初心者はローマ字入力とかな入力どっちがいいのか

今となってはローマ字入力とかな入力どちらがいいのかって議論も見かけなくなりましたが、初心者に教えるとしたらどの入力方式が良いのか

結論から言うとローマ字入力がおすすめです。

というか現状、タイピング練習し始めの初心者だとローマ字入力しかおすすめできません。

かな入力は難しいし小指つらいし英数字めんどくさいし、挫折トラップてんこ盛り。

タッチタイピングの記事でも書いた通り、“大学1年生でブラインドタッチできるのは20%以下”のような調査が複数あるので、日本全体のITレベルを底上げするなら、「より速く」よりも「そこそこできる人を増やす」ほうが遥かに大事。

なので、タッチタイピングの難易度やシェアのことを考えると、ローマ字入力しかおすすめできるものがありません。

※ちなみに、親指シフトなどJIS規格以外の入力方式は導入や環境構築のハードルが高いので、初心者にはますますおすすめできるものではありません。この記事は、あくまで「全体のITレベルのことを考えるとローマ字入力しかおすすめできるものがない」という趣旨です。親指シフトなどについては親指シフトについて書いた記事にまとめてあるので、興味があれば見てみてください。
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ローマ字入力とかな入力の違い

ローマ字入力とかな入力の違いについて、よく議論される点についてまとめてみました。

例えば子供にどちらの入力方式を教えたら良いのか迷っているなら参考になるかもしれません。

JISかな入力も練習しました

ちなみにかな入力もある程度できてたほうが良いかと思って、自分自身、一応JISかな入力はタイプウェルKで基本常用語66.8秒(250打鍵/分)ランクSFになるまで練習して、日常使いだったら使える程度にはなっていました。(今は練習していないので遅くなってるけど)

参考になるブログ

コジオニルク – JIS かな打ちを使うことを止めることにしたという記事で、5ヶ月半の練習の末、JISかな入力をやめることにした経緯が書かれています。タイプウェルで常用SA(56~58秒)まで到達した段階で語れる小指の痛さ、ミスのしやすさ(「ほ」「へ」「ー」あたり)、など、とても参考になります。JISかなカテゴリを順番に読めば時系列もわかります。これから書く内容とも似ている部分があるので、一読をおすすめ。

覚えるキーの数

ローマ字入力では [Q] は使うことがほぼ無く、拗音で[X]と[L]のどちらか、[C]は使わなくても入力できるため、実質、アルファベット23個、句読点2個、伸ばし棒1個で、

ローマ字入力では和文入力に合計26個のキーを使います。

しかも、五十音は子音と母音の組み合わせなので、あ行 [aiueo]・か行 [kakikukeko] のように法則性があって、[aiueo]と進む法則を知っていれば、「あかさたなはまやらわがざだばぱ」の15パターンでほとんどの文字を入力でき、「きゃきゅきょ」などの拗音は間にyが入るという法則で対応できるので、最初に覚えるパターンがかな入力よりも少なく済みます。

ーーー

それに対してかな入力は、48キー全てに加えて、Shiftキーを押しながら入力するカナが10個と句読点2個を合わせると、かな入力では合計60種類のキー配置・組み合わせを覚える必要があります。

これが英数字記号も含まれる文章だと、ローマ字入力は元からアルファベットの位置もついでに覚えますが、かな入力はカナ印字とは別になるので、かな入力の英数字入力ではさらに26個のキーを覚える必要があります。

そのため、キー配置を覚えるのは、かな入力のほうが難しいということがわかります。

パソコンスキルの中でも重要なタッチタイピング(手元を見ずにタイピング)できるかどうかに関わってくるので、覚えやすいかどうかは非常に大事なポイントです。

打鍵範囲

ローマ字入力は打鍵範囲が狭くてバックスペースやEnterを誤打する心配も無いので、かな入力よりもタッチタイピングが簡単です。

ーーー

それに対してかな入力は4段を全て使うので、「そう」みたいな「最下段⇔最上段」の移動が難しく、右手小指の担当範囲が非常に広く、さらにバックスペースやEnterを誤打しやすいので、タッチタイピングがかなり難しく、また、ローマ字の「子音→母音」のような単純さが無いので、減速せざるを得ないパターンが多く出てきます。

