作る前にリサーチして、それなりに根拠を持って撮影したけど、関連動画からのアクセスが増えるまで1年半、全部で300個近く投稿している動画の中の一握りなので、狙って結果を出すのはなかなか難しい。
「◯◯すればOK」という方法論があればいいけど、投稿して反応を見ないと分からないので、どっちみちやってみて答え合わせの繰り返し。
チャンネルそのものに人気があって、すぐに反応がある人はそのサイクルを速く回せるけど、最初のうちはそれさえ難しい。
そんなふうに、いつまでたっても結果が出ない可能性もあるので、成功する前提で作戦を練らないようにしましょう。
まとめ
ここまでの内容を読んだら感じると思いますが、
めちゃくちゃやること多くて面倒ですね。
逆に、このページに書いてあることを面倒だと感じない人であれば適正があるといえます。
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関連:YouTube収益化の新基準をクリアするための分析|1,000人のハードルがやっぱり厳しい