ホームポジションの位置を変えたり運指を最適化すれば多少改善することができますが、それ自体が初心者には難しく、現実的ではありません。

ーーー

少し見方を変えて、「ホームポジションからの距離」(隣接するキー)を図解にすると以下のようになります。

ローマ字入力では和文で使うキーがほとんどホームポジションから隣接していて、指の位置関係を把握するのが簡単です。

ーーー

それと比べてかな入力では2キー以上離れているものも多く、飛び飛びの打鍵になった時にタッチタイピングするのが明らかに難しくなります。

タッチタイピングの難しさ

ここまで説明してきたように、覚えるキーの数・打鍵範囲の広さ・バックスペースやEnterを誤打しやすいという理由で、かな入力はタッチタイピング(手元を見ないタイピング)の難易度がかなり高くなります。

難しいとついつい手元を見たくなりますが、タッチタイピングの重要性について書いた記事にもある通り、手元を見るとスピードが頭打ちになり、体は疲れやすくなることが確実で、将来に渡って影響が大きいので、絶対に手元を見たらいけません。

「手元を見るかな入力」をするくらいなら、「手元を見ないローマ字入力」のほうが遥かにマシです。

そのくらい、「手元を見ないこと」の優先順位のほうが高いことを知っておいてください。

小学生や中学生がタッチタイピングを挫折しやすいという点で比べても、難しい入力方式は不利になってしまいます。

小学生だったら授業で「手元を絶対に見ないように」と言っても無理でしょう。でも手元を見たら後で無駄になるというジレンマ。

それに中学校以降だとほぼ確実にローマ字入力で授業が進められるので、良かれと思ってかな入力を練習させていても、余計に苦労させてしまうかもしれません。

打鍵数の違い

よく”2倍の打鍵数”と言われますが、実際はそんなことなく、ローマ字入力の打鍵数は、かな入力のせいぜい1.5倍くらいになります。

参考:親指シフト – Wikipedia

上記ページの中に、同じ文章(天声人語4日分:3735文字)でローマ字入力・かな入力・親指シフトの打鍵数を比較したデータがありますが、

打鍵数 比率
親指シフト 3735 1.0 Shiftカウント無し
JISかな 4110 1.1 Shiftカウント無し
ローマ字 6474 1.7

JISかなとローマ字を比べると、だいたい1.58倍となっていて、この時点で2倍にならないことは明らかなことに加えて、上記の計測では、かな入力はShiftキーをカウントしていない(動作数)なので、総打数はもう少し増えます。

天声人語バックナンバーから調べたところ、かな入力は1日につき拗音30回・句読点40回=計70回ほどShiftキー打鍵があったので、おそらく上記(4日分)だと250~300ほど打鍵数がプラスされます。少なく見積もって200打鍵プラスでも6474÷4310=1.50なので、実際の打鍵数(総打数)の差は1.5倍前後になる計算です。

ーーー

他にもう少し文字数の多いサンプルとして、1万字のかなを入力する場合の打鍵数という分析によると、

  • ローマ字入力17,019打鍵
  • かな入力Shift無し(動作数)11,169打鍵(1.52倍)
  • かな入力Shiftあり(総打数)12,256打鍵(1.39倍)

以上のように、実質の打鍵数(総打数)だと約1.4倍になっていて、しかも、かな入力は「Shiftキーを押しているか離しているかの打ち分けが必要」で、ローマ字入力よりも(速くなればなるほど)正確に入力するのが難しいため、入力速度は打鍵数の差よりも縮まっていきます。

また、かな入力で数字(年齢・日付・人数)、カッコ()の入力は英数切り替えをするか [F9] [F10] キーによる英数変換が必要になるけど、上記の検証にはそのことについて触れられていないので、さらにかな入力の打鍵数が増えます。

他にも、かな入力は1打鍵で打てるキーばかり強調されますが、かな入力のほうが明らかに不利な文字もあります。例えば「じゃ」は、かな入力だと[し][゛][Shift][や]4打鍵に対してローマ字入力だと[J][A]2打鍵になるので、濁点・半濁点・拗音が含まれる文字はJISかな入力の優位性が無くなります。

さらに、かな入力は前述の通り打鍵範囲が広く、右手小指の負担が大きく、同指連続打鍵が発生しやすいので、かな入力の打鍵速度はローマ字入力よりも遅くなります。

ーーー

このように、「打鍵数が2倍だからかな入力のほうが速い」という主張は間違いで、

打鍵数はせいぜい1.5倍程度。かな入力は拗音・句読点・英数字記号でShiftキー・英数キーを使うので、入力速度の差はそれ以下になる。

ということになります。

しかもShiftキー打鍵があるかな入力では、高速になるほど入力のタイミングがシビアになっていくので、速くなるほど難しいテクニックが求められます。

もし、“ローマ字入力で2打のところをかな入力は1打で打てるから速い”と言われたら、間違っているので気をつけてください。

それに、パソコンを使う上でタイピングのスピードだけじゃなく、業務で使うアプリケーションの使い方や、ショートカットキーを使いこなせるかどうかも重要なので、やはりほとんどの人にとって打鍵数の違いで生産性に2倍の差は出ません。

疲れやすさ

かな入力派の「打鍵数が少ないから疲れにくい」という主張がありますが、逆にかな入力のほうが疲れやすい点もあるので、図解にしてまとめておきます。

特にかな入力を練習する人は、右手小指を傷めないように気を付けてください。

右手小指の負担

ローマ字入力だと和文の入力において右手小指の担当は [P] [ー] の2キーしかなく、使用頻度も多くありません。(こちらの文字頻度表によると203,984打鍵の解析で [P] 打鍵数はワースト4位で約0.2%。※伸ばし棒はデータ無し)。それに、[P]と[ー]は連続で打つことが無いので、同指連続打鍵にもなりません。ローマ字入力は右手小指の負担が非常に軽いことがわかります。)

ーーー

それに対してかな入力は右手小指の担当する範囲が非常に広く、かな9文字・濁点・半濁点・伸ばし棒で、合計12キーもあります。

先ほどのページの仮名頻度表を打鍵に分解して集計すると、121.380打鍵のうち右手小指が23,629打鍵で、全打鍵の19.4%が右手小指になっています。集計しているキー数は伸ばし棒を除く11キーなので、キー数の割合23%(11÷48)から考えるといかに大きな負担になっているかよくわかります)。かなキーが9個もあるので、当然のように同指連続打鍵が発生し、打鍵速度が著しく遅くなることもあります。(「ホームページ」「ボールペン」「ゲートボール」とか)

かな入力上級者は「ホームポジションの位置を変える」「運指を変える」とアドバイスすることがあるかもしれませんが、教える側も教わる側もさらに負担が増えて、学生を含む初心者にとっては現実的ではありません。授業なら統一できなくなります。

そのような欠点があるので、現在すでにかな入力を使っている人も、右手小指の疲労には十分気をつけてください。

左手小指の負担

続いて左手小指の負担についてです。

ローマ字入力は和文の入力でほぼ[Q]キーを使わないので、左手小指は、[A][Z]の2キーしか使いません。前述の頻度表によると打鍵頻度は[A]12.3%、[Z]1.4%。[A] は母音なので使用頻度が多いですが、小指連続打鍵になるのは「ざ」だけなので少なく、かな入力のように連続打鍵になるのと比べるとマシなほうです。

ーーー

それに対してかな入力は[ぬ][た][ち][つ][Shift]の5キーを使うことがあるので、キー数・移動範囲ともにローマ字入力よりも大変になります。

打鍵数の割合は7.3%(8,874÷121,380)とローマ字より少ないですが、小指の連続打鍵はそれなりに発生します。「タッチ」「土」「立つ」「風立ちぬ」とか・・・。

ーーー

結局、タイピングに余裕があって次の運指が先読みできるようにならないと滑らかな打鍵ができず、かな入力でも疲れます。

また、腱鞘炎や肩こりになる原因は、打鍵数以外にも、キーボードの押下圧・キーボードのチルトスタンド・リストレスト・エルゴノミクスキーボード・手の置き方・肘の位置などによって変わってくるので、「◯◯だから疲れやすい」と一言で言えるものではありません。

なので、「ローマ字入力は打鍵数が多いから疲れやすい」というのは、数ある疲れる原因の中の一つでしかなく、かな入力にも上記で書いたように疲れる要因はいろいろあります。

入力が直感的かどうか

かな入力派の人が主張することの一つに、「かな入力は打ちたい文字とキーが一致しているから直感的。ローマ字入力はいちいち頭の中でローマ字に変換しないといけないから直感的じゃない。」ってのがあります。

ローマ字入力のスキルが中途半端だと、「か」は[k]ケー[a]エーと頭のなかで読み上げて変換したりしますが、練習を進めていくと「か」=[ka]と、頭のなかで発音もせずにイコールの関係で出てきます。

[ka] という2打鍵がイコール「か」になるので、頭のなかでそもそも変換していません。[k]ケー[a]エーと1つずつ打つのではなく、[ka] の塊が「か」になります。かな入力の「か」= [か] と同じ感覚です。

これは楽器の演奏とも似ている部分があって、特定の組み合わせが特定の出力を生み出します。[k]ケー[a]エーのキーをほとんど同じタイミングで、ストンと打つ、その打ち方が「か」を出力している、とも言えます。

さらに発展すると「ます」を打つ時に、[masu]を一つの塊としてストンと打ち下ろすようになるなど、最終的には特定の動作が出力に結びつくので、ローマ字入力でも、どこまでも直感的になります。

かな入力でも、そのようなレベルになっていない場合は「か」(か)と頭の中で発音してしまいます。その段階だと、かな入力でも直感的とは言えず、同様に頭が疲れます。

英数字記号の打ちやすさ

英数字が含まれる文章だと、かな入力は最上段の数字や記号を入力するために、[英数]キーで入力を切り替えたり、[F9] [F10] キーによる英数変換キーを使う必要があるので、余計な手間がかかります。

特に「2017年12月31日」のような日付を入力する時はローマ字入力なら入力切替せず単キーでそのまま打って一発で変換できるのでかなり有利です。

学校の授業や資格試験だと日本語中心の和文でしょうが、仕事だと英語・プログラミング・メールアドレス・URL・日付・価格など、英数字記号を入力する機会が増えるので、将来的にはかな入力のほうが不便になる可能性が高くなります。

外来語(カタカナ語)の入力しやすさ

「ホームページ」「ボールペン」などのカタカナ語は、かな入力だと非常に難しくなります。

何と言ってもカタカナ語でよく使う「濁点」「半濁点」「伸ばし棒」が全て小指担当で右上端に固まっていて、隣接していて誤打しやすいのに加えて、Enterやバックスペースと近いので誤打した時にロスが大きくなるので、これを速く正確にするのは無茶苦茶難しいのが明らかです。

さらに、濁点や半濁点は打ち損じや打ち間違いをした時に文字の違いがわかりにくく、変換した時に初めて気付いて修正に時間がかかったりと、実用入力にも難があります。

その点ローマ字入力だと静音・濁音・半濁音で使う子音キーが違うので間違いが起こりにくいという良さがあります。

完璧に入力できるほどのスキルがあればローマ字入力よりも速くなるのかもしれませんが、その難易度はローマ字入力とは比べ物になりません。

割合(シェア)

アスキーのアンケート調査の記事によると、2015年・1529人の調査でローマ字93.1%、JISかな5.1%、同記事内に書いてある楽天の調査では2007年・3000人の調査でローマ字86.3%、JISかな7.6%となっていて、世の中では「ローマ字入力が当たり前」になっています。

また、自分のYouTube動画でもアンケートを取っていて、各入力方式の割合は以下のようになっていました。(2016年5月~2018年8月、2,740人)

入力方式 人数 割合
ローマ字入力 2,407 87.8%
かな入力 233 8.5%
親指シフト 55 2.0%
漢直 32 1.2%
Dvorak 13 0.5%

※年齢層のデータもありますが、YouTubeは親のアカウントで視聴する子供もいるので割愛します。

※回答数は多いですが、YouTube動画内のアンケートなので、週アスなどのアンケートと比べたらデータの信頼性は落ちると思います。

ーーー

このように、もはや「ローマ字入力が当たり前」という状況なので、学校のタイピング授業はローマ字入力が前提で進められ、小さい頃にかな入力をやっていても、どのみちローマ字入力も練習せざるを得なくなります。

ここまで書いてきた通り、その環境の違いを跳ね返せるだけのメリットがかな入力にあるのか疑問なところです。

職場の共用パソコンでのトラブル

また、職場が共用パソコンの場合は、かな入力からローマ字入力に戻す癖を付けておかないと、他の人に迷惑をかけてしまいます。

これに関しては自分は全然迷惑には感じませんが、世の中には実際に迷惑に感じる人がいて、Twitterで検索すると、実際に職場で起こっているトラブルがヒットします。

もちろん絶対数はそんなに多くないかもしれませんが、そういうトラブルが実際に起こる可能性はある、ということは知っておいたほうが良いでしょうね。

あと、「今どき「かな入力」は求職に不利ですか?」という発言小町では、真偽の程は確かじゃありませんが、かな入力の賛否についていろいろな意見を見ることができます。

ーーー

これらは根本的に、「ローマ字入力の人が切り替え方法を知らないだけ」なので、どちらが悪いという話じゃないはずです。そのようなことがあった時にローマ字入力の人は切り替え方法を知っておくべきだし、かな入力の人はそのようなトラブルが起きないように、元に戻す癖をつけておいたほうがトラブルが少なくなる、というだけのことです。

お互いに気配りがあればトラブルまで発展しないはずなんですが、人間関係によっても変わってくるのかもしれません。

ローマ字入力とかな入力の切り替え方法(Alt+カタカナひらがな)を職場の人が素直に聞いてくれれば良いですが、不満を言われることもあるでしょう。また、共用PCを使う人数が多ければ、切り替えを周知させるのも面倒になってきます。

そのため、「なんでかな入力が迷惑なんだよ!おかしいだろ!」と正当性を主張すると、そもそも切り替え方法を知らない人にとっては非難されたと受け取られ、余計に煙たがられ、逆に人間関係に支障をきたすかもしれないので気をつけてください。それが正しいことだとしてもお互いの主観が違うので理解されないこともあります。

また、上記発言小町の、医療機関の事例を引用します。

昔勤めていた会社は自分専用のパソコンがあったので、そこでは何も困ることはありませんでした。
が、医療事務の職に就く為に通った職業訓練校の先生に、ローマ字入力に変えるよう強く勧められました。
理由は、医療機関では、一台のパソコンを複数人で共有して使う為、その度にモードの切り替えをしなくてはならない、切り替えをし忘れると他の人に迷惑をかけるからとのことで、深く納得しました。

引用:パソコン入力…ひらがな入力はマズい?? (2) : キャリア・職場 : 発言小町 : YOMIURI ONLINE(読売新聞)

例えばカルテの入力で突然かな入力になっていて、切替方法が分からず、かな入力をしていた人が離席していたら仕事がストップしてしまうので、迷惑だと強く感じてしまう場合もあるんじゃないでしょうか。

このような可能性もあることから、進路が決まっていない学生や転職先によっては、かな入力をおすすめすることができません。

かな入力対応のタイピングソフト

他にシェアに関係することとして、かな入力に対応しているタイピングソフトは少なく、古いものが多いです。

また、学校の授業はローマ字入力で進められることがほとんどだし、そもそもローマ字入力にしか対応していない寿司打が使われることさえあります。

ーーー

そんな感じで、圧倒的にシェアが少ないゆえの不便さがあるので、かな入力に興味を持っている人は気をつけましょう。練習にも仕事にも、ローマ字入力のほうが圧倒的に環境が整っています。

ローマ字とかな入力どっちが速いのか

ローマ字入力とかな入力、いったいどちらが速く打てるのか。

よく耳にするのは「かな入力は半分の打鍵数だから2倍速い」というものですがこれは間違いで、先述の通り、1万字のかなを入力する場合の打鍵数を比べると、

  • ローマ字入力17,019打鍵
  • かな入力Shift無し11,169打鍵(動作数) → 1.52倍
  • かな入力Shiftあり12,256打鍵(総打数) → 1.39倍

のように、全く同じペースで打った理論値でも1.52倍の速度で、これにさらにかな入力のほうが速度を上げにくい要素があります。

それはローマ字入力に無くて、かな入力にあるもの、Shift押さえながらの打鍵です。

かな入力では「っぁぃぅぇぉゃゅょを、。」を入力する時にShiftキーを押さえながらの打鍵が必要で、Shiftキーを押しているか離しているかの打ち分けが必要になるため、スピードが上がるほど難易度が増します。

例えばかな入力で「きょう」を打つなら「き」はShiftどちらでもOKですが、「ょ」はShiftを押さえながら、「う」は単打(Shift押すと「ぅ」になるのでだめ)なので、「う」を打つためにShiftを「離す」必要があり、高速入力が難しくなります。

それと比べてローマ字入力は、和文だとすべて単打で入力できる(キーを離したかどうかを気にしなくてもいい)、いわゆるロールオーバー打ちができるので、高速タイピングになっても、かな入力よりも速度を上げやすいというメリットがあります。

その仕組み上、高速になればなるほど、同じスキルなら両者の差が縮まっていき、それが個人スキルの差なのか、配列の良し悪しの差なのか分からなくなります。

実際、日本トップレベルのタイパーが参加していた大会、Realforceチャンピオンシップの予選結果(イータイピングのWPM)を分析すると、、、

イータイピングのWPMは動作数に相当するので、前述のローマ字入力とかな入力の動作数の違い1.52~1.58倍から、多めに見積もって1.6倍を掛け算しても以下のようになります。

方式 かな入力
WPM
ローマ字換算
WPM
かな 545.13 872.21
ローマ 851.09
ローマ 760.34
ローマ 752.86
かな 466.41 746.26
ローマ 741.09
ローマ 739.84
ローマ 739.21
ローマ 729.06
ローマ 724.57
かな 450.22 720.35
ローマ 716.73
ローマ 715.09
ローマ 714.68
ローマ 710.74
ローマ 709.65
かな 438.69 701.90
ローマ 699.00
ローマ 693.24
ローマ 689.74

見てのとおり、日本一を決める大会の参加者でも、かな入力が上位を独占することは無く、参加人数比相応に分布しており、トップ同士のローマ字換算WPMはほぼ同じです。

また、優勝者のmiriさん(ローマ字入力)はタイパーから見ても頭一つ抜けていて別格の感があり、予選のスコアも本番の成績も圧倒的だったので、ローマ字入力が高速入力に耐えられる配列だという証明にもなっています。

他にもイータイピングの歴代トップランカーを見ると、ローマ字入力は700~800、かな入力は420~550程度で、動作数の差1.6倍をかけて換算しても有意な差になっていません。

ーーー

余談として、筆者はローマ字入力で上記のmiriさんの半分くらいの入力速度ですが、初見の和文10分で1500~2000文字くらいは入力できてロールオーバー打ちの良さも実感できて疲れを感じないので、やはりローマ字入力そのものに問題があるとは言えません。

なので、ローマ字入力とかな入力を突き詰めたら、速度は差が無いんじゃないでしょうか。

かな入力がおすすめな例外

ここまでかな入力のデメリットばかり書きましたが、場合によってはローマ字入力よりもおすすめできることがあります。

年齢がある程度高く、仕事ではタイピングすることが(今後も全く)無く、パソコンを使う時は閲覧がほとんど、文字入力は検索キーワードの入力くらいしかしない。

というように、タイピングが速くなる必要性が無い人なら、手元を見ながらのかな入力で十分です。

何よりJISかな入力は印字どおりの文字を打てて、使用頻度の少ない文字だけShiftキーとの組み合わせなので分かりやすく、練習しなくても、誰でもとりあえず文字を入力できるというのは大きなメリットです。

手元を見ながらのゆっくりのタイピングなら打鍵数の差がそのまま入力速度の差になるので速く打てるとも言えます。

もちろん手元を見るとタイピング能力は伸びませんが、逆に、伸ばす必要がない人にとってはメリットだらけということですね。

ーーー

※ただしそれを口実にして、上司の立場の人がタイピングを全く練習せずに仕事で迷惑をかけるのは勘弁してください。逆に言うと苦手なタイピングを練習する上司だったらポイント高いです。

まとめ

ということで、かな入力がおすすめできる人という例外はありますが、

「タイピングスキルを伸ばしたい初心者にどの入力方式をおすすめするか」という質問に対してはローマ字入力やっときゃ良いでしょ、という結論になります。

どのパソコンでも使える(職場でも)という最低条件をクリアできるのがローマ字入力とJISかな入力だけで、かな入力には様々なデメリットがあるので、どっちみちローマ字入力しか選択肢がありません。

ローマ字入力でも、タッチタイピングを覚えて、飽きるならタイピングゲームで練習して、突き詰めたいなら最適化を導入すれば、疲れにくくて実用以上のタイピングスキルにできます。

ーーー

それと、ローマ字入力が疲れるという人は、押下圧が軽いキーボードも検討してください。肩こりや指の痛みが気になっている人は、入力方式よりも押下圧を見直してみるべきです。そのくらい軽いキーボードは世界が変わります。

予算があるならRealforce 108USなどの押下圧30g、もしくはリベルタッチ(押下圧35g)、予算が無いならロジクールK120が押下圧50g(メンブレンキーボードとしては軽め)。メカニカルキーボードの赤軸や茶軸なら45gだけど、値段がそこそこ高い割に中途半端な押下圧・・・。

Realforceについては記事も書いてあるので、キーボードにこだわりたい人は読んでみてください。

ちなみに肩こりを減らす手段として、ハの字型のエルゴノミクスキーボードが紹介されることがありますが、押下圧が重たくて本末転倒になることもあるので、買うならよくチェックしましょう。個人的にはエルゴノミクスよりも、押下圧を極力軽いものにしたほうが効果は大きいです。

ーーー

関連:ローマ字入力のタイピング練習ゲーム

関連:かな入力のタイピング練習ゲーム

関連:タッチタイピングのコツと練習方法

関連:タイピングの資格

関連:親指シフトの導入・断念した理由・普及しない理由・その他の配列

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『初心者はローマ字入力とかな入力どっちがいいのか』へのコメント

  1. 名前:toto 投稿日:2018/06/26(火) 14:09:59 ID:82b530b5f 返信

    私はローマ字を10年、かな入力に変更して5年のものですが、かな入力の方がローマ字入力より早いし、ミスも少なく、思考のノイズも少ないです。小指の疲労も、使い続けているうちに無駄な力がなくなるので、いまでは特に意識していません。

    両者を公平に比較するためには、大体同じ期間使用して、両者の経験値を同じにしなければフェアではないと思いました。

    参考になるブログも読みましたが、速さが同じになった=ローマ字と経験値が同じになったではないと思います。長年使い続けているローマ字の方が無駄な力が少ないのは当然です。

    初心者がローマ字入力から入った方が良いというのは私も同感ですが、不公平な断定で、風評被害を撒き散らすのはやめてもらいたいです。

    • 名前:toto 投稿日:2018/06/26(火) 16:08:14 ID:82b530b5f 返信

      ローマ字入力でも「しゃべるように入力」できているならかな入力と同等に直感的、というような書き方も疑問です。

      [ka] という2打鍵がイコール「か」になっていたとしても、そこには必ず指の動きが別々に二つ存在します。「か」という一呼吸の発音に対して、脳にツーアクション要求するという時点で不自然です。限りなく無意識に近づけることは出来るかもしれませんが、ツーアクションをワンアクションにすることは出来ません。

      どちらがより自然で、思考にダイレクトかを比較した場合、そこには物理的に越えられない壁があると感じます。

  2. 名前:あこーど 投稿日:2018/09/03(月) 07:43:28 ID:ad43d0544 返信

    タイピング量が多ければ多いほどタイプミスの確率が多いとかまったくデメリットを書いてませんね
    まぁ自分の手法が遅いし多いと明らかになったのに我慢出来ずに遅くないと言いたい気持ちは良くわかりますよ。
    みんな自分の手法が古いなんて認めたくないですもんね

